人が幸福に生きるとは、
「生きる上に起こってくる問題をすみやかに解決できる」
ということである。
人が「幸福に生きる」ことを求めるのであれば、
そのために「秩序」が必要である。
幸福とは、「幸福感」である。
大きく「快楽」「充実感」「安定感」の三つの要素に分けられる。
障害や困難などの問題をすみやかに解決出来ることで、
これらの「幸福感」が得られる。
幸福を求めないということは、
「不快」「不満」「不安」の状態でよいということである。
問題は解決されないままである。
そこに「秩序」は必要ない。
秩序とは「整合」である。
煩雑や混乱した状態を出来るかぎり整理整頓することである。
解決すべき問題には、複雑な因果が絡み合っている。
出来るだけ状況を整理整頓すれば、問題は解決しやすくなる。
ゆえに秩序が必要となるのである。
その整理整頓の思考方法としては、
原理原則に基づいて、ものごとを整然とした状態にする(ロジック)
状態を出来るだけ単純化する(シンプル)
偏りがなく、全体の調和が望まれる(バランス)
そした多角的に、また先々に渡って整理する(システム)
以上がある。
この「ロジック」「シンプル」「バランス」「システム」的に思考することを、
「秩序思考」と呼ぶ。
解決すべき事態{問題)が起こって、そこで判断が求められる。
いくつかの要因が重なって、いろいろな事態が起こる。
そしていくつかの解決が求められる。
例えば、「床に水が溢れているとする」
まず解決すべき問題は何か、それを整理する。
①「水の噴出元を止めること」か?
②「床への水の浸入を止めること」か?
③「床の水を取り除くこと」か?
④「ここより他への流出を止めること」か?
どれを優先するか判断する。
そして次に、それぞれの問題に対する対策を考える。
「問題」は、原因と結果の絡み合っての連鎖から起こっている。
上の①②は、原因に対する対策を求めている(過去)。
③は、現状に対する対策を求める(現在)。
④は、結果に対する対策を求める(未来)。
このように分析、整理して、
因果の連鎖を出来るだけ単純化し、
どこの原因、結果に対策するかを判断するのである。
対策には効率が求められる。
効率には三つの要素がある。
効果(質)・時間・コストである。
「出来るだけ確実に水を止める(効果)」
「出来るだけ早く水を止める(時間)」
「出来るだけ容易に水を止める(コスト)」
これら三つの要素が十分に満たされるのが良いが、
それぞれが影響し合う。
根本的に解決したいのか、即効性か、
それとも簡単に対応したいのか、
どれを優先するのが良いのか判断が求められる。
以上のように、いくつかの判断が求められる。
まとめよう。
Ⅰ.最も初めに解決すべき問題は何か?
Ⅱ.必要とする効果的な対策は何か?
Ⅲ.その対策の最も効率の良い手段は何か?
そしてその問題の解決が納得されるまで、
上の問いが繰り返される。
それら判断を出来るだけ的確に下すには、
「秩序思考」が望ましい。
しかし思考である限り、個人の知識・性質・環境に影響される。
「知識」とは、経験や学習による認識、理解の集積である。
「性質」とは、性格、心情、体質、能力による思考の方向性である。
「環境」とは、周囲からの思考への影響である。
問題解決には、「秩序思考」が有効と述べた。
それは、複雑な状況で問題を解決するよりも、
出来るだけ整理して単純化して思考した方が、
より問題解決に容易だからである。
最も優先されるのは、「ロジック」論理性である。
「ロジック」を求めるために、「シンプル」「バランス」「システム」の思考方法がある。
それら三つが満たされていなくても、
「ロジック」が合っていれば、問題は解決される。
そして「ロジック」に誤りがあると、その三つが十分であっても、
正解にたどり着けない。
そして「ロジック」は、上で述べた「知識」に依存する。
「ロジック」すなわち論理とは、科学的に証明された
【定義:集合】【法則:演算】【因果:確率】からなる事実の、
一般化、普遍化、具体化された方式である。
ある現象や状況についての「知識」を多く持っていれば、
そして、その場合の論理の方式を使う「知識」を多く持っていれば、
正解にたどり着きやすくなる。
しかし無限に近い知識を要求されても叶わない。
未知は、今ある「知識」から類推するしかない。
それが「知性」である。
この「知識」「知性」の不十分が、思考の歪み、抜け落ち、誤りを起こす。
そして上で述べた、それぞれの個人の「性格」「環境」によって、
さらにそれらに拍車がかかる。
「秩序思考」は、出来るだけ上の個人の影響を意識し、
受けにくくした思考だが、上の思考の歪みを完全には防げない。
ゆえに問題解決の真実に近づくためには、
個人の影響を少なくするのが望ましい。
より多くの人の思考との交錯して切磋する。
その思考の集結において、矛盾なく整合性が見られれば、
それが「知性の整合性」である。
結論はより真実に近づく。
これが理想である。
当然、現実では、このような人々が集うことは容易ではないし、
集ってとしても、時間的制約を受け、十分な討論はなされにくい。
しかしこのような、知性の集合の場を想定し、
整合性を絶えず求められてる状況に身を置く。
個人という意識を捨て、
出来るだけ「多角的視点」を持って思考する。
思考の歪みなどを防ぐには、
さらなる知識の習得と、反証や矛盾がないことを確認していくしかない。
そして、その思考の結論を、多くの人々の前に持ち出して、
必要十分に納得してもらえるのならば、
それは「知性の整合性」に叶った結果ということになる。
まとめよう。
「秩序思考」において、「知性の整合性」の観点を通せば、
筋道を重視し、ロジック」をより正確する
複雑化煩雑化を避け「シンプル」をより的確にする
偏見に囚われず「バランス」感覚を正常にし、
多角的な視野煮立ち「システム」をより綿密にする。
こうして問題をより効率よく解決に導く。
(24.8.16)