「2年間悩んでいた膝の痛み。もう走れないかと思っていましたが、今はマラソンを視野に入れています。」
■ 膝の痛みで階段もつらく、走るたびに不安が…
この患者様は、2年前からランニング中に片膝に鋭い痛みを感じるようになりました。しばらく安静にし、リハビリも続けながら日常生活は送れていましたが、階段の昇り降りでの痛みや、膝のお皿周辺を押したときの痛みが長引いていました。
痛みに波はありながらも我慢して過ごしていましたが、最近になって突然痛みが強くなり、なかなか引かなくなったため、当院を受診されました。
■ 超音波と血流評価で「モヤモヤ血管」を確認
超音波エコー検査では、膝蓋腱に8.8mmの肥厚(腫れ)が見られました。さらに血流評価を行ったところ、脂肪体と言われる部位に異常な炎症血管(モヤモヤ血管)が確認されました。
これは長引く痛みの原因のひとつとされており、一般的なリハビリや注射だけでは改善が難しいケースです。
〇部分の脂肪体に炎症血管(モヤモヤ血管)あり。下画像(痛くない)にはない。
■ カテーテル治療を実施し、徐々に痛みが軽減
後日、膝のモヤモヤ血管に対するカテーテル治療を行いました。
治療後は約8割の痛みが改善し、日常生活ではほとんど気にならない状態に。走行中や走った直後に軽い痛みを感じることはありましたが、治療から4ヶ月後には痛みで困ることは一切なくなり、外来通院を終了されました。
現在はランニングの強度を徐々に上げつつ、再発予防のセルフケアにも取り組まれています。
左〇のモヤモヤ血管が、治療により直後から消失している
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)や膝周囲の慢性炎症による痛みは、長期間続くと日常生活だけでなく運動の楽しみも奪われてしまいます。
今回のように、血流(モヤモヤ血管)にアプローチするカテーテル治療は、従来の方法で改善しにくかった膝の痛みに対して大きな効果が期待できます。
痛みで「もう運動は無理かも…」と悩まれている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
カテーテル治療(手術)名:経動脈的微細血管塞栓術
治療の説明:足の付け根(鼡径部)や手首から、カテーテルという太さ0.6mmほどの「くだ」を血管の中に挿入し、異常な炎症新生血管(モヤモヤ血管)を減らします。カテーテル挿入箇所の局所麻酔のみで行う30分〜1時間ほどの治療です。
施術の副作用(リスク):カテーテル挿入部位の内出血(約4%)、造影剤や薬剤による蕁麻疹などのアレルギー反応(約2%)、治療部位の一時的な疼痛の増加(約5%)
施術の費用:143,000〜440,000円(税込)