日時 2014年11月12日(水) 14:00-15:20
説明 橋本陽一(24時間ホームケア ほほえみ 所長)
今回は所沢市内に開設されたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を見学しました。建てたのは社会福祉法人桑の実会ですが、福祉施設ではなくて賃貸住宅で、さまざまな福祉サービスはア・ラ・カルトで提供するというのが特徴。ケアマネージャーや建築士らが、それぞれの目で見てきました。
11月12日(水)の午後、所沢市内に新しくできたサービス付き高齢者向け住宅「レジデンシャル小手指Sakura」を見学しました。私が代表を務めるNPO法人ところざわ福祉の住まいづくりをすすめる会の見学会として行いました。参加者は9名。
はじめに館内のモデルルームを見学。約25㎡の居室は、入居者の介護度に合わせて3タイプあり、自立は浴室付き、要支援程度の方は浴室部分がシャワールームに代わり、要介護の方向けとしては浴室をなくして寝室部分を広くしています。これらの方々には、併設のデイサービスを利用されるか、あるいは館内の浴室にてヘルパーによる介護を受けるかのいずれかになる、とのことでした。その後、食堂やデイサービス、地域交流室などを見学しました。
ガス・水道に関しては防災対策も考慮し、プロパンガスや施設専用の井戸を用いて日常の対応を行っているとのことです。近隣地域の方々の避難所的な役割も担う、とのお話でした。
見学後に、地域交流室で質疑がありました。
有料老人ホームの場合は、利用権方式といって入居時に多額の入居一時金を納めたり、介護サービスも施設丸抱えの方式(特定施設入居者生活介護)の所が多いのですが、今回訪問したサービス付き高齢者向け住宅は、職員の方の説明によれば、あくまでも「賃貸住宅」であり、それに必要なサービスを個々に加えていく方式になるそうです。介護保険制度上の規制(「総量規制」といいます)も今のところは該当ぜず、必要なサービスを必要に応じて提供できる、とのお話でした。
所沢市内でも、これからこのようなサービス付き高齢者向け住宅が次々にオープンするのでは、と思われます。5年先、10年先を見据えて、高齢者の暮らしがどう変化していくのか、私たちもしっかりと問題点を把握しながら、活動を進めていきたいと思います。
とても有意義な見学会となりました。
(写真・文:細川啓)
4階建てで、2-4階が賃貸住宅、1階がデイケア施設になっている。
フェンスには、非常時には近隣住民に飲料水を提供します、という説明板が。
これがその井戸とタンク(写っているのは濾過後の水に塩素を注入する処理水槽)。
大規模災害時には電気も停まるだろ、というのは想定の範囲内で、自家発電設備も備わっているとのこと。調理や給湯もこのタンクのガスを使うため電気・公共水道・都市ガスが止まっても100人で最低12日間は持ちこたえられる、と。
ひとまず1階にある地域交流サロンという、近隣住民も利用できる50畳の部屋へ。この部屋は地域のサークルなども利用できるとのこと。
居室見学へ。廊下に手すりがあることを除けばホテルのような雰囲気。
4階はユニットバス付きの部屋。シャワーチェアはオプションであろう。
トイレは「トイレ洗面スペース」に入って廊下側。自立・要支援の入居を想定しているがL字手すりが付いている。ペーパーホルダーの下に見えるのは非常呼び出しボタンか? なお、洗濯機を置くスペースは見当たらなかった。
キッチンと呼ぶには少々躊躇われるコンロとシンク。コンロはIH(誘導加熱)なので袖口に着火する恐れは少ない。狭いので料理をするには段取りを要するが、自炊している住人もいるという話。
3階と4階の寝室はやや狭くて6.9畳(10.59平米)。ベッドとテーブルとイスはオプションというかモデルルーム用。壁には手すりをつけられるようになっているが、退去時には原状回復が求められます(一般の賃貸と同じ)。
壁にはナースコール。室内2か所から呼び出せるようになっていた(風呂までは届くかな?)。
4階の食堂。料理は1階の厨房で作り、人用エレベーターで運んでくる。
3階のモデルルーム。上がり框はない。住人は入館時に履き替えるのか(見学者はスリッパに履き替えた)。入ってすぐに洗面トイレスペース(おそらく左にあるタイプと右にあるタイプが隣り合わせ)。
3階の部屋はユニットバスの代わりにシャワーブースにしたため浮いたスペースを寝室側で収納として利用している。棚板は可動式。クローゼットはキッチン脇にある。
2階は入浴関係を共用部に委ね、寝室を広く(約8.6畳)した。照明とエアコンは標準装備。中央に写っているのは、オプションである介護サービスを提供する「24時間ホームケア ほほえみ」の橋本所長。
2階の部屋には洗濯機を置くスペースがある(廊下側)。2階の部屋はトイレが寝室側になっていた。これは介護度が高まることを想定して周囲に空間を確保するため?