~「宿命のライバルとして そして友として」(花形満)~
ライアン小川熱投!櫻町通算100二塁打達成!真夏の夜の宿命の対決!
東京オリンピックがいよいよ佳境、日本の歴史的金メダルラッシュで日本中がステイホームで盛り上がり、一方で新型コロナウイルス感染者数も史上最多を日々更新、ビッグアプセットでもワクチン2度目接種の副反応の影響で一部選手の出場が危ぶまれるなど相変わらず世間が騒然とする中、ビッグアプセットは今週も野球への情熱を胸に萩中球場のナイターに集結した。
そして今日の相手ビーグルスはビッグアプセットの宿敵だ。ビーグルスには、ビッグアプセット創業コアメンバーのひとり窪田選手(通算37試合出場)、2010年前後に堅守好打のキャッチャーとして活躍した冨永選手(同27試合)、05年に10本塁打といういまだ破られない歴代シーズン本塁打記録を持ち2010年MVP、05/10年二冠王のスーパーアスリート黒田選手(同122試合)、ビッグアプセット史上最強のショートストップと称され07年MVP、同年2冠王の橋本選手(同143試合)、そして何といってもビッグアプセット創業者であり初代監督にして不動のエース、石井に破られるまで全ての投手記録を独占していたスーパースター末永選手(同186試合、通算57勝)と、ビッグアプセットの歴史をつくってきたレジェンドが5人も在籍、宿命の対決に試合前から対決モードでバチバチかと思いきや、数年ぶりの再会も含め両チームメンバーの和やかな会話で盛り上がり、同窓会のような雰囲気でプレーボール。
とはいえ試合が始まれば宿敵同士、勝利に向けて両チームも気合を入れなおす。
この日の先発は久々先発のライアン小川、初回ヒットを含むランナー2人を出すも相手クリーンアップを抑え順調な立ち上がり、その裏ビッグアプセットの攻撃ではこの日1番に入った西村が宿敵末永投手からいきなりライト前ヒットで出塁するも、後続が抑えられ無得点、初回から緊張感マックスの展開だ。
試合が動いたのは2回表ビーグルスの攻撃、ワンアウトからヒットとデットボール、不運なポテンヒットなどが相次ぎ3点を先制されてしまう。すると続く3回・4回もいずれも不運なポテンヒットや内野安打が相次ぎ4回表終了時点で0-8と大量リードを許してしまう。
ビッグアプセットは3回まで西村の1安打に抑えられる。末永投手はかつてのストレート真向勝負にこだわるスタイルから、カーブに加えツーシームやチェンジアップを駆使する変化球投手に変身、この術中にはまりかけたビッグアプセットナイン、宿敵相手に完敗の色が濃くなってきた。しかしビッグアプセットがこの宿敵対決にこのまま終わるわけはない。打線が2巡目に入った4回裏からビッグアプセットの怒涛の反撃が始まる。
この回先頭の西村、今度は左中間をライナーで破るツーベースで出塁、最近打率を上げてきた西村は宿敵相手に絶好調だ。すると続く大間のショートへの内野安打で西村が生還、これでまず1点を返す。続く山下、芝田が打ち取られるがここで登場したのが巨鯨ビッグ櫻町監督だ。
実はこの日の宿命の対決の中でも、この末永・櫻町は格別の宿命のライバルだ。いまから44年前の中学2年時代、教室を舞台にしたこの2人の激しい立ち回りはいまだ桐朋中学の語り草であり、そこから続く永遠のライバル関係は1998年ビッグアプセット創業後は初代監督と奔放な主力選手の関係となってさらにヒートアップ、創業者として櫻町に「巨鯨」の称号を与え、また有名な「降格人事事件」、ビッグアプセット史上最強名言とされる「来て、打って、帰るだけ」を生むなど数々の伝説を彩ってきた宿命のライバルだ。この日も1打席目には変化球でファーストゴロに打ち取られ、末永の「ヨッシャ!」の掛け声にくやしさ満載の櫻町、この打席でのリベンジに気合マックスだ。
するとここは櫻町が外角球に踏み込んで振り抜き打球は左中間への大飛球、櫻町の最も得意とする左中間へのツーベースとなり、これで大間が還り2点目をゲット!
