くだもの縁結び 第1巻 第4号 ~久野脇の聞き書き~
「食べ物を作る事は楽しくていいなぁと思う」より
語り手 諸田 強 諸田 光子
~余すところがないユズ~
強 酢の物、若いときはあれだったけん、この頃食べるようになったね。
光子 私が酢の物好きだもんでね。
強 でもここ五、六年だな、割合。
光子 酢の物にユズを入れます。全体の酢の中でユズの酢は三分の一ぐらいかな。延命酢っていう酢を混ぜるとすごいさっぱり。コクが出るような。
強 ユズはこの人、種まで使う。焼酎につけるだけんね。
光子 種は、お酒につけておくとぬるぬるのあれが出てくるんですね。あれが化粧水に。いつもそれつけてます。顔とか、足とか。まぁ歳だからね、なんだったっていいのよ。ユズは勝手にできるのよね。ていうかむしろ出来過ぎるもんで。ほんとは、摘果っつうの?しないとね。ちっちゃいのいっぱいなってる。この辺の人っちは、ユズは捨てるところなくてジャムを作るんだよね。ユズあげるときジャム作ってよって言って、私はそれをもらう。