投稿日: Jul 07, 2018 9:30:37 AM
太極拳には、多くの門派(流派)があります。
ほとんどの太極拳において、根本的な動きとして掤、履、擠、按、の四正があげられます。
基本的には、四正とは、四つの動きの事を言います。
しかし、四正とは、特定の動きや、形だけを指す言葉ではありません。
四正とは、大雑把に言うなら、無限の変化の最小単位だといえます。
四正の変化を知るには、「粘」が体得されていなければなりません。
また、「粘」を体得するとは、四正の変化を知るということでもあります。
「粘」とは、曲の中に直を求めることです。
または、直の中に曲を求めることでもあります。
曲線の中に直線を求める、あるいは、直線の中に曲線を求めるとは、曲線の動きに体軸の力を内在する事だと言えます。
この体軸の力がなければ、ただ曲線に動いているだけの、弱々しい動作となってしまいます。
このような力が働くことで、相手の動きについていけるようになり、相手の動きに着き従うような状態である、「粘」が形成されます。
つまり、四正とは、特定の動作や、形で完結するものではないという事です。
しかし、基準となる動作や形は重要です。
「定」のない「変」は「乱」になるためです。
基準が固まらない内に変化を求めても、それは動きを崩すだけで、乱れとなります。
変化は、深まり、積み上がっていきますが、崩れ、乱れた動きには、発展はありません。
太極拳に限らず、中国武術で、套路(型)を練習する意義の一つは、基準を正しく身につけ、「定」を形作る事です。