さらにこのツーベースで櫻町はビッグアプセット史上初の通算100二塁打を達成だ!2003年7月12日、南海ハーツ戦(上井草スポーツセンター)で最初のツーベースを記録して以来、足掛け19年、通算2位の芝田に26本もの差をつけて達成した大記録だ。かずかずのビッグアプセット史上初通算記録を塗り替え続ける巨鯨ビッグ監督にまた新しい勲章がひとつ加わった。またこの大記録を宿命のライバルから放つところにこの2人の歴史の重さを感じずにはいられない。
と、このくだりが思わず長くなってしまったが、こうした訳でビッグアプセットは2点を返し、さらに鈴木のショートゴロがエラーを誘う間に櫻町が生還しさらに1点を加え3-8と反撃開始だ。
さらに反撃がギアアップしたのが5回裏のビッグアプセットの攻撃、夏の長い日も暮れ4基の照明塔に灯が入り本格的ナイターとなってますます雰囲気が盛り上がる。まず先頭の村上、ビッグアプセット第一期黄金時代に不動の黄金バッテリーを組んだ末永の内角球を鮮やかに弾き返すセンター前クリーンヒット、すると続く藪下はフルスイングでレフトの頭上を超える大飛球がツーベースとなりノーアウト2・3塁のチャンス!続く小川はサードゴロでランナー動かずと思われたが、ファースト送球の一瞬の隙をついてサードランナー村上が果敢にダッシュ、キャッチャーのタッチをかいくぐる鮮やかなスライディングでホームイン!さらにワンアウト3塁のチャンスが続きバッターボックスには大河原、末永相手のこのチャンスに気合マックスの大河原がバットは激しくマン振りするとジャストミートの打球が末永の足元を抜ける、タイムリーだ!とベンチが総立ちとなるがビーグルスセカンドの絶妙の位置取りでセカンドゴロとなり藪下は還れず、末永から大河原がタイムリーという名場面は儚く消える。
これでツーアウトとなり反撃もここまでかと思われたが、ここからビッグアプセットは脅威の粘りを見せる。続く西村、大間がいずれもフォアボールを選びツーアウト満塁、ここで3番山下が変化球を鮮やかに流し打ち、ライト前へのクリーンヒットがタイムリーとなり藪下、西村が還り6-8、ついに2点差に詰め寄る。続く芝田は粘りに粘ってフォアボールをゲットすると、2点差のツーアウト満塁で再び櫻町に打席が回る。タイムリーで同点、長打で逆転の場面で打席が回ってくるあたりは、まさに末永・櫻町は星飛雄馬・花形満と並び称される宿命のライバル関係だ。44年前と同じ2人のプライドが激突し最高潮にヒートアップするダイヤモンド、ここで櫻町が振り抜いたその打球は二遊間へのゴロ、これを名手橋本がさばきファーストへ送球、これがわずかに逸れて微妙なタイミングとなったが、これも名手冨永の絶妙のタッチプレーでアウト!この試合の最大の山場は末永が乗り切った。
試合はこのまま6回表ビーグスルスが集中打を見せた攻撃の途中で時間切れとなり最終的には6-13の敗戦となった。
宿命の対決に注目が集まった試合となったが、この日先発のライアン小川の熱投は見事だ。不運なヒットが重なり負け投手となったが、55歳とは思えない重く伸びのあるストレートに切れ味あるスライダー、ビッグアプセットの主戦投手として十分の実力を見せつけ今後の更なる活躍に大いに期待がかかる。全打席出塁の西村をはじめ最年長組も奮闘、また気合入りすぎの先発キャッチャー藪下も見事な長打で貢献、息止めすぎてギブアップした藪下に代わりキャッチャーに入った鈴木も小川の熱投を気合でサポート、そして田辺・大間の熟練の二遊間も固い内野グランドを相手に打球を追い続けた。
一方かつてビッグアプセットを支えたビーグルスの5選手も活躍、末永の見事な変身による多彩なピッチングはもちろん、窪田も相変わらずのリーダーシップをみせ、冨永、橋本、黒田も往年と変わらない強打でいずれも見事な長打を放った。
44年越しの末永・櫻町の宿命のライバル関係はもちろん、10年以上週末をともにグランドで汗を流した野球仲間たち、そして今のビッグアプセットを支える大間、田辺、鈴木、藪下に小川のコアメンバー、最後のメドレーリレーを泳ぎ終えた池江璃花子の涙を見るまでもなく、スポーツをともにした仲間は人生の宝だ。こうしたチームが何十年も続く奇跡と感動を改めて胸に刻み、すっかり日も暮れた萩中公園を後にするビッグアプセットナインであった。
~監督談話~
芝田の渾身の戦評、2020年11月14日の柴又の寅さんになりかわったあの殿堂入りの名作に続く素晴らしい文章に感動!「野球は人生そのものだ」(長嶋茂雄)とまでは恐れ多くて言えないが、長年の野球を通じて得た数々のドラマをつい昨日のように思い出し、野球を通じて得た素晴らしい仲間との日々は人生を深く豊かにしたことは間違いなく言える、とあらためて確信しました!
今週はビーグルスに惜敗しましたが、末永投手を相手に打線もあと一歩まで追い上げる底力を見せ、小川さんも最後まで球威抜群で完投、55歳の鉄人がブレイクの予感です!次回はぜひリベンジしましょう!
さて来週8月7日(土)は13時から城北中央公園A面で、安信タイガース戦です。
みなさん出席表明をお願いします!
なお8月14日(土)はお盆休みとします。
では来週!
みんな、よろしく!