1年以上の右肩痛と右指の痺れに
カテーテル治療が奏功した例
1年以上の右肩痛と右指の痺れに
カテーテル治療が奏功した例
主訴:右肩
《 病 歴 》
⚫︎2年前から右肩痛発症
⚫︎1年前の転倒で左肋骨骨折、右側を下にして寝ることが多くなり症状悪化
⚫︎夜間痛がひどく、寝返り時に目が覚める
⚫︎2ヶ月前から日中に指先の痺れも出現
⚫︎頸椎MRI撮像では異常なし
《 診 察 》
⚫︎可動域は水平70°まで
⚫︎肩の圧痛あり、エコーでモヤモヤ血管を確認
⚫︎腱板はエコー可視範囲内で損傷はない
⚫︎指先の橈骨神経領域の痺れは右肩痛時に増悪
《治療方針》
肩の異常炎症を減らすためにカテーテル治療を提案
《施術内容》
カテーテルを用いて右肩の胸肩峰動脈と前上腕回旋動脈を造影し炎症血管を確認したのち、一時的塞栓物質を投与した
治療前
治療直後
治療後経過
《2週間後》
⚫︎夜間痛が改善し熟睡できるようになる
⚫︎右肩痛5割減
⚫︎可動域は前方150°→170°、水平70°→110°に改善
⚫︎両肩首凝りが気にならなくなる
⚫︎右手1-3指の痺れは治療当日より改善
追加治療:右肩に少量のステロイド注射
《1か月後》
⚫︎夜間痛消失
⚫︎痺れは毎日→週1回に減少
追加治療:右肩に少量のステロイド注射
《2か月後》
⚫︎痛み・痺れなし
⚫︎可動域正常(水平挙上180°、内旋L2)
⚫︎圧痛消失
方針:有事再診とし、外来は一旦卒業となった
まとめ
患者は治療効果に非常に満足し、日常生活が改善したことを実感されて喜ばれていました。
以上、長引く右肩痛にカテーテル治療を行い、痛みと指先の痺れが改善した1例をご紹介しました。
もし長引く痛みで困っている方がいらっしゃったら、それは炎症新生血管(モヤモヤ血管)のせいかもしれません。
お気軽にご相談ください。
カテーテル治療(手術)名:経動脈的微細血管塞栓術
治療の説明:足の付け根(鼡径部)や手首から、カテーテルという太さ0.6mmほどの「くだ」を血管の中に挿入し、異常な炎症新生血管(モヤモヤ血管)を減らします。カテーテル挿入箇所の局所麻酔のみで行う30分〜1時間ほどの治療です。
施術の副作用(リスク):カテーテル挿入部位の内出血(約4%)、造影剤や薬剤による蕁麻疹などのアレルギー反応(約2%)、治療部位の一時的な疼痛の増加(約5%)
施術の費用:143,000〜440,000円(税込)