~「肩を落として土をはらった、ゆるやかな冬の黄昏に、彼はもう二度とかぐことのない風深く吸った」(松任谷由実)~
激動の2024年シーズン完結!最終戦は宿敵みずほ証券とガチンコ勝負も力負け!
激動の2024年シーズン、38試合目でいよいよ最終戦を迎える。このシーズンを締めくくる試合の相手は、あの宿敵みずほ証券野球部、2004年4月の初対戦以来、通算26試合で8勝14敗4分けと劣勢を強いられている強敵だ。2017年の試合を最後に先方三輪オーナーとビッグアプセットの櫻町監督(当時)の間で審判論争が勃発、それ以来試合が途絶えていたが、今年10月の新荒川大橋の試合で三輪オーナーを助っ人に招聘、試合後のNo Rule地帯赤羽でのジンギスカン料理で歴史的和解が成立、それを受けてこの日の7年ぶりの対戦となった。これを祝って三輪オーナーは、審判に神宮審判協会のエース審判を起用、さらに相手先発でまさかの三輪オーナーがマウンドにあがるという最大級のレスペクトでビッグアプセットを迎えてくれた。ビッグアプセットも最近の守備の乱れの反省から、試合前には異例の内野ノックを敢行しこの大一番に臨む。
プレーボール直後の1回表のみずほ証券、先頭打者がビッグアプセット先発末永からいきなりライトスタンドに放り込むホームランで先制、いきなりの先制パンチとなったが、つづく相手2番のレフト線への打球に、ビッグアプセットのゾーン20、山下が激走で追いつくとレフトラインぎわギリギリでスライディングキャッチ!左半身を泥だらけにしながらのスーパーキャッチでビッグアプセットナインが一気にヒートアップ、末永もこれに意を強くして後続を断つ。
するとその裏のビッグアプセット、先頭牧がフォアボールで出ると、ツーアウト1・3塁となったところで、5番芝田が鋭くセンター前に弾き返し牧が生還!あっという間に追いついた!そして2回裏の攻撃では、先頭小川がフォアボール、ワンアウトから西村が三遊間突破のレフト前ヒットでつづくと、末永フォアボールで満塁、そしてこのチャンスで大河原が気合全開でフォアボールを選び押し出し!さらに満塁から村上がセンターに打ち上げる犠牲フライでこの回2点目!そして1・2塁から1番牧が鮮やかに1・2塁間を破ると2塁から末永が激走でホームイン!鮮やかな波状攻撃でこの回3点を追加し4-1とリードだ!
3回には、表のみずほ証券が2安打で1点、その裏のビッグアプセットは先頭山下の三塁線突破のツーベース、芝田のこの日2本目のセンター前ヒットのあと、田辺がレフトへ犠牲フライを放ち1点を追加、3回終了時点で5-2とビッグアプセット優勢で試合中盤を迎える。
しかし迎えた4回表に落とし穴が待っていた。末永はこの回先頭にライトオーバーのツーベースを許すと、この回4安打集中、フォアボール2つと崩れ4点を失い逆転されてしまう。そして5回からマウンドにあがった小川は5回を無難に抑えるものの、6回表に先頭から連続フォアボールでピンチを迎えるとその後5安打集中されこの回6点を失ってしまった。対するビッグアプセット打線、相手先発三輪オーナーを攻め、2番手投手からも追加点を奪ったが、相手の小刻みな継投に後半は沈黙、このまま5-12で最終戦は敗退となった。
歴史的宿敵みずほ証券、三輪オーナーは安信タイガース兼務の選手を含め、比較的シニアメンバーでのオーダー、先発も三輪オーナーと一応の配慮はみせてくれたものの、試合中盤から地力の差が出て一気に押し切られた形だ。山下の泥だらけになりながらのスーパーキャッチ、センターに入った西村も多くのフライを確実に押さえ、ショート牧はセカンド後方のフライを好捕するなど抜群の守備範囲で相手ベンチをもうならせる。先週守備の乱れで落ち込んでいた芝田も試合前ノックの成果がでて堅実なサード守備を披露、ファースト櫻町も芝田からの逸れた送球を目いっぱい伸びて好捕するなど、ほんの一部の守備の乱れを除けば最年長組も含め数々の全力プレーで試合を締めた。
