研究背景と目的
海外では調理用のリンゴ品種、いわゆるcooking apple と呼ばれるカテゴリーが確立されているほどに、リンゴを調理して消費する文化が浸透しています。一方、日本では、生食用の品種が生産量・消費量ともに多くを占めており、加工用のリンゴは、生食品種果実の中でも外観の劣っており規格外となった果実がジュースなどに転用されるにとどまっています。
また、日本国内ではおよそ2000品種のリンゴが栽培されているのにも関わらず、経済的に流通している品種はわずか20品種ほどです。
さらに、日本では、赤い果皮のリンゴの需要が高く、黄色い果皮のリンゴおよび緑色の果皮のリンゴの需要が低い傾向にあります。これらのリンゴは、着色工程が不要で生産しやすいという利点があり生産量・販売量を徐々に増やしていますが、消費者への浸透はまだ十分とはいえません。
そこで本研究では,日本に植栽される海外でcooking apple と呼ばれる品種および日本に植栽され現存するリンゴ品種について、生果肉および加熱後の果肉特性を明らかにし、日本に存在するリンゴ品種の利用可能性を広げることを目指します。
研究内容
主に弘前大学藤崎農場と長野県飯綱町で生産されたリンゴおよそ70品種の生果肉および加熱果肉の果実品質調査を通して、品種特性を比較しています。
協働先
弘前大学農学生命科学部 附属生物共生教育研究センター藤崎農場
長野県飯綱町