クロマチン論文

1999年 記載

クロマチン論文

発生、分化過程における分化マーカー、

ヒト・ケラチン18遺伝子の発現とクロマチン構造の解析

—ヒト正常組織、胃癌、EC細胞を用いて—

ヒト組織とヒト初期胚のモデルとなるヒト胎児性癌(EC細胞)とでは

異なるクロマチン構造をとる

井澤 菜緒子

慶應義塾大学大学院医学研究科修士課程 医科学専攻

(病理学教室)

緒言

最近、クロマチン構造の変化を通して遺伝子発現を制御するシステムが、in vivoで重要な役割を果たしていることがわっかってきた。また、ヒストンではないクロマチン蛋白質が数多く同定され、初期発生・細胞分化過程におけるクロマチン構造の制御が注目されているがその in vivo における詳細な解析はいまだ十分に行われていないというのが現状である。

真核生物の染色体は一連の遺伝子を含む一本の長いDNAからなるが、核内でDNAはヒストンという核蛋白質によって折り畳まれている。ヒストンにDNA が二巻きしたものがヌクレオソームである。ヌクレオソーム同士はヒストンに巻き付いていないリンカーDNAを介してつながっており、さらにパックされた 30nmクロマチンファイバーとなる。これらの段階的な高次構造をまとめてクロマチンと呼ぶ。DNAの折り畳みにおけるヌクレオソームの役割は、ただ純粋にDNAをパッケージングするものだと考えられてきた。しかしながら、ヌクレオソームの中でヒストン回りに調節配列が正確に折り畳まれていることは、転写調節因子のクロマチンへの接近と転写過程自体をコントロールするのにも重要である。

真核生物のゲノムのうち転写されているのはごく一部で、ほとんどは不活性な状態にある。活発に転写されている遺伝子においては、プロモーターやエンハンサーなどの転写調節領域でクロマチンはDNase?に対して高感受性領域(DNase? hypersensitive site;DHS)を形成している。DNase?は比較的大きい分子(約30kDa)であるため通常のクロマチン構造(30nmクロマチンファイバー)を採ったDNAには自由に接近することができない。DHSでは転写調節因子が認識配列に結合しているためにヌクレオソームが欠けており、DNase?に対する感受性が高くなると考えられる。DHSは、その部位におけるクロマチン構造が通常と異なり外部に開いていることの現れである。

このような、転写とクロマチン構造の関連から、in vivoにおけるクロマチン構造、ヌクレオソームの位置、分化前後におけるクロマチン構造の変化を明らかにするためにヒト・ケラチン18遺伝子に注目して研究を行った。発生・分化の過程においてクロマチン構造、DNAのメチル化そして転写の間には大きな関係があることは既に知られているが、初期および後期発生の分化マーカーであるケラチン18の転写調節とケラチン18遺伝子上のクロマチン構造そしてそれらの関連を明らかにすることは発生・分化を考える上で非常に興味深いと思われる。

このケラチン18遺伝子の発現は分化の過程において厳密に制御されている。ケラチン18は、マウスでは胚発生の8細胞期に最初に発現するタイプ?ケラチン中間径フィラメント蛋白質であり、その後の発現は、栄養外胚葉および、未分化胚芽細胞(blastsyte)と胚外性内胚葉に限局されている。成人では、ケラチン18は腸、肺、胸、および子宮といった単層上皮に発現し、脾臓のようなリンパ系組織では発現していない。さらにケラチン18の発現は単層上皮に発するほとんどの腫瘍と転移を示唆するものであり、上皮性器官の腫瘍とほとんどの非上皮性器官の腫瘍とを区別するためのマーカーとしても有用である。 クロマチン構造を解析しようとするとき、二つのアプローチがある.一つは、ヌクレアーゼまたは化学物質で消化することにより、生体に存在する核内のクロマチンの状態を正確に決定することである。他方、その決定したクロマチン構造を in vitro で再構築し、最終的には転写をクロマチン構造をとったテンプレート上で検討することが重要となってくる。筆者はヌクレアーゼを用いて、in vivoにおけるクロマチン構造、ヌクレオソームの位置、分化前後におけるクロマチン構造の変化を観る研究を行った。ヒト組織では、ヌクレオソームの位置は正確に決定されており、一方、ヒト初期胚においてはヌクレオソームの位置は正確には決定されていなかった。

