事前アンケートへの講師回答

▼事前アンケートで寄せられた質問のうち時間内でお尋ねできなかった分について、話し手のお二人より回答をいただきました。

【質問1】

講師の方は業務上の必要があって広報に取り組まれてきたのでしょうか。それとも、ご自身の業務の枠を超えて、取り組まれてきたのでしょうか。

どのサービスをどのように広報していくかについては、サービス内容や構成と不可分と思っていましたが、どのように越境していくかも大事かもしれないと思い、伺ってみたい点です。

(伊藤さんの回答)

広報の仕事は、本業の会計担当に何一つ関わりがないです。私は当初、図書館の庶務担当に配置されていました。その時に職員証の写真を撮ることがあったのですが、写真がうまいということが周りに伝わり、会計担当に異動後も写真撮影やポスター制作を頼まれることが多くなりました。

その後、広報ワーキングが設置され、その一員となったことで一気に広報の仕事をしやすい環境になりました。

(城さんの回答)

業務上イベントの企画実施を担当することが多いので、その一環として広報を行なっています。

イベントはわかりやすい例ですが、図書館業務は基本的にサービス業である以上、利用者に何か情報を周知するということは多かれ少なかれあることだと思いますので、広報に関わりのない図書館業務は存在しないのではないかと個人的には思っています。

【質問2】

学生が良く使っているツールについて勉強するためという理由で,iPadやスマホを購入した方はいらっしゃいますか?

図書館員たるもの新しい情報端末には敏感であるべきという思いと,個人的にはガラケーで十分という思いがせめぎあっております。

(伊藤さんの回答)

iPadやスマホは持っていますが、勉強するための理由ではありません。勉強のためということであれば、まずは図書館のiPadを触ってみてはいかがでしょうか?

【質問3】

新規採用者向けの広報として、既存のものとしては「北海道大学附属図書館の「ひと」と「しごと」」があるが、HP内の階層も深く、事実上は既に図書館に関心のある人しか読んでいな いのではと思います。もっと広く優秀な人材を集めるために、北大生を対象とした積極的な広報活動をしてみてはどうでしょうか。

例えば本館正面玄関モニター でプロモーションビデオ的なものを流したり、MULUで行ったような図書館で働きたい人のためのイベントを開催するなどです。大学図書館は教育・建築・情報・デザインなどいろんな専門分野の人が活躍できる場ではないかと思っています。

(伊藤さんの回答)

確かに階層深い場所にありますので、もっと気付かれるような場所に移動可能か広報委員会に報告したいと思います。

北大生をターゲットとしたPRが必要かどうかは、じっくり調査が必要かと思います。図書館にとって優秀な人材とは? 図書館を目指している人はPR活動で振り向くというよりは、もっと以前に自ら学んでいる人のほうが多いのでは? 北大生よりも司書課程がある大学にPRしたほうが効果あるのでは?などです。

(城さんの回答)

「北大図書館のひと・しごと」は知り合いの先生からお会いするたびに「あのページはもっとアピールすべき!」と言われるほどで、私もご意見に賛同します。

プロモーションビデオ、いいですね!学生サポーター制度やワークスタディ・プログラム等で北大生さんが図書館の中にどんどん入ってきているので、たとえばそういう学生さんたちから図書館の仕事を紹介してもらうなど、学生の声をもっと取り入れると面白いのではないかと思いました。

【質問4・5】

図書館の中に広報担当部署(WG、委員会等ではなく専任担当)を設けるべきか否か。 広報はそれなりの知識、スキルが求められると思われるが、そのような知識、スキルを図書館職員は身に付けるべきか?身に付けるべき場合はどのような知識、スキルとなるのか、そしてその育成方法は?

館内サイン・ポスターのクオリティや統一感について、個人的にはもっと気を配ってはどうかと思っているのですが、他の方はどう思われますか?WGなどでオーソライズ(助言・承認・テンプレの作成etc)できないものでしょうか。他館には館内サインWGを設けている大学がありますね。

(伊藤さんの回答)

サービスを取り扱う仕事は、当然ある程度の広報の知識が必要だと思います。勉強方法としては、広告代理店が発行する書籍、または広告代理店経験者が発行する書籍を読むことです。それだけでもかなり広報に対する考え方が変わります。

正直、図書館という組織は良いサービスを企画・立案し、維持・管理することに一生懸命で広報はずいぶんあっさりしてるなぁという印象です。忙しくて広報に仕事が回らないと言う人もいますが、そのためにも広報することに一生懸命な部署が図書館の中にあればいいと思います。広報の仕事は、発信することだけではなく、市場調査、消費者調査、コンセプト開発、アイデア開発、広告効果測定など多くの知識が必要になってきますので、企画立案後は広報担当にまかせてしまうということもできます。また、館内サイン・ポスターの統一化も可能です。

(城さんの回答)

図書館は基本的にサービス業だと考えていますので、図書館と広報は切っても切り離せないものだと思っています。

ポスターなどのデザインやテクニックについては、伊藤さんも挙げられているように書籍もたくさんありますし、たとえば2月に北大で開催される情報発信力スキルアップWSのような場を活用して勉強していくしかないのかなと思います。もっと本格的に勉強するのであれば、たとえば北大のCoSTEPで広報デザインについて学ぶことができるコースも用意されていますね。