パネルディスカッション

<キャラクターを使いたくない人について>

参加者)

西川さんのお話で、キャラクターを使った広報のデメリットとありましたが具体的にはどのようなものですか。

 

西川)

デメリットというよりは、周りの人の冷たい目というか、絶対キャラクターを使いたくない人っていますよね。

せっかく公式キャラクターがいるのに、ポスターを作ったときにキャラクターが出ていないとか、なんだか統一感が出ませんよね。そういった場合は図書館全体の広報から見るとマイナスになっていると思います。

使ってくれない人に使ってもらうにはみなさんどうしていますか?

 

笠井)はすかっぷちゃんは実際反対があって、長い間使えませんでした。好き嫌いはどうしてもあると思うので、地道に仲間になってくれる人を探すしかないんじゃないかなって思います。

 

千葉)

ムロぴょんは図書館のキャラクターじゃないんですけれども、みんな大好きで、着ぐるみを着ると寄ってきたりするんです。でも中の人たちが、反対までいかなくてもあまり乗り気じゃなくて、もったいないなぁと思います。

ふくるんはどうですか?

 

松倉)

漫画風にふくるんを登場させていましたが、登場人物がふくるん1人しかいないので、全コマふくるんなんです。1人で、困ったな・どうしよう・そうだこうしよう、って自己完結してしまって、それで内容が薄くなってしまうんですよね。大学の学生や教職員がいるところで、子供っぽくなりすぎてしまうんではないかってアンケートで書かれることがありました。

うちはあまり反対って人はいなくて、"好き”か”無関心”ですね。

 

千葉)

あおばとちゃんは小樽の市の鳥なんですけれども、そのあたり他の職員はどんな感じですか?

 

梅津)

そもそも知っているのかなぁって感じです。

グッズを作ったのは結構前で、雨が降ったら学生さんにあおばとちゃんの入った傘を貸しているので、今学生さんが目にするのはたぶんそのビニール傘くらいですね。あと 読書案内のパンフレットを何年か前に作って、それはずっとカウンターのところに置いてあって、ご自由にお持ちくださいとしているんです。他は掲示物に使うくらいなんですけれども、あおばとちゃんを使う人は3人ぐらいしかいないので、ほかの人は知っているのかなって思います。無関心なのかどうかっていう。

 

千葉)

一橋大学はその点良い事例だと思います。

どうして職員みんな関心を持っているんでしょうか。

 

近藤)

最初はどれくらい注目してもらえるか心配だったんですが、やってみたら段々面白いねって言ってもらえて、すごく興味を持ってもらえてるっていうのが徐々に分かってきました。「自分はこういうのやりたいです」「こういうのやっているんで読んでください」「写真に写ってください」って発言していくことで、みんな快くやっていただけました。

なので、まず尻込みしないで積極的に協力を呼びかけるというのが大事かなと思いました。

 

千葉)

非常によく周りを巻き込んでいっているんですね。

 

 

<キャラクター展開の資金>

 

西川)

ところで職員の反対って心理的な問題もありますが、現実的な問題、お金の問題とかもあると思います。

例えば着ぐるみのお金ってどうやって用意するんですか?

 

千葉)

あれは寄付してもらいました。なので汚れたり壊れたりしたらそれっきりです。

広報にかけるお金って他の大学さんはどうしていますか?

 

梅津)

傘を作ったりグッズをつくったりしたのは前の図書館長の個人裁量経費で出していただいたので、今はお金がありません。新たなグッズを作るのは難しいです。

 

千葉)

はすかっぷちゃんはぬいぐるみがたくさんありますが、あれは作ったんですか?

 

笠井)

一緒に担当している方の手作りです。

10周年のクリアファイルは、去年HUSCAP関係で賞をいただいたので、その賞金で作りました。

 

松倉)

ふくるんは事務経費でできる範囲でしか今はやっていないので、今後もグッズを作るとしたら、しっかり構想を固めて上に相談することになります。

 

千葉)

シャモーネさんたちの服はやっぱり職員さん達から?

