「靴を履いて立ち上がるのが恐怖でした。それが、いまは朝から快適に歩けています。」
50代男性の患者さまは、半年ほど前から足の裏、特にかかとの内側に強い痛みを感じるようになりました。
「朝、ベッドから降りて最初の一歩がとにかく激痛」。しばらく歩くと少し和らぐものの、日中も長時間の立ち仕事や車の運転の後には、再び足をつけるのがつらくなるという状態でした。
外来での超音波検査(エコー)を行ったところ、足底腱膜の厚みが4mmを超えており、明らかな腫れ(肥厚)が見られました。
さらに、患部の状態や痛みの特徴から、「モヤモヤ血管(異常な炎症新生血管)」が発生していると判断しました。
このタイプの足底腱膜炎では、ストレッチやインソールだけでは改善が難しいケースも多く、血流にアプローチする動注治療を提案しました。
動注治療(足の血管からモヤモヤ血管へ薬を届ける治療)は、外来で5分程度で完了する低侵襲治療です。
この患者さまには、2回の動注治療を行いました。1回目の治療後から痛みがやわらぎ、2回目の治療後には「朝の一歩目の激痛がなくなった」と喜ばれました。
運転後の痛みも軽減し、現在は快適に歩ける生活を取り戻されています。
※上の画像は足底腱膜のモヤモヤ血管をカテーテル治療で減らしている画像です。動注治療では造影検査は行わずに治療することがほとんどです。
足底腱膜炎は、特に40〜60代の方に多く、「朝の一歩目が痛い」「車から降りるときがつらい」という症状が特徴的です。
これらの痛みの裏には、画像検査では見えにくいモヤモヤ血管の存在が関係しているケースがあります。
当院では、エコーと血流評価による正確な診断と、根本原因への動注治療で、多くの方が日常を取り戻しています。
「歩くのがつらいけど、年齢のせいだと思っていた」「何をしても治らない」とお悩みの方も、ぜひ一度ご相談ください。
動脈注射治療(動注治療)
治療の説明:手首や肘、足首の動脈から炎症新生血管を減らす塞栓物質(抗生剤:チエナム)を投与することにより、投与部の末梢の炎症新生血管を塞栓し減らし、痛みを減らす治療
施術の副作用(リスク):注射穿刺部の内出血、薬剤による蕁麻疹などのアレルギー反応(約2%)、治療部位の一時的な疼痛の増加(約5%)
施術の費用:25,300~41,800円(税込)