皮膚科の治療の中で特に大切なものは外用薬(塗り薬)でありその部分に適した塗り薬を数種類混ぜて使用するのが望ましい。
例えば軟膏基剤(ワセリンなど)に配合剤を加え、病態に併せて基剤を変更する たとえば湿疹の部位に小丘疹、小水泡と湿潤面がある場合はステロイドを配合剤に使用しても乳剤性軟膏(クリーム)を使用するとかえって悪化するので油脂性軟膏を用いる 。
角質が硬化している場合には角質を柔らかくするサリチル酸と基剤としてワせリンを用いる 乾燥してカサカサしている場合は皮膚の水分と皮脂のバランスを保たせるために尿素製剤と基剤として白色ワセリンを使用する。
以上のように病態そのものに薬効を発揮する薬剤と病態、塗布場所などを考慮し基剤を加える。
つまり1種類だけで使用する事は少ないということが言える。
また塗り方にも注意しガーゼに伸ばして貼布することなど様々な手法がある。
皮疹が軽快してきたら症状に応じてクリームに変更する。
化膿が見られる皮膚疾患には抗菌薬やサルファ剤を用いる(抗菌薬の項を参照)。
基剤として用いられるものはワセリンが多い。
浸潤性病変には水溶性軟膏であるソルベートを基材として用いる。
乾燥性による刺激性が懸念される場合はワセリン基剤に変更する。
非ステロイド消炎外用薬
NSAIDsを中心とする 疾患の重症度、年齢を考慮し使い分ける 。
非ステロイド系抗炎症薬は以下の適応の通り 。
湿疹、皮膚炎、熱傷などを対象として処方されることが多い。
使用の際はかぶれ、刺激など過敏症に注意する。
イブプロフェンピコノール:ベシカム、スタデスム
剤形:軟膏、クリーム、
作用:消炎・鎮痛外用薬、 適応:急性・慢性湿疹、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎
スプロフェン:スルプロチン、スレンダム、トパルジック
剤形:軟膏・クリーム
適応:急性・慢性皮膚炎、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎
ブフェキサマスク:アンダーム
剤形:軟膏・クリーム
適応 急性湿疹、接触性皮膚炎、帯状疱疹、アトピー性皮膚炎、日光皮膚炎、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎、
<軟膏>おむつ皮膚炎、熱傷、皮膚欠損創
ベンダザック:ジルダザック
剤形:軟膏・クリーム
適応:褥創、放射線潰瘍、熱傷潰瘍、帯状疱疹、急性湿疹、接触性・アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬
ウフェナマート:フエナゾール、コンベック
剤形:軟膏、クリーム
適応:急性・慢性湿疹、アトピー性皮膚炎、おむつ皮膚炎、帯状疱疹など
グリチルレチン酸:デルマクリン、ハイデルマート
剤形:軟膏 適
応:湿疹、皮膚掻痒症、神経性皮膚炎 (非ステロイド系抗炎症薬の項参照)
鎮痒薬
抗ヒスタミン薬の加えてステロイドなどを配合する。
非ステロイド抗炎症薬の使い方と同じく年齢、使用部位によって使い分ける。
ステロイドはその強さから段階分けをされているがそれについてはステロイド薬の項を参照 。
Side effectsはその強さによらず使用部位によって現れる。
顔面、頸部、腋窩、陰股部はSide effectsを生じやすいので対策として1日当たりの塗布回数を減らすなどの対策を行う。
小児、妊婦、老人はリスクが高い。
症状の改善に合わせ使用を変更するなどの処置が必要である。
感染が疑われる場合は抗真菌薬等の投与に踏み切る。
以下は抗ヒスタミンを中心とした代表的な鎮痒薬である
クロタトミン:オイラックス 剤形:クリーム 適応:湿疹、皮膚炎群、神経皮膚炎、小児ストルフルス、蕁麻疹
