~「人生は後ろ向きにしか理解できないが 前向きにしか進めない」(キルケゴール)~
エンジョイカップ初戦、最終回の劇的逆転ならず猛暑の激闘に惜敗!!
4度目の緊急事態宣言、東京オリンピック、ワクチン職域接種、南九州集中豪雨と世間を騒然とさせる事態が相次ぐなかエンジョイカップがやってきた。長い梅雨の合間の奇跡的な晴れ間に、水はけのよい聖地大宮健保での1回戦が奇跡的に成立したが、この日は最高気温35度の猛暑、さらに水をたっぷり含んだ芝生の外野エリアでは湿気が地表からせりあがってくる、こんな状況のなかついにエンジョイカップがプレイボールとなった。
初回表の相手ドロップキックの攻撃、ビッグアプセット先発石井大和は先頭打者をサード強襲安打で出すが、続く2番にジャストミートされた左中間へのライナーを山下が鮮やかなランニングキャッチ、暑さに弱い山下だがいきなりの全力プレーでビッグアプセットナインもいきなりのヒートアップ、石井大和は続く3・4番を連続三振に切って取り、これでいける、とベンチの櫻町監督も大きくうなずく。
するとその裏のビッグアプセットの先制攻撃、先頭石井大和がデットボールで出るとさっそく二盗、ここでキャッチャーからの送球が逸れる間にサードへ進塁、いきなりノーアウト3塁のチャンス、ここでまたも相手キャッチャーからのピッチャー送球がそれる隙をついて石井大和が素早くホームイン、予定通りの石井大和ひとり舞台でビッグアプセット初回に先制点ゲットだ!
しかし2回表ドロップキックが反撃、ヒットにフォアボール2つでワンアウト満塁のピンチ、ここで石井大和が投じた渾身のストレートを相手9番にレフト線へ弾き返され、これが満塁の走者一掃のスリーベースとなり3点をとられ逆転される。さらに相手1番を三振にとってツーアウトにこぎつけたところで相手2番のサードへの強い打球を村上が胸に当て、これを素早く拾いなおしてファーストへ送球、タイミングはぎりぎりアウトだったがシュート回転の送球がバッターランナーと交錯しそうになったところで芝田のミットからボールがこぼれ落ち、これで4点目を追加される。
逆転されたビッグアプセットの反撃は、この日今シーズン初出場、ビッグアプセットの帽子をかぶった愛娘レミちゃんが見守る若巨鯨マグナム鈴木、今季初スイングは内角球をジャストミート、この打球がレフト線を抜け外野を転々、鈴木はダイヤモンド完走を目指してセカンドを回ったところで一度減速、サードを回ってギアを上げたラストスパートでホームイン、鮮やかなランニングホームランとなりビッグアプセットの反撃の狼煙だ!
実はこの日、打率低迷に悩む田辺が長年愛用した芝田のオーダーバットをついに見限り、●万円のニューバットを購入、これを引っ提げて試合に臨んだが、田辺より先にこのニューバットを振り抜いた鈴木が見事なホームラン、バットの初コンタクトを鈴木に譲ったが、お値段通りの見事な打球の伸びに田辺も納得せざるを得ない表情だ。
すると3回裏のビッグアプセット、その田辺が気を取り直してニューバットを一閃、これがジャストミートのレフト前ヒット、早速のニューバット効果に仕事でも昇格を果たした田辺は一塁ベース上で満足顔だ。すると続く石井大和の内野ゴロでランナーが入れ替わると、石井大和は2盗・3盗、ここでキャッチャー3塁送球が逸れる間に石井大和がまたしてもスピードホームイン!初回に続き2度もダイヤモンドをひとりで駆け抜けた石井大和の活躍で3点をゲット!3-4の1点差に詰め寄る。
しかし4回表、ドロップキックはランナーを一人おいて1番打者が左中間を破るランニングホームラン、ビッグアプセットには痛い追加点で3-6の3点差となる。
それでも諦めないビッグアプセットは4回裏の反撃、リードを広げた相手チームはピッチャーを2番手に交替、その隙をビッグアプセットがついて櫻町、鈴木のフォアボールと村上のデットボールでワンアウト満塁の大チャンス、ここで相手バッテリーがワイルドピッチでボールがバックネット前へ、微妙なタイミングだったがサードランナー櫻町が地鳴りを上げて突進、最後はさりげなく足でホームタッチし生還、一点を還す。
ここで続く石井もデットボールで再びワンアウト満塁、4-6の2点差の4回裏、試合をひっくり返す最大のチャンスだったが、ここは続く田辺、石井大和が残念ながら凡退し追加点ならずでチェンジ。
石井大和は引き続き熱投を続け、2点差のまま5回裏のビッグアプセットの攻撃になだれ込むが、ここでビッグアプセットベンチがザワつき始める。大会では全員出場を徹底する櫻町監督だが、この日は折からの猛暑による熱中症での選手交替のリスクを考え、この日控えに回った西村、大河原の起用を最後の最後まで引っ張っていたのだ。イニングはまだ5回だが大会規定によるタイムアウトも近づき、この攻撃が最終回となる可能性も高まったため、櫻町監督はこの回の山下に替えて西村、芝田に替えて大河原を指名、猛暑で一杯いっぱいになっていた山下、芝田もこの起用に納得、ベンチでの応援に100%気持ちを入れ替えて攻撃に臨む。
するとこの回初回の2番大間が鮮やかにライト線に弾き返す、ベンチの大歓声を後押しに大間も激走で三塁に到達、見事なスリーベースとなりいきなりノーアウト3塁の大チャンス!試合は2点差、ここで審判からこの回で試合終了の宣告がありベンチの危機感が一気に高まる。大会初戦で2点差ビハインドの最終回、ノーアウト3塁で打率4割の芝田に代打を送るのか、その根拠は、とベンチ内野党陣営から追及の声があがる、全員出場にこだわる櫻町監督も判断に窮するが、最後は「その責任はとれるのか!」との声にあっさり監督判断をくつがえし、やっぱり芝田行って、とさりげなく前言撤回。すでに電源をオフにしていた芝田は慌てて再起動、準備を開始する間に代打西村はサードフライでワンアウト3塁に、次打者を待っている相手ナインや審判に気を使いつつ、気持ちを整えて打席に入った芝田、ファウルで粘った後の外角球に食らいつき、これがセンター前の執念のヒットとなり大間が生還、これで1点差だ!