冬の太陽は早くも西に傾き、ユニフォームについた土をはらいながら、惜敗を悔やみながらも今年もシーズンを走り切ったという思いも去来する。乾いた冬の空気を吸い込みながら、グランドをきれいに整備しクラブハウスに向かうビッグアプセットナイン、走り切った疲労と充実感が全身を覆う。ナインはこのまま定番、錦糸町の名店中華に直行、シーズンを走り切った満足感とお互いの健闘を生ビールで称えあう。そして絶品焼き餃子、甘辛唐揚げ、麻婆豆腐などの名物料理が次々と供されるなか、シーズン回顧と来シーズンへの期待で盛り上がる。
2024年シーズン終了、個人記録では、ボビー・牧・ジュニアが首位打者で初のタイトル獲得となった。史上7人目のシーズン打率5割には惜しくも届かなかったが、打撃と守備の奮迅の活躍は見事、シニア化が進むビッグアプセット打撃陣と守備陣を見事に支えた。
名古屋赴任後初のフルシーズンとなった今年の丸野は、名古屋在住を感じさせない出席率で3度目の本塁打王、そして初の打点王の二冠に輝いた。丸野自身、二冠獲得は初めてであり、そして何より東京以外在住選手の規定打席到達、そしてタイトル獲得はビッグアプセット22年の歴史でも初めて、その貢献度の高さは抜群だ。
盗塁王は昨年に続き通算4度目となる石井大和、4度目の盗塁王は、石井の6度に続き、福原と並ぶ史上2位の獲得回数となった。
投手部門では、最多勝・最優秀防御率ともに石井が獲得。最多勝は3年連続10回目、最優秀防御率は6年連続12回目と獲得回数でもぶっちぎりのトップをゆく。
しかし今シーズン最大のドラマは、7月の電撃監督交代だろう。櫻町前監督の鮮やかな出処進退につづき第二次村上政権への鮮やかなバトンリレー、安倍晋三、マーガレット・サッチャー、フランソワ・ミッテランをはるかに凌ぐ7,832日の史上最長在任期間を誇る櫻町監督の功績を称えると同時に、第二次となるビッグアプセットの精神的支柱・オヤブン村上の電撃再登板、そしてこの電撃政権交代は新しいサプライズを呼び込んだ。村上監督再登板を機に、窪田、橋爪といった最年長組の重鎮、橋本、福原、黒田といった往年のスーパースターたち、そしてビッグアプセット創業者にして初代エースの末永の電撃復活など、新政権を迎えてチームの新たな形が見えてきたシーズンでもあった。シーズン終了後には史上初のゴルフコンペ開催、来シーズンに向けては9年ぶりの新ユニフォーム導入も検討されるなど、新たな展開に向けて次々と新たな動きがはじまった。
雲ひとつない冬の黄昏に、今シーズン貫徹の感動と充実に満たされるビッグアプセットナイン、暮れてゆく錦糸町の夜はまだまだ終わることなく続く。今年もシーズン通して、ネタ切れの恐怖と闘いながら筆を折らずに書きつづけた戦評についても、毎回数々のコメント、ご評価を頂きありがとうございます。また来年2月、2025年シーズン開幕戦でお会いしましょう。
では年末恒例、「戦評タイトルで振り返る今シーズン」で今年の戦評のページを閉じることとします。
「Stay Hungry, Stay Foolish」(3/16 光が丘公園)
春爛漫の光が丘、史上初の櫻町通算500安打、史上4人目の西村通算300本安打の同時達成を祝い、桐朋高校卒業生の名答辞を引用、ビッグアプセットよいつまでも、貪欲で馬鹿な大鳳であり続けよう。
