ナノ・マイクロファブリケーションと表面機能
Nano/Micro-fabrication & Sur. Func.
研究の背景とねらいは?
ミクロの世界では,諸々の物理現象に関して物体の体積(m3)よりも表面積(m2)の影響が支配的となります.寸法の減少に伴う欠陥密度の減少ゆえ,固体の強度は増します.さらに,光など電磁波長と同オーダの世界に相当します.世の中では,このようなミクロの世界特有の現象や特徴を機能として利用し,これまでに類をみないデバイスの発明や既存デバイスの改良を行っています.そのような背景のもと,本研究セクションでは,おもにナノ・マイクロ表面構造に着目し,ナノ・マイクロ表面加工と表面処理を駆使し,新機能の創出や既存デバイスの機能向上を目指し,日々研究(含企業共同研究)を行っています.さらに,機械加工や接触・摩擦・摩耗・潤滑(トライボロジー)に関連する基本現象を,ナノ・マイクロ加工装置による実機実験や,原子・分子シミュレーションを用いて根本的に明らかにする試みなども行っています.
研究プロジェクトの代表例
実験系
■超短パルスレーザ加工による損傷の少ない割断法(準備中)
■超短パルスレーザ加工によるダイヤモンド工具成形とテクスチャ創成(準備中)
シミュレーション系
■原子間力顕微鏡による固体表面観察と摩擦過程の分子動力学解析
参考資料・過去の研究プロジェクト
Electrical Discharge Machining(EDM)加工
マイクロ領域における加工の中で,特に難しいとされる 高アスペクト比深穴加工を行なっている.逆放電で机上で電極の生成,再生をすることにより,芯ズレのない高精度の加工を実現している.
超短パルスレーザ加工
超短パルスレーザによる加工は,マルチフォトン吸収によるアブレーション効果によって材料を非熱的除去できる.この現象を利用して,高精度なサブミリの形状創成を行なっている.
多機能デスクトップ加工システム
機械加工による様々なマイクロマシニング技術を 研究するために,デスクトップサイズの多機能・複合加工機を開発した.コンベンションなる機械加工だけでなく,以下に挙げるような EDM加工やレーザ加工の研究を行っている.
離散データに基づく多軸制御加工
超精密切削加工では,正面切削により鏡面に近い 加工が可能であるが,旋盤による方法では軸対象形状に限られてしまう.そこで,旋盤の回転軸を 角度制御し,3軸の制御による任意の3次元形状創成を目指す.
マイクロ/ナノ 押込み・引っかき実験
様々な利点を持つ鋼材のマイクロデバイスへの応用を 目指し,いまだに明らかにされていないマイクロ・ナノ領域における破壊形態,基礎力学特性を 実験的に調べる.