第44回「『大学図書館で研究データ公開支援をする』って、いったい何のことですか?~基礎の基礎から国内外の情勢まで~」
日時 :2021年3月9日(火)18:00-19:00
会場 :オンライン(Zoom)
概要 :「研究データ公開支援」をテーマに、大学図書館としての支援を考えるために必要となる基本的な知識や、国内外の情勢等についてお話しいただきます。
話し手 :三上絢子さん(北海道大学附属図書館 研究支援企画担当)
参加者 :30名
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発表資料
質疑応答
Q.三上さんは「研究データ」関連のお仕事をはじめられた際、どのような事柄から学習されましたか?
A.NIIに研修に行ったこと、まずそこから始めました。NIIでの研修、活動を足掛かりにして広げていきました。研修中に、データベース作成(GakuNinRDM、次期JAIRO Cloud)に関わったことや研究データに対応した情報基盤、その基盤が対応するデータによって勉強しました。
Q.北大では図書館以外の部署でどこかと連携されていますか?
A.情報基盤センター(GakuNinRDM導入について)と連携しています。それ以外では連携していません。また、GakuNinRDMにURAが興味を示している(と聞いています)。この先連携あるかも?
Q.無体物というかあくまでデータであって、標本とか試料とかは今回は別のお話?
A.そういったものも研究データとして使われなくはないのですが、ウェブサービス上の研究データ管理公開基盤を前提として話しているのでそちらが中心です。機関リポジトリで扱えるデータが今回の対象です。
Q.公開データに関わることは図書館職員として素晴らしい!と思います。その反面、業務量がかなり増える印象があります。現在の業務量の印象はどうでしょうか?
A.今のところ、機関リポジトリ業務の範疇に収まっています。論文の依頼プラスアルファくらいの労力です(現在は論文公開のためのデータ公開が主流)。データ単体(論文に紐づかないもの)となるとまた別かもしれません(今のところデータ公開・管理について図書館として広報はしていません)。
Q.HUSCAPへの研究データ登録に関して、ファイル容量の上限はありますでしょうか?
A.現時点では上限は… あまり把握していません。リポジトリ全体の容量は、1テラバイト(後日確認したところ2TBでした)くらいなので現在の残りは800GBくらいかと思います。 今まで一番大きいデータが550MB。動画やゲノムはサイズが大きいと言われているので、そういったものがくると容量超えるかもしれません。そのような場合は、ストレージを確保するなど対応を考えなければならないと思います。まだ、上限は超えそうにないので想定はしていません。
Q.これまで支援を手掛けられたのはHUSCAPを通じた研究データ公開についてのみでしょうか。GakuninRDMでのデータ管理についての支援や相談を受けられたことはありますでしょうか?
A.今のところ、HUSCAPを通じた研究データ公開についてのみです。GakuninRDMの試験運用中に使ってみたいという相談はありましたが(データベースの)中身については特に触れられていませんでした。(GakuNinRDMの)登録方法までの支援でした。今後どのように支援していくか、は分野によるところも大きいため難しいです。
Q.海外には、いろいろと便利なデータリポジトリがありますが、機関リポジトリで研究データを公開するメリットは何だと考えますか?
A.悩みどころです。明確な答えは見つけられていません。研究成果をまとめておく、という点では有利、効果的なのではと思います。他(の分野リポジトリ等)で公開して、リポジトリはリンクだけ、という方法も考えられます。分野リポジトリは制約がキツイ、ので機関リポジトリで公開したいという声も聞いたことがあります。機関内で便宜を図れるところが良いところ、メリットと言えそうです。
Q.分野としてはやはり自然科学系、情報系、バイオ・ライフサイエンス系の動きと考えてよいでしょうか>データ公開、共有
A.北大事例は半分が低温科学研究所です。全体像を把握できるまでには至っていませんが、BioLifeScience、情報系、自然科学系が多いように感じます。(北大の)件数的には(分野で言えば)地球環境が多いように思えます。
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