赤果肉リンゴ品種‘紅の夢’に発生する
斑点状障害の発生に関する論文が発表されました

弘前大学との共同研究で、赤果肉リンゴ品種‘紅の夢’の栽培上の最大の課題である、斑点状障害の問題解決に取り組み、有袋栽培で防止可能なメカニズムを明らかにしました。


赤肉リンゴ品種や同様の後輩親を用いた品種群は、栽培が普及する中で新規の斑点状障害が発生することが問題になっていました。この障害は有袋栽培により防止可能ですが、労働力が必要なことから、新たな簡便な防止法の開発が望まれています。

本研究では、発生のメカニズムをCTスキャンなどこれまで果実に使われることの少なかった機器を用いて形態学的に調査し、障害の発生部位が果皮の果点と、果肉の維管束の先端の間の部分であることを突き止めました。

この部分は最も水分ストレスを受けやすい部分です。

しかし、有袋栽培により、果点が閉鎖され果実外側への水分ストレスが軽減されることから障害が発生しなくなったものと考えられました。


なお、本論文の筆頭著者は、2019年に本学修士課程を修了した井村瑛智氏であり、現在はそれらの知見を活かし、地方独立行政法人青森県産業技術センターりんご研究所で研究を継続しています。

本研究成果は、2024年1月27日に、国際雑誌「Plants」に掲載されました。


DOI: https://doi.org/10.3390/%0Dplants13030381


今後は得られたメカニズムをもとに、新たな防除法を開発していきます。