クロタミン:ヒドロコルチゾン配合、オイラックスH 剤形:クリーム 適応:湿疹、皮膚炎群、皮膚掻痒症、小児ストルフルス、虫さされ、乾癬
クロタミン:ヒドロコルチゾン配合、クリパスC 剤形:軟膏 適応:湿疹、皮膚炎群、皮膚掻痒感、小児ストルフルス、虫さされ
アトピー性皮膚炎治療薬
タクロリムス水和物:プロトピック 剤形:軟膏 アトピー性皮膚炎
白斑治療薬
メトキサレン:オクソラレン 剤形:錠剤、軟膏、ローション 適応:尋常性白斑
ざ瘡治療薬
活性のないホルモンや抗菌薬を用いる
プレグナンジオール:ジオール 剤形:錠剤 適応:尋常性ざ瘡
ナジフロキサシン:アクアチム 剤形:軟膏、クリーム、ローション 適応:<軟膏・クリーム>表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、<クリーム・ローション>ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
クリンダマイシンリン酸エステル:ダラシンT 剤形:ゲル 適応:ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)
角化症・乾癬治療薬
各種ビタミン含有製剤によって治療を行う(ビタミン薬の項参照)。
ビタミンAは非感染性の角化症に、ビタミンEは血流促進に活性化ビタミンD3は乾癬をはじめとする角化異常の治療に用いる。
長期使用は血中のCaの異常を起こすので1日投与を10gとする 。
レチノイドとCaは同時投与においてCaの上昇が生じやすくなるのでその点には留意する。
その際にはCa含有が低濃度の薬剤を用いたり 局所使用にとどめる 。
また保湿効果のある尿素成分含有薬剤を用いる 。活性化ビタミンD3薬剤は以下に剤形、適応、を挙げる
ビタミンA製剤
エトレチナート:チガソン
剤形:カプセル
適応:乾癬群、魚鱗癬群、掌蹠角化症、色粃糠症、皮膚軟化症、紅斑性角化症、口腔白板症、口腔乳頭腫、口腔扁平癬
ビタミンA:ザーネ
剤形:軟膏
適応:角化皮膚疾患 尿素:ケラチナミン、ウレパール、パスタロン 剤形、軟膏 適応:角化性皮膚疾患
活性型ビタミンD3製剤
タカルシトール水和物:ボンアルファ
剤形:軟膏、クリーム、ローション
適応:乾癬、魚鱗癬群、掌蹠膿疱症、掌蹠角化症、毛孔性紅色粃糠疹
ボンアルファハイ
剤形:軟膏、ローション
適応:尋常性乾癬(ローション、その他の外用薬で治療不十分なときに用いる)
カルシトリオール:ドボネックス
剤形:軟膏、ローション
適応:尋常性乾癬
マキサカルシトリオール:オキサロール
剤形:軟膏、ローション
適応: 尋常性乾癬、魚鱗癬群掌蹠角化症
皮膚軟化薬
サリチル酸製剤は角質剥離効果を持つ そのためスピール膏として疣贅にもちいる。
サリチル酸 :スピール膏、サリチル酸ワセリン
剤形:硬膏、軟膏
適応:鶏眼、胼胝腫、の角質剥離
脱毛治療薬
各種脱毛に用いられるカルフロシニウム(フロジン)塩化物は刺激痛、局所発汗を伴う。
塗布あるいは患部に直接振りかけてマッサージする。
フィナステリド(プロペシア)は内服にて脱毛を防ぐという薬でその作用は5α-2還元酵素阻害薬である 。
以下に各薬剤の剤形、適応を示す
カルフロシニウム塩化物:フロジン
剤形:液
適応:円形脱毛症、悪性脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠性脱毛症,壮年性脱毛症、症候性脱毛症、など乾性脂漏、尋常性白斑
フィナステリド プロペシア
剤形:錠剤
適応:男性における男性型円形脱毛症の進行遅延
ハンセン病治療薬
ジアフェニルスルホン:レクチゾール、プロトゲン
剤形:錠剤