執念のタイムリーで監督の責任問題を乗り切った芝田は、自ら手を挙げてピンチランナー大河原と交替、この押し詰まった状況でのピンチランナーに「ついに走塁のスペシャリストを起用してきた」と相手チームの緊張感もマックスだ。状況はまだワンアウト1塁、大河原が細かいリードオフを繰り返し相手投手との神経戦が続く中、櫻町は執念のフォアボールを選びこれでワンアウト1・2塁。すると続く鈴木の打席で相手投手がワイルドピッチ、ボールがバックネット前に転がる微妙な状況でセカンドランナー大河原が猛ダッシュ、相手キャッチャーもサードに鋭い送球を送るが、大河原はぎりぎりのタイミングで足から滑り込むと見せかけて上体を反転、最後はヘッドスライディングでサードベースになだれ込み、僅差のタイミングでセーフ!これで1点差の最終回裏の攻撃でワンアウト2・3塁、バッターはホームランを打っている鈴木と、ほとんど確率的には逆転サヨナラ75%の場面だ。1・3塁コーチャーとベンチの視線はサヨナラの走者となるセカンドランナー櫻町のリードオフに集中、櫻町も事態の重さを理解し鋭いリードオフの反復運動を繰り返す、すると鈴木の渾身のスイングの打球は高い上がったピッチャーフライ、ベンチから落胆の声が上がるも、これでツーアウトか、次の藪下に期待だ、櫻町ちゃんとベースに戻れよ、と誰もが思ったその瞬間、目の前に予想外の光景が。なんとサードランナーの大河原は打球と同時にスパート、すでにホーム手前にまで到達しており、これで相手ピッチャーが難なくサード送球でダブルプレー、ほぼ確実に手中に収めたと思った逆転サヨナラが瞬間で一転、1点差の敗戦となってしまった。
誰もが呆然とするゲームセット、試合後の議論では、あれは実は先般の三光クラブ戦で話題となったドカベンルール、アピールアウトとスリーアウト目の置き換えのトリックによる得点を狙った大河原の頭脳プレーだったのではないか(サードランナーが飛び出しているとは思わない相手投手がセカンドの櫻町の帰塁を刺しにいった場合、その前に大河原がホームインしていれば得点となる)との説も提示されたが、当の大河原は多くを語らず「まあ長く生きていれば色々あるさ」とのコメント。結局は謎は解明されないままだが、やはり大河原の常に前にしか進まないというアグレッシブな人生のスタンスが繁栄されたものだろう、との結論に至っている。
こうしてエンジョイカップはまさかの初戦負けとなってしまった。しかし大河原の最後のプレーがあまりにもインパクトが大きかったものの、冷静に考えれば1点差の惜敗、2回表の芝田のエラーによる1点、あるいあは3回裏のワンアウト3塁、4回裏のワンアウト満塁でもう1点が取れていれば負けない試合だった。
惜しくも初戦敗戦となったが、ダブルトーナメント制をとるエンジョイカップ、ビッグアプセットは来週からの敗者復活トーナメントに再チャレンジだ。来週末にはおそらく梅雨も明け、東京オリンピック無観客開幕も直前、感染者数はますます増加し世の中は騒然とするだろうが、ビッグアプセットの夏はこれからが本番だ。野球のシーズン、夏本番に向け気持ちを入れ替えてシーズン後半に想いをはせながら灼熱の大宮を後にするビッグアプセットナインであった。
~監督談話~
エンジョイカップ、無念の初戦敗退。
暑さの中みんな奮闘したものの何度かあったチャンスにあと1本が出ず、あと一歩、大和くんを援護できなかった。
一方、今年初登場の鈴木さんが鮮烈なレフトオーバーのホームラン、田辺さんの会心のレフト前ヒット、大間さんの最終回のライト線スリーベースヒット、芝田の1点差に詰め寄る最終回のセンター前タイムリーヒットはいずれも渾身の素晴らしい打撃でした!
守備でもセンター山下のランニングキャッチ、サード村上のハツラツプレー、ライト藪下くんの内野陣への声掛けなど全力でチームプレーに徹したみなさんにあらためて敬意を表します。
BIGUPSETのチームプレーとは、みんなが楽しみながら真剣に、お互いをカバーしあい最後まで諦めない全力プレーを指すものであり、そういうみんなの気持ちが「楽しんで勝つ」というチームモットーにつながるものと考えています。来週以降も頑張りましょう!
さて来週は敗者復活トーナメントに進みます。17日(土)14時から大宮健保28面です。
敗者復活優勝を目指しましょう!
皆さん出席表明をお願いします!
では来週!
みんな、よろしく!