「ただ生きる」(4/6 北区中央公園)
強豪ブルースと6年ぶりの対戦、かつての大エース、小島投手の変化球に翻弄され惨敗するも、年輪を重ねるエースの姿に自らを奮い立たせたビッグアプセットナイン。
「こうやって毎週のように野球ができている、これもひとつ夢がかなったみたいなものだ」(6/15 夢の島)
オヤブン村上の文壇デビュー作、「ベースボールよ、新たな夢へ」が幻冬舎から出版、石井大和と莉己ちゃんの婚約発表、そしてノビータ大河原のひとり娘も婚約発表、慶事がつづくビッグアプセット。
「勝者に報酬はない」(7/20 大宮健保)
エンジョイカップは初戦敗退、満を持して臨んだ敗者復活トーナメントでは決勝まで勝ち上がったものの最後に力尽き準優勝、炎天下の大宮で真っ白に燃え尽きたビッグアプセットナイン。
「野球は無私道なり」(8/3 光が丘公園)
第二次村上政権発足とともにあのマダックス末永が電撃復活!木全、大河原の打棒爆発で末永復帰を祝う。
「最後の花火に今年もなったな、何年たったも思い出してしまうな」(8/10 青山球場)
真夏の青山に、あのアグレッシブ福原、フェラーリ黒田のレジェンドが電撃復活!充実の試合、真夏の花火を見ながら名店峨眉山での感激の打ち上げはいつまでもつづく。
「ぼくもあなたもフリーマン」(11/9)
感動のワールドシリーズに触発された櫻町がフリーマン打法で大ホームラン!大河原の通算100本安打達成もあり、東京のフリーマンゾーン、北千住でフリーマン教義が次々に唱えらえた。
ではみなさん、来シーズンまたお会いしましょう!
【監督コメント】
11/30みずほ証券の試合。気持ちいい青空の広がる冬晴れの下、今シーズンの最終戦に臨んだ。
守備では山下のスーパー・スライディング・キャッチ、牧くんの背走しての好捕、内外野の堅実なプレーと奮闘しピッチャーを盛り立てる。また、攻撃面でも初回から二回、三回と得点を重ねペースを掴みかけるも、結果的には相手チームのチャンスでの好打に打ち負かされてしまった。監督として、力及ばず申し訳なかった。
さて、今シーズンも終了ということになり、個人タイトルも決まる中、恒例のMVP、GG、MIPの投票を行いたいと思います。それぞれ1位から3位の方を選んでいただき、大河原宛にメールもしくはLINEでお送りください。締切は年内といたします。尚、それぞれの賞の得点は、MVP1位5点、2位3点、3位1点。GGとMIPは1位3点、2位2点、3位1点とします。
監督に就かせていただいて以降、楽しんで勝ちたいと必死に取り組んできましたが、この日のような試合が多く、結果は4勝11敗と大きな負け越しとなってしまいました。
この成績、「勝つ」ということに関してはできておらず責任をとって監督の職を辞するべきと思います。ただ、元々の主力が61歳になる中、結構な強豪相手にも「楽しんで野球はできたのかなぁ」という気持ちはあります。
この辺り、来季の去就につきましては皆様のご判断に一任いたします。このチームを影で支え、切り盛りしてくれている大河原に本件を取り仕切ってもらうようお願いしました。
小生の来季監督続投に反対の方は、MVP等投票と共に大河原宛にご連絡ください。
皆様、今年一年、大変お世話になりました。
特に、グラウンドの確保、相手チームの確保、審判の手配、道具の運搬、試合球の持参、会計、ホームページの作成、そして戦評の執筆などなど、皆様方には自発的に取り組んでいただき、野球を全員で楽しむことができたと思います。
どうもありがとうございました。
また、来年、どういう形になるにせよ、共に野球を楽しめたらと思います。
よろしくお願い申し上げます。