材料と方法

組織からの核の単離とDNA のヌクレアーゼによる消化

凍結した組織をハサミで細かく切断した後、液体窒素を加えてすりつぶし、遠心分離した。核を sucrose 濃度0.3Mの nuclear buffer(60mM KCl, 15mM NaCl, 5mM MgCl2, 0.1mM EGTA, 15mM Tris-HCl (pH7.5), 0.5mM DTT, 0.1mM PMSF, 0.3M sucrose)で再懸濁し、これを sucrose 濃度0.3-1.7Mに濃度勾配をつけた nuclear buffer の上に重層し、遠心分離を行った。上清を捨て、核を nuclear buffer に再懸濁した。核懸濁液に塩化カルシウムを加えてその濃度を0.4mMとした後、数段階の濃度のmicrococcal nuclease(MNase)によりそれぞれ消化を行った(25℃)。同体積のstop solution(20mM EDTA, 1% SDS)を加え、反応を停止させた。

細胞培養と分化誘導剤の処理

NCR-G3 細胞は、10% Fetal Bovine Serum 入りの DMEM(Dulbecco's Modified Eagle Medium)/F12 を用いて培養した。NCR-G3細胞に0.02mM となるようretinoic acid (RA) を加えて分化を誘導し、4日後にヌクレアーゼによる消化を行った。また、N,N'-hexamethylene-bis-acetamide(HMBA)は、0.01M となるように加えて分化を誘導し、3日後にヌクレアーゼによる消化を行った。

培養細胞のヌクレアーゼによる消化

細胞を回収して30℃ Tripsin-EDTA/PBS (1/4)?で処理し、遠心分離した(HMBA処理を行ったものについてはこの過程省略)。ペレットを氷冷しておいたPBS(-) で洗浄した。遠心分離の後、ペレットに37℃, 0.05% lysolecithin/sol.1 (sol.1: 35mM HEPES-KOH (pH7.4), 5mM K2HPO4, 80mM KCl, 150mM sucrose, 2.5mM MgCl2, 0.5mM CaCl2)を加え、37℃で2分間処理した。遠心分離後、ペレットをsol.1で洗浄した後、 MNase または DNase?の nuclear buffer 溶液を加え、30℃、5分間、消化を行った。遠心分離後、上清を除き、0.3?/? proteinase K/sol.2(sol.2: 20mM Tris-HCl (pH8.0), 20mM NaCl, 20mM EDTA(pH8.0), 1% SDS)、これと同量のsol.3(150mM Nacl, 5mM EDTA (pH8.0))を加え、50℃、overnightで反応させた。

サザン・ブロット解析

ヌクレアーゼで消化されたDNAそれぞれを、過剰のHin c?(80units/ 15μg DNA)で完全に消化した。このDNA それぞれ10μgを0.8%アガロースゲルで電気泳動し、酸変性(0.25N HCl)、アルカリ変性(1.5M NaCl,0.25N NaOH)の後、正に荷電したナイロンメンブレン(Hybond-N+ ;Amersham)へアルカリ・ブロッティング(1.5M NaCl, 0.25N NaOH)を行った。

プレハイブリダイゼーション(5× SSPE, 5× Denhardts, 1% SDS, 0.01% polyA)を65℃、3時間、続いてハイブリダイゼーションを65℃、一晩行った。メンブレンは 1× SSPE, 1% SDS による洗浄(室温,10分を2回、65℃,20分を2回)、 0.1× SSPE, 0.1% SDS による洗浄(65℃, 15分を2回)を行った。メンブレンは-70℃で増感紙を用いて Kodak X-AR film に露光した。

ハイブリダイゼーションに用いたプローブ?(K18:nucleotide 41 - 811)およびプローブ?(K18:nucleotide 3737 - 4844)は、α-32P-dCTPを用い、対応するDNAフラグメントからランダムプライマー法により作製し、NICK Column(Sephadex G50:Pharmacia Biotech)を用いて精製した。

結果

in vivo におけるクロマチン構造を初期ならびに後期発生の分化マーカーであるヒト・ケラチン18遺伝子の転写調節領域をひとつの例として解析した。対象としてヒトの臓器、癌組織またはヒトの初期胚のモデルとなるEC細胞(NCR-G3細胞)を用いた。NCR-G3細胞は当研究室の秦順一教授により樹立されたヒト胎児性癌の細胞株(EC細胞)の一つであり、HMBA、レチノイン酸などの分化誘導剤により分化を誘導することができ、ヒト初期胚のモデルとなるものである。

ヌクレアーゼ処理では図に示されたようにヌクレオソーム間のリンカーの部分に感受性を示す(図1)。また、高次のクロマチン構造を示す部では“開いた” 構造の部分に感受性があると考えられている(DHS)。単離した肝臓、脾臓、胃癌の核をマイクロコッカス・ヌクレアーゼ処理後、ケラチン18遺伝子上のクロマチン構造を検討した。エチヂウム・ブロマイド染色により肝臓、脾臓、胃癌の全てに200 bpのヌクレオゾーマル・ラダーが認められることより(図3-A)、核単離およびマイクロコッカス・ヌクレアーゼ処理が適切にクロマチン構造を保持したまま行われたと考えられる。図2-Aに示したようなプローブ I を用いてサザン・ブロット解析を行ったところ、ケラチン18遺伝子が発現していない脾臓において200 bp ごとのラダーがみられた(図3-B)。プローブ IIを用いた場合でも同様の結果を得た(図3-C)。サザン・ブロット解析で 200 bp のラダーが認められるということはケラチン18のDNA 上でヌクレオソームの位置が正確に決まっているといえる。この場合、ヌクレオソームの位置が正確に決まっているというのは、どのDNA上においても同じ位置にヌクレオソームがのっていることを意味する。即ち、“phase” しているのである。つまり、肝臓、脾臓、胃癌においては、Hin c ?によって切り出されるケラチン18遺伝子の転写調節領域付近において、図2-Bに示すような決まった位置にヌクレオソームはのっているのである。

同様の解析をヒトのEC細胞を用いて行った。ヒトEC細胞であるNCR-G3 細胞では、HMBA 処理によりケラチン18の発現は上昇する(図4)。HMBA処理前にもわずかに発現がみられるが、HMBA処理後3日で発現は著しく上昇し、処理後5日ではやや減少するものの処理前よりは発現の上昇がみられる。HMBA処理前後の細胞にライソレシチン処理およびマイクロコッカス・ヌクレアーゼ処理後、サザン・ブロット解析を行った。エチヂウム・ブロマイド染色では、ヒストンにパッケージされていないヒト・ゲノムDNAではヌクレオソーム処理によりラダーは全く見られないが、NCR-G3 細胞では分化誘導前後において明確なヌクレオゾーマル・ラダーがみられる(図5-A)。ケラチン18のプローブ I を用いたサザン・ブロット解析では、HMBA処理前後いずれでも図の脾臓で見られたようなヌクレオゾーマル・ラダーは明らかではない(図5-B)。プローブ II を用いても同様にスメアを認めた(図5-C)。わずかにバンドらしいものを認めるが裸のDNAを処理したレーンにもみられることより、わずかではあるがマイクロコッカス・ヌクレアーゼに塩基配列特異性(プリファレンス)があると考えられる。しかし、このヌクレアーゼの塩基配列特異性は軽微であり、結果の解釈に影響はない。これらのことよりNCR-G3 細胞ではケラチン18遺伝子上でヌクレオソームの位置が正確に決まっていないために、Hin c ?切断部位からのDNA断片の長さがバラバラになり、このようなスメアをひいたものと考えられる。

NCR-G3細胞はレチノイン酸処理により多分化能を有していることは既に報告されており、mRNA レベルならびに蛋白レベルでケラチン18の発現が上昇する。この発現誘導過程でケラチン18遺伝子上のヌクレオソームの位置を、HMBA処理の場合と同様にMNaseを用いて検討した。NCR-G3細胞がクロマチン構造を保ちながらマイクロコッカス・ヌクレアーゼ処理を受けたことはエチヂウム・ブロマイド染色による結果より判断できる(図6-A,C)。レチノイン酸処理により明らかなヌクレオゾーマル・パターンに変化は見られない。プローブ I ならびに II を用いたサザン・ブロット解析の結果は、HMBAによる結果と同様であった(図6-B,D)。即ち、レチノイン酸処理にかかわらずヌクレオゾーマル・ラダーはなく、ケラチン18遺伝子上でヌクレオソームの位置はphase していないといえる。

また、レチノイン酸処理したNCR-G3細胞のDNase?による消化も行った。エチヂウム・ブロマイド染色による結果をみると、マイクロコッカス・ヌクレアーゼのときのようなヌクレオゾーマル・ラダーはみられない(図7-A)。これはDNase?がマイクロコッカス・ヌクレアーゼのようにリンカー DNAを切断するのではなく、転写調節因子などの結合によりヌクレオソームの欠けた領域のDNAを切断するためである。プローブ I を用いたサザンブロット解析では、レチノイン酸処理後のNCR-G3細胞においてDHSによるバンドが検出された(図7-B)。このバンドはレチノイン酸処理前にはみられないので、レチノイン酸による分化