適応:ハンセン病、持久性隆起性紅班、ジューリング疱疹状皮膚炎、天疱瘡、類天疱瘡、色素性痒疹
クロファジミン:ランプレン
剤形:カプセル
適応:ハンセン病 多菌症 らい性結節性紅班
その他 抗結核薬でもあるリファンピシン:リマクタン、リファジン 抗菌薬のオフロキサシン:タリビット いずれもハンセン病に適応を持つ。
皮膚潰瘍治療薬
以下の薬剤は創の乾燥を避け、深潤させ肉芽形成を促進させる。
消毒薬や乾燥させることは望ましくなくそのため洗浄によって浄化した後に薬剤を使用するのが望ましい。
薬剤の中には損傷の度合い、損傷が真皮以下まで達している場合(リゾチーム:リフラップ)ソルコセリル、ブクラデシン(アクトシン軟膏)などを用いる。
長期持続性のもの(トラフェルミン:フィブラストスプレー)は長時間作用するため一日一回の使用でよくコンプライアンスの向上にもつながり肉芽形成を促進させる。
しかし長期間漫然と使用するのは避け治療の改善が見られない場合、他の治療法に切り替える。
以下に褥瘡皮膚潰瘍治療薬の剤形・適応を示す
アズレン:アズノール
剤形:軟膏
適応:湿疹、熱傷等によるびらん・潰瘍
スルファチアジン:テラジアパスタ
剤形:軟膏
適応:表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、外傷、・熱傷および手術創等の二次感染、びらん潰瘍の二次感染
スルファジアジン銀:ゲーベン
剤形:クリーム
適応:外傷・熱傷の2次感染、びらん、潰瘍の二次感染
アロクロキサ:イサロバン
剤形:外用散
適応:褥瘡、手術創、熱傷、外傷における皮膚のびらん・潰瘍
リゾチーム酸塩酸:リフラップ
剤形:軟膏、シート
適応:皮膚潰瘍(褥瘡、熱傷潰瘍、外傷性潰瘍、下腿潰瘍、その他の皮膚潰瘍
トレチノイントコフェリル:オルセノン
剤形:軟膏
適応:褥瘡、皮膚潰瘍、(熱傷性潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍)
ブクラデシンナトリウム:アクトシン
剤形:軟膏
適応:褥瘡、皮膚潰瘍、(熱傷性潰瘍、下腿潰瘍)
幼牛血液抽出物:ソルコセリル
剤形:軟膏
適応:熱傷、凍瘡、放射線潰瘍、褥瘡、下腿潰瘍、外傷、一般的手術創の肉芽形成促進
白糖・ポビドンヨード配合:ユーパスタ、ソアナース
剤形:軟膏、パスタ
適応:褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
ヨウ素:カデックス、ヨードコート
剤形:軟膏
適応:褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)
アルファプロスタジルアルファデックス:プロスタンディン
剤形:軟膏
適応:褥瘡、皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、糖尿病性潰瘍、下腿潰瘍術後潰瘍)
混合死菌浮遊液・ヒドロコルチゾン配合:エキザルベ
剤形:軟膏
適応:湿疹、皮膚炎群、熱傷、術創、湿疹様変化を伴う膿皮症
亜鉛華軟膏:亜鉛華軟膏、亜鉛華単軟膏、ボチシート、サトウザルベ
剤形:軟膏
適応:外傷、熱傷、凍傷、湿疹、皮膚炎等の収斂・消炎・保護・防腐・皮膚疾患のびらん・潰瘍・湿潤面 トラフェルミン:フィブラスト 剤形:スプレー 適応:褥瘡、皮膚潰瘍(下腿潰瘍、熱傷潰瘍)
血行促進、皮膚保護剤
消炎・血行促進剤、凝固作用によって打撲、捻挫、挫傷などの外傷からくる腫れを外部から抑える塗布回数は特別に決められていない。
ヘパリンナトリウム:ヘパリンZ
剤形:軟膏
へパリン類似物質:ヒルドイド、ヒルドイドソフト
剤形:軟膏、ゲル、ローション
