電子レンジでリンゴジャムになる⁉

~果肉の煮溶けの機構解明に関する研究~

研究背景と目的

 リンゴをはじめとする果物の消費量・生産量は、近年減少傾向にあります。消費量を増加させるため、私たちが注目したのは「食べ方」。日本では「生」で食べることを目的とした品種が一般的ですが、世界では加工を目的にした 専用の品種がたくさんあります。本研究では、短時間の加熱でジャムのように煮溶ける加工専用品種について「なぜ煮溶けるのか?」という謎を植物の骨格・細胞壁の構造に注目し解明します。 

研究内容

煮溶けるリンゴ・‘ブラムリー’と,‘ふじ’などの煮溶けないリンゴの生果肉と加熱果肉について、細胞構造や細胞壁組成の変化について比較を行っています。

協同

弘前大学農学生命科学部 附属生物共生教育研究センター藤崎農場

今後の展望

 煮溶けのメカニズムが明らかになり,クッキングアップルの育種が進められるようになるといいなと考えています。そして,消費者が簡単に加工し,食卓に取り入れられるために,リンゴの消費量増加が見込まれることを目指しています。実際に,弘前大学で育種された煮溶ける赤色果肉の‘HFF60’が登場し、クッキングアップルの普及の寄与に大きく期待されます。