Scalaでコンプガチャ

以下は第12回の資料の続き

余談3

2012年に話題になった コンプガチャ問題 のシミュレーション

準備

第12回の資料 の最初の方と同じ要領で sbt console を起動する。

ランダムを使えるようにする。

import scala.util.Random

ガチャの表を用意する。２５％の確率でABCDEの5種類のうちどれか一つが当たる。外れは75％でFになる。各ABCDEの当たる確率は５％

val gacha_table = "A"*5 + "B"*5 + "C"*5 + "D"*5 + "E"*5 +"F"*75

結果：

ガチャを定義する。

def gacha = gacha_table(Random.nextInt(100))

ガチャを引いてみる。何回か試して様子を確かめる。

gacha

結果：

ガチャを引いた結果を可変MAPに記録する準備をする。

import scala.collection.mutable.Map

コンプガチャを用意する。

ガチャを引いて結果を記録するコードはm(gacha)+=1の部分。ガチャの履歴をイテレーターから取得できるように定義する。

def compgacha = new Iterator[Map[Char,Int]] {

private var m = Map('A'->0,'B'->0, 'C'->0, 'D'->0, 'E'->0, 'F'->0)

def hasNext = true

def next = { m(gacha)+=1; m }

}

↑の定義はIteratorのメソッドを利用して以下のように書ける。

def compgacha = Iterator.iterate(Map('A'->0,'B'->0, 'C'->0, 'D'->0, 'E'->0, 'F'->0))(m => {m(gacha)+=1; m})

さらに初期値の部分は、こう書ける

def compgacha = Iterator.iterate(Map("ABCDEF".map((_,0)):_*))(m => {m(gacha)+=1; m})

さらに次のように書けることをTwitterで教えてもらった。

def compgacha = Iterator.iterate("ABCDEF".map(_->0).to(Map))(m => {m(gacha)+=1; m})

ABCDEFの6種類すべてが揃うまでガチャを引いた回数を求める。初回は0回目としてカウントする。

compgacha indexWhere (_.values.forall( _ > 0 ))

結果：

ガチャの履歴を観察する。Mapをそのまま表示してもABCDEFの順に並ばない。

compgacha indexWhere (m => {println(m);m.values.forall( _ > 0 )})

ガチャの履歴を種類順に並べ替えて観察する。

compgacha indexWhere (m => {println(m.toSeq.sorted);m.values.forall( _ > 0 )})

100人がA～Fのすべてを揃えるまで引き続けて、引いた回数の多い順（不幸な順）に並べる。

Iterator.continually(compgacha indexWhere (_.values.forall( _ > 0 ))).take(100).toList.sorted.reverse

結果：

List(170, 132, 112, 111, 101, 98, 97, 88, 87, 83, 83, 81, 75, 75, 75, 75, 72, 71, 69, 68, 64, 63, 59, 59, 58, 58, 58, 56, 55, 54, 53, 53, 53, 52, 52, 51, 51, 49, 49, 49, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 48, 47, 46, 44, 43, 43, 43, 43, 41, 41, 41, 38, 37, 37, 37, 37, 36, 35, 35, 34, 33, 32, 32, 32, 31, 30, 30, 30, 27, 27, 26, 26, 25, 23, 23, 23, 22, 21, 20, 20, 20, 20, 19, 18, 18, 17, 17, 16, 15, 14, 14, 13, 12, 12)

0.95^170 は0.000163 らしいので、1/6000くらいの不幸みたい。

さて、2012年当時のコンプガチャや1970年代の野球カードのカード合わせがどの様な排出率の組み合わせだったのかは知らないが、どのカードも同じような確率で入手できたとすると以下の様な表を使って試せばよい。

6種類すべてを揃えるためにどれくらいの無駄が生じるかは各自で確かめて欲しい。

val gacha_table = "A"*17+ "B"*17 + "C"*17 + "D"*17 + "E"*16 +"F"*16

↑のコードでは全種類揃う判定を forall で行っているが、すでに引いている種類についても判定している。

つまり、まだ引けていない種類のみチェックすればいいので無駄がある。

改良版：

import scala.collection.mutable.Set

def compgacha = Iterator.iterate((Set("ABCDEF".toSeq:_*),Map("ABCDEF".map((_,0)):_*))){case (s,m) => {val g=gacha; s-=g; m(g)+=1; (s,m)}}

Mapの初期化は次のようにしてもよい。

def compgacha = Iterator.iterate((Set("ABCDEF".toSeq:_*),Map.empty[Char,Int].withDefaultValue(0))){case (s,m) =>

{val g=gacha; s-=g; m(g)+=1; (s,m)}}

２０回ほど引いてみる。

compgacha.take(20).foreach(println)

結果：

全部揃うまで引く。

compgacha.indexWhere(_._1.isEmpty)

履歴を表示しながら全部揃うまで引く。

compgacha.indexWhere{case (s,m) =>{println(m); s.isEmpty}}

結果： 改良前のコードの出力