適応:外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹、血腫、腱鞘炎、筋肉痛、関節炎、血栓性静脈炎(痔核を含む)、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結、疼痛)、肥厚性瘢痕、・ケロイドの予防と治療
その他
イミキモド:ベルセナ グリチルリチン製剤:強力ミノファーゲンシー
剤形:静注 P
注 適応:小児ストルフルス、湿疹、蕁麻疹、皮膚炎、皮膚掻痒感、口内炎、フリクテン、薬疹、皮膚炎、中毒疹、慢性肝疾患における肝機能異常の改善
A、副腎皮質ステロイド外用剤
クロベタゾールプロピオン酸エステル:デルモベート、コウクロシャンプー
ジフロラゾン酢酸エステル:ダイアコート
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル:リンデロンーDP、デルモゾールーDP
ジフルプレドナート:マイザー、ジフルプレドナート
フルオシノニド:トプシム
ジフルコルメトロン吉草酸エステル:ネリゾナ、テクスメテン
アムシノニド:ビスダーム
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン:パンデル
ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル:アンテベート
モメタゾンフランカルボン酸エステル:フルメタ
デキサメタゾンプロピオン酸エステル:メサデルム
ベタメタゾン吉草酸エステル:ベトネベート、リンデロンーV、リンデロンーVG
オキサメタゾン吉草酸エステル:ボアラ
フルオロシノロンアセトニド:フルコート、フルコートF、デプロドンプロピオン酸エステル:エクラー
プレドニゾロン吉草酸エステル:リドメックス
トリアムシノロンアセトニド:レダコート
ヒドロコルチゾン酪酸エステル:ロコイド
クロベタゾン酪酸エステル:キンダベート、クロベタゾン酪酸エステル
アルクロメタゾンプロピオン酸エステル:アルメタ
デキサメタゾン:オイラゾン、デキサメタゾン「イワキ」
デキサメタゾン・脱脂大豆乾留タール配合:グリメサゾン
プレドニゾロン:プレドニゾロン、プレドニゾロン「VTRS」
ヒドロコルチゾン:テラ・コートリル
混合死菌浮遊液・ヒドロコルチゾン配合:エキザルベ
フルドロキシコルチド:ドレニゾン
B、非ステロイド性抗炎症外用剤
イブプロフェンピコノール:ベシカム、スタデルム
スプロフェン:スルプロチン、スレンダム、トパルジック
ベンタザック:ジルダザック
ウフェナマート:フエナゾール、コンベック
グリチルリチン酸:デルマクリン、ハイデルマート
C、鎮痒薬
クロタミトン:オイラックス
クロタミトン・ヒドロコルチゾン配合:オイラックスH
D、アトピー性皮膚炎生薬
タクロリムス水和物:プロトピック
デルゴシニブ:コレクチム
ジファミラスト:モイゼルト
アブロシチニブ:サイバインコ
ネモリズマブ:ミチーガ
トラロキシマブ:アドトラーザ
E、白班療薬
メトキサレン:オクソラレン
F、挫傷治療薬
ナジフロキサシン:アクアチム
クリンダマイシンリン酸エステル:ダラシンT
オゼノキサシン:ゼビアックス
アダパレン:ディフェリン、アダパレン
過酸化ベンゾイル:ベピオ
クリンダマイシンリン酸エステル水和物・過酸化ベンゾイル配合:デュアック
アダパレン・過酸化ベンゾイル配合:エピデュオ
G、乾癬治療薬
タカルシトール水和物:ボンアルファ、ボンアルファハイ
カルシトリオール:ドボネックス
マキサカルシトール:オキサロール
カルシポトリオール水和物・ベタメタゾンジプロピオン酸エステル配合:ドボベット
マキサカルシトール・ベタメタゾンリン酸エステルプロピオン酸エステル:マーデュオックス
H、角化症治療薬
尿素:ケラチナミン、ウレパール、パスタロン
