(1) 待合・受付の特殊性
薬局は、在宅、施設を視野に入れ、地域との連携の充実を図っている。また、来局された患者と最初にかかわる所であり、待合・受付の印象が、薬局の評価に直結する。患者と接する時間が制限され、帰宅後に異常が出現したりする事がある。また、高齢者が多くの疾患を併用して持ち、数々の内服薬を服用している患者も多い。
脳血管障害などで身体不自由にて機能訓練を必要とする方や、疾患からくる後遺症である、片麻痺などの運動障害や高次脳機能障害をもつ方など様々な患者が待合・受付で転倒事故を起こす可能性もある。またトイレ使用中に意識障害を起こす患者もいる。このことから、常に事故が起こりうる危険性が高いことを念頭におき、医療従事者(薬局に勤務する全ての職員)は各々自らが安全管理意識を高め、強い意志と実行力を持って事故防止に取り組み、常に安全で質の高い医療サ-ビスの提供に努めなければならない。従って、事故防止のためには、過去の事例を検討することはもとより、日々のインシデントをスタッフ全員が共に考え、より安全で確実な対策を検討・実施していく必要があると考える。
(2) インシデント防止対策
1) レセコン入力ミス
・ 調剤室や患者及び病院から確認の連絡があった場合、再度入力内容を確認
・ 処方せん確認と、医師への確認をする
2) 患者誤認防止
・ 患者をフルネームでお呼びする
・ 投薬ブースに入った時、再度フルネームで確認する
3) 歩行時の転倒
・ 患者が歩行時後ろから声をかけない
・ 歩行障害になる物を置かない
・ 患者の移動時必要に応じ介助する
4) 接遇対策
・ 清潔なユニホームを着用し、礼儀正しい態度や言葉使いで対応する
・ 患者を呼ぶ時は、はっきりとフルネームで呼ぶ
・ 患者からのクレームを受けた場合、内容を把握し、すばやく対処する
・ 患者のプライバシーの保護をする
5) 問診・アンケート
・ 患者をフルネームで呼び、確認する
・ 患者本人及び家族の確認をする
・ 患者のプライバシーの保護をする