血管拡張薬
病態
血管拡張薬は急性動脈閉塞症すなわち塞栓症、血栓症、外傷、慢性の動脈閉塞症である。末梢動脈疾患(PAD:peripherral arterial disease)や、バージャー病(TAO:thromboangiitis obliterans)、機能循環不全による血管閉塞症状であるレイノー病、(レイノー症候群)、肢端紫藍症、肢端紅痛症、糖尿病が進行した場合の末梢神経系の壊死による閉塞性動脈硬化症、膠原病、BLue toe症候群、粥腫塞栓、胸隔出口症候群である顎助、その他肺動脈性高血圧症(pulmonary arteria hypertension)がある。
治療薬
プロスタグランジン製剤
プロスタグランジンPG(非ステロイド薬抗炎症薬の項も参照)はPGE1、PGE2、PGI2などに分けらる。PGE1はATP(アデノシン3リン酸)→cAMP(サイクリックAMP)の変換過程における、脱リン酸化を促進するアデニル酸シクラーゼadenylate cyclaseを活性化する作用をもつ 。
PGE1は血小板のcAMPの増加を抑え 血小板粘着、凝集抑制、血管壁での、NEの各所での反応性を低下させ、血管弛緩作用を示す 。結果慢性動脈閉塞疾患に対し著効を示す作用は強力だが、その効果には限界がある 。また肺での薬理効果の失活を抑えるためにに表面を脂質で覆ったリポPGE1製剤もある。 PGI2は他のPG類と比較しても強力な血管拡張作用、血小板凝集抑制作用を持つ 。
通常は血管内皮から放出される。
ニコチン酸系薬
末梢血管を拡張させる働きがあり血流増加作用を持つ(ビタミンの項も参照)
β刺激薬
自律神経α1,2β1,2があるがα1受容体stimulantは血管収縮の働きを持つ。β2stimulantは血管拡張作用を持つ。
α遮断薬
αblockerは血管拡張作用を持つ
循環系ホルモン剤
カリジノゲナーゼ商品名:サークレチンなどは酵素作用によってキニンを遊離し末梢血管拡張、血流増加作用を持つ。
エンドセリン受容体拮抗薬
現在承認されているものは一種のみである 。
ボセンタン水和物商品名:トラクリアは肺動脈性肺高血圧症に適応がある。
希少疾病(日本において対象患者数5万人未満の疾患)用医薬品である。
神経作動性血管拡張薬
PDE-5を阻害するクエン酸シルデナフィル商品名:バイアグラが挙げられる
薬剤
プロスタグランジンE1製剤
アルファプロスタジルアルファデクス:プロスタンディン、アルプロスタジルアルファデクス
アルプロスタジル:パルクス、リプル、アルプロスタジル
リマプロストアルファデクス:オパルモン、リマプロストアルファデクス「日医工」
プロスタサイクリンPGI1
エポプロステノールナトリウム:フローラン
トレプロスチニル:トレプロスト
イロプロスト:ベンデイビス
選択的プロスタサイクリン受容体作動薬
セレキシバグ:ウブトラビ
エンドセリン受容体拮抗薬
ボセンタン水和物:トラクリア、ボセンタン「モチダ」
アンブリンセン:ヴォリブリス
マシテンタン:オプスミット
PDE-5阻害薬
シルデナフィルクエン酸塩:レバチオ
タダラフィル:アドシルカ
可用性グアニル酸シクラーゼ刺激薬
リオシグアト:アデムパス
ニコチン酸系薬
ヘプロニカート:ヘプロニカート
β刺激薬
イソクスプリン塩酸塩:ズファジラン
再生医療等製品
ベペルミノゲンペルプラスミド:コラテジェン
循環系ホルモン剤
カリジノゲナーゼ:カルナクリン