サリチル酸:スピール膏、サリチル酸ワセリン
I、脱毛症治療薬
カルブロニウム塩化物:フロジン
フィナステリド:プロペシア
デュタステリド:ザガーロ、デュタステリドZA
リトレシチニブトシル酸塩:リットフーロ
J、ハンセン病治療薬
ジアフェニルスルホン:レクシチゾール、プロトゲン
クロファジミン:ランプレン
K、皮膚潰瘍治療薬
アズレン:アズノール
スルファジアジン銀:ゲーベン、ネキソブリッド
ブロメライン:ブロメライン
トレチノイントコフェリル:オルセノン
ブクラデシンナトリウム:アクトシン
白癬・ポビドンヨード配合:ユーパスタ、ソアナース
ヨウ素:カデックス、ヨードコート
アプロスタジルアルファデクス:プロスタンディン
トラフェルミン:フィブラスト
L、血行促進・皮膚保湿剤
ヘパリン類似物質:ヒルドイド、ヒルドイドソフト
M、皮膚保護剤・保湿剤
白色ワセリン:プロペト
亜鉛華軟膏:亜鉛華軟膏、ボチシート
腋毛貧毛治療薬
ビマプロスト:クラッシュビスタ
ビタミン
トコフェロール酪酸エステル:ユベラ、ザーネ
その他
フェノトリン:スミスリン
イミキモド:ベセルナ
プロプラノロール塩酸塩:ヘマンジオル
O、巻き爪治療補助薬
アセチルシステイン:リネイル
P、多汗症治療薬
ソフピロニウム臭化物:エクロック
グリコピロニウムトシル酸塩水和物:ラビフォート
鎮痒薬抗ヒスタミン薬の加えてステロイドなどを配合する。 非ステロイド抗炎症薬の使い方と同じく年齢、使用部位によって使い分ける。ステロイドはその強さから段階分けをされているがそれについてはステロイド薬の項を参照 。Side effectsはその強さによらず使用部位によって現れる。 顔面、頸部、腋窩、陰股部はSide effectsを生じやすいので対策として1日当たりの塗布回数を減らすなどの対策を行う。 小児、妊婦、老人はリスクが高い。 症状の改善に合わせ使用を変更するなどの処置が必要である。 感染が疑われる場合は抗真菌薬等の投与に踏み切る。 ざ瘡治療薬活性のないホルモンや抗菌薬を用いる 角化症・乾癬治療薬各種ビタミン含有製剤によって治療を行う(ビタミン薬の項参照)。ビタミンAは非感染性の角化症に、ビタミンEは血流促進に活性化ビタミンD3は乾癬をはじめとする角化異常の治療に用いる。 長期使用は血中のCaの異常を起こすので1日投与を10gとする 。レチノイドとCaは同時投与においてCaの上昇が生じやすくなるのでその点には留意する。 その際にはCa含有が低濃度の薬剤を用いたり 局所使用にとどめる 。また保湿効果のある尿素成分含有薬剤を用いる 。活性化ビタミンD3薬剤。 脱毛治療薬各種脱毛に用いられるカルフロシニウム(フロジン)塩化物は刺激痛、局所発汗を伴う。 塗布あるいは患部に直接振りかけてマッサージする。 フィナステリド(プロペシア)は内服にて脱毛を防ぐという薬でその作用は5α-2還元酵素阻害薬である 。以下に各薬剤の剤形、適応を示す。 皮膚潰瘍治療薬薬剤は創の乾燥を避け、深潤させ肉芽形成を促進させる。 消毒薬や乾燥させることは望ましくなくそのため洗浄によって浄化した後に薬剤を使用するのが望ましい。 薬剤の中には損傷の度合い、損傷が真皮以下まで達している場合(リゾチーム:リフラップ)ソルコセリル、ブクラデシン(アクトシン軟膏)などを用いる。長期持続性のもの(トラフェルミン:フィブラストスプレー)は長時間作用するため一日一回の使用でよくコンプライアンスの向上にもつながり肉芽形成を促進させる。 しかし長期間漫然と使用するのは避け治療の改善が見られない場合、他の治療法に切り替える。 血行促進、皮膚保護剤消炎・血行促進剤、凝固作用によって打撲、捻挫、挫傷などの外傷からくる腫れを外部から抑える塗布回数は特別に決められていない。