 

西川)

個人の持ち出しですね。

 

千葉)

ウチの場合は大学のものなので、それをちょうだいって言ってもらってきました。図書館だとそういったモノ作りはやっぱり難しいですよね。

ガーゴイルは無料ですよね。今後は何か図書館として展開する予定、グッズとか作る予定はありますか。

 

近藤)

今はガイダンスの広報に使ったりしているんですが、好評なので次回も何かに使えたらいいなって思います。

具体的な計画はないんですけれども、何か作れたらいいねって思っています。

 

千葉)

ガーゴイルは新しいものをわざわざ作らず、既存のものを使うということがすごいなって思っています。

既存のものを使うっていうのはなかなか難しいですよね。

 

西川)

京都大学では毎年、受験シーズンになると折田先生像というのが出現します。元々は折田彦市先生の銅像がキャンパス内にありましたが、落書きやいたずらがひどいので撤去されていました。その後、撤去された跡地に、有志の学生が受験シーズンに毎年異なるキャラクターをパロディ化したものを設置するようになり、それも「折田先生像」と呼ばれています。一橋大学のガーゴイルを見たときにそれを思い出し、うちの大学でもできるんじゃないかと思いました。

像の一つや二つ、大学だったらありますよね。

わざわざ知られていないキャラクターものを作るよりも、すでにあるものを活用した方が有効だという場合もあると思います。

 

 

<キャラクターの継続性>

 

千葉)

キャラクターものって、描いた人が辞めちゃってもうこれ以上展開できない、あの動きしかできない、ってことがありますよね。

ふくるんはどうですか。

 

松倉)

ふくるんは1人の方しか描けないんてすが、その先輩がいなくなるとできないですね。既存のものを使い回すしか……。

 

梅津)

あおばとちゃんも「あおばとちゃんフォルダ」の中の画像しかないので、新しい物は作れません。

 

西川)

ポーズの展開もありますが、二次元と三次元の問題もありますよね。

 

千葉)

描けない描けないって言われてますけど、でも意外と描けるんじゃないかな。試しに描いてみたりしましたか?

 

梅津)

試してません(笑

 

千葉)

継続性でいうと、初音ミクのような二次創作に関してはどうですか。学生が掲示板に描いていたりしても文句は言わないとか。

色とか角度とか決まってたりすると、そこらへんは難しいですよね。

例えば京都大学の吉田南総合図書館に行った時に思ったんですが、キャラクターがオートシェイプを使って作成されていて、細かい動きを表現できるのはいいアイデアだなと思いました。黒板に描いてあるものもあって、描ける人がいなくなったらどうするんですか、って聞いたら、「いや、やめます」と。

キャラクターの永続性って大事ですよね。担当者が変わったから絵柄ちょっと変わってもいいんじゃないかとか、どうなんでしょう?

 

梅津)

絵が得意な人が「あおばと通信」やあおばとちゃんのしおりを出してくれているので、展開はしていますが、元のものとは別といえば別なので、継続しているかどうかと言われれば微妙です。でも、なくなるよりはどんな形でも続けた方がいいと思っています。

 

千葉)

永続性が大事と言った一方で、先生や職員は長いこと大学にいますが、学生は4年とかで入れ替わるんで、ずっと同じものを使い続けなくてもよいのでは?と思うことがあるのですが。

 

西川)

続けることが無理だったらやめたらいいと思うんです。ただ、やめますってちゃんと宣言しないといけないと思います。

ずっと更新されてないSNSとか、ユーザーからは不信感を持たれたりしますよね。諸事情により続けられなくなりましたとか、やっぱり宣言してやめてくれないとダメだと思います。

 

 

<今後の展開、SNSへの取り組み>

千葉)

そろそろ時間です。最後に今後の展開など教えてもらえますか?

