服用方法について
現在汎用されているものは多くは一度煎じた物をスプレードライ等の製法によってエキス剤としたものである。
エキス剤は熱湯で溶かして人肌程度に冷やしてから服用するのが好ましいとされている。
一部は止血薬である黄連解毒湯や吐き気止めとしての小半夏加茯苓湯のように冷たくして服用した方が良いものもある。
一般的に空腹での服用が望ましいため基本的には食前投与となっているが、しかし効果には食後服用でもさほどの差はない。
そのためコンプライアンスが悪くなるぐらいなら:食前ということを念頭に置きすぎて食事をとってしまてからきずき、服薬を中止してしまう 食後も選択肢の1つとなり得る。
作用発現時間について
漢方薬は効き目がスローであるというイメージがあるが、以下成分名:エフェドリン、ショーガオール、リクイリチンのようにそのままの形で吸収され
血中濃度のピークに達するまでの時間Tmaxが1時間を切るものもある。
一般的に漢方薬は作用発現までの時間が長いと考えられがちだがそうではないことが分かる。
またセンノシド、グリチルリチン、ジンセノシドはTmax6~12hr、など作用発現は考えているより早いと言える。
副作用について
副作用はないわけではないが安全性は高いことは事実である。
1989年の小柴故湯による死亡例が報告されその後200例ほどが報告されている最近10年程は報告はない。
しかしこの数は 漢方以外の薬と比較すると絶対的に少ない数字である「漢方は安全である」と言い切れるがこういった例もあるため絶対ではないとされている。
併用についての注意点
Ca拮抗薬は柑橘類との相互作用が確認されているが、漢方の陳皮、橘皮は柑橘類を含むので併用時の降圧効果の低下には注意する。
α-グルシダーゼ阻害薬(糖尿病薬の項参照)膠飴のはいった大建中湯、小建中湯、黄耆建中湯は、マルトース、デキストリンといった2糖類を主成分とする飴を多量に含んでいるので 未消化体の2糖類が腸に蓄積していると考えられる状態の場合には避けることが望ましい。
副作用について
安全性が高いが副作用が全くないわけではない。
注意の必要な含有生薬
麻黄(エフェドリン)不眠、興奮、動悸、血圧上昇、発汗過多、胃腸障害、尿閉(前立腺肥大の人は注意)
大黄(センノシド)下痢、腹痛、骨盤内うっ血
附子(アコニチン)眠気、呼吸促進、下のしびれ、唾液分泌亢進
甘草(グリチルリチン)浮腫、高血圧、低カリウム血症(偽アルドステロン症)
以下疾患別 漢方用剤について