局所薬物投与:吸入薬と点鼻薬は投与後その場所で作用するものと粘膜から直接血中に入り全身に作用するものとがある 。
点鼻薬
鼻粘膜は吸収が良いので生物学的利用能の低いものを選択するのが望ましい。
点耳薬
体温程度に温めて使用する事が望ましい。
使用法
点鼻薬
ステロイドをアレルギー性鼻炎などに使用する場合は全身に作用した場合の影響を考慮する。
点鼻薬は鼻出血(ボスミンをしみこませたガーゼを血管収縮の目的で、ゼラチンから成り創傷部に強く付着し出血を抑えるスポンゼル等によって外部から出血を抑えカルバゾクロムスルホン酸(アドナ)などの止血薬を投与する。
鼻閉に対する血管収縮薬の点鼻は過度の連用によってかえって作用し難くなりSide effectsによって症状の悪化をきたしたり習慣性がでたりするので 短期間で使用し長期間漫然と使用しない様にする 。また薬液が内耳へ与える影響にも留意し安全性の確立された薬剤(点鼻薬としての適応のあるもの)を用い聴覚障害や平衡障害などの危険性を避けることが必要である。
そのため注射薬、消毒薬を適応外の使用で鼻に使用する事は避けるのが望ましい。
過度の鼻からの出血は内的な要因を疑う、そのためワルファリンの使用、肝障害の有無を疑う)、急性副鼻腔炎(ウイルス性感冒の後に発症する事が多い 治療薬としては抗菌薬が用いられる)、慢性副鼻腔炎(治療薬としては少量のマクロライド系抗菌薬を長期服用する慢性気管支喘息、気管支炎を併発しやすい)。
花粉症(治療薬としては 第2世代抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエンなどの抗アレルギー薬、ステロイドが用いられる)、
嗅覚障害(副鼻腔炎が原因となるものが多数であり治療薬は抗アレルギー薬、ステロイド薬を用いる)等に用いる。
点耳薬
点耳薬は冷たい薬液をそのまま使用するとめまいをおこすことがあるので使用前に手のひらで2~3分握るなどして体温近くまで温めて使用するのが望ましい。
患耳を上にして使用する 点耳後は 点耳で2、3分 耳浴で約10分そのままの姿勢を保つ。
点耳薬としては以下に示すように抗菌薬を中心とし リンデロンA、オルガドロン等のステロイドが用いられるがステロイドの慢性使用に伴う真菌の発生には注意する。
病態
点耳薬は外耳炎(外耳道の分泌線へのブドウ球菌による感染によるものが多い、抗菌薬が主治療薬となる)、急性中耳炎(肺炎球菌、インフルエンザ菌が起炎菌となる、抗菌薬が主治療薬となる)、慢性中耳炎(鼓膜穿孔があり長期の耳漏が原因となるMRSAや緑膿菌が起炎菌となることが多い抗菌薬の点耳 耳浴が薬物療法の中心となる)、メニエル病(発作性の回転性のめまい、耳鳴り、難聴を主症状とする 薬物治療は抗ヒスタミン薬を5-HT関連のreceptorをブロックする為に用いる)等に用いられる 。
感染部位や炎症部位への直接的投与(点耳、吸入)などの経路がある。
A、血管収縮薬
ナファゾリン硝酸塩:プリビナ
トラマゾリン塩酸塩:トラマゾリン「AFP」
A-1、血管収縮薬、ステロイド含有
塩酸テトラヒドロゾリン・プレドニゾロン配合:コールタイジン
B、副腎皮質ステロイド
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル:ベクロメタゾン、ベクロメタゾンプロピオン酸エステル「VTRS」
フルチカゾンプロピオン酸エステル:フルナーゼ、フルチカゾンプロピオン酸エステル
モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物:ナゾネックス、モメタゾン「杏林」、モメタゾン
フルチカゾンフランカルボン酸エステル:アラミスト、フルチカゾンフランカルボン酸エステル「武田テバ」
デキサメタゾンベシル酸エステル:エリザス
C、抗菌薬
セフメノキシム塩酸塩:ベストロン
ホスホマイシンナトリウム:ホスミシンS
レボフロキサシン水和物:コムレクス
オフロキサシン:タリビット
ムピロシンカルシウム水和物:バクトロバン
クロラムフェニコール:クロロマイセチン
D、抗アレルギー薬
クロモグリグ酸ナトリウム:クロオグリグ酸NA「トーワ」
ケトチフェンフマル酸塩:ザジテン
レボカルバスチン塩酸塩:リボスチン
循環改善薬
ニコチン酸アミド・パパベリン塩酸塩配合
ストミンA
耳垢除去薬
ジオクチルソジウムスルホサクシネート:ジオクチルソジウムスルホサクシネート「CEO」
鼓膜 孔治療薬
トラフェルミン:リティンバ