 

笠井)

とりあえずTwitterを始めたいですね。あと、4コマ漫画を作りました。

それと、イラストレーターでトレースをして今までのはすかっぷちゃんを使えるようにしています。描く人が変わって絵が変わると、キャラクターを愛してやまない人たちが「これははすかっぷちゃんじゃない」とか言ってきたりしますので(笑

 

参加者)

その作業の費用対効果はどう思っていますか?

 

笠井)

学生さんたちから、博論の公開について分かりにくいとよく質問がくるので、キャラクターで説明できれば分かりやすくなるんじゃないかなと思います。

この間取材を受けたんですが「すごい可愛いですね!もっと全面的に出したらいいじゃないですか」って言ってもらえました。それを聞いて、続けられるうちは頑張っていきたいなと思いました。

 

西川)

はすかっぷちゃんはFacebookとかに出ているんですか?

 

笠井)

今は何も出ていません。Facebookのトップページにはこっそり出ています。

 

西川)

キャラクターを使う時にSNSというのは重要なツールだと思いますが、北大さんがFacebookを選択したのはなぜですか?

 

北大SNS担当者)

立ち上げた当時、会議で小樽商大のFacebookの発表を見たことがあって、悔しいな、これすごいなって思いました。

自分は写真が得意だったので、Facebookが一番効果的だと思って計画を進めました。

Facebookで心がけたことは、よく他の大学のFacebookはものとか部屋の様子を出していますが、北大では働いている人たちや学生の顔を載せるということを心がけました。それで効果が出たのではないかなって思います。

 

西川)

今はInstagramとか色々ありますが、笠井さんが進めたいのはTwitterなのですか?LINEはどうですか?

 

笠井)

アカウントをとって放置されたままだったのがTwitterだったのと、LINEは学生寄りの印象があって、教員にも周知したいということを考えるとTwitterかな、と。

 

SNS担当者)

北大図書館としてはLINE@もやっています。記事はFacebookの転載です。

LINE@を始めたのは、インターシップに来ていた学生さんが「FacebookはおじさんのSNSですよ、LINEはやらないのですか」と言ったのがきっかけだそうです。

ただLINE@もFacebookも、登録している人の詳細な分析ができないので、学生がどれだけ登録しているのかはわからないですが。

 

西川)

他の大学では、今後の展開、SNS含めてどうですか?

 

梅津)

SNSは今Facebookをやってはいますが、他のSNSは今後の展開は特には無いです。

北大さんはFacebookで投稿のタイミングがかぶらないようにしているんですよね。小樽商大はそういうのがないので、投稿がかぶっちゃったりします。

今は運用ポリシーもないので、その辺も含めて整えていきたいですね。

 

松倉)

医療大ではSNSとかやってないんです。上司にやってみたいって言ったことはありますが、乗っ取りが怖いとかはぐらかされて出来ませんでした。

もしもできたとしてもうちの図書館は職員が8人しかいないので、キャラクターに割く時間とか、ネタもあまりないので、今のところは予定はないですね。

Twitterだと情報のスピードが早いので、やるとしたらTwitterですね。投稿をホームページのはしっこにおけたらいいなと思います。

 

西川)

私は、今後はキャラと一緒に旅をしたいですね。部局図書室とか他の大学へも旅にいけたらなって思ってます。

週末の夕方が一番Facebookが見られやすいので、そこの投稿は心がけています

 

千葉)

室蘭工大は新しいSNSに手を出すのは今のところないですね。

TwitterとFacebookはやっていますが、それでさえうまく行っているか微妙なので、新しいのはたぶんしないと思います。

室蘭工大は丘の上に大学があってみんなその辺で生活しているので、私はみんなそこまでSNSで遠くから見てるわけではないと思っています。図書館の情報を知りたければ図書館に来ればいいじゃないって。地域性や特性として疑ってかかっています。

 

近藤)

一橋大学では今のところ計画はないですね。でも何かできればいいかなって思ってはいます。