ボクセルモデル（立方体の集合）もしくはZ-map（線分の集合）を用いて被削材を表すことで，切削工具による材料の除去を表現する切削加工シミュレータを独自に開発している．このシミュレータでは工具・被削材の幾何学的な干渉状態を算出し，干渉状態から工具に作用する力である切削力を予測できる．切削力から工具・被削材の変形量を推定することで，加工誤差を推定する新たな方法を研究している．

上述のシミュレータを実際の加工と並行して，リアルタイムで実行することで，本来は動力計を用いなければモニタリングできない切削力を，シミュレーション上でセンサレスで把握することが可能となる．右の動画はリアルタイム切削力ミュレーションの様子であり，工具・被削材の干渉状態の変化による，切削力波形の変化を確認できる．

切削力シミュレーションより得られる切削力を被削材の変形モデルに入力することで加工中の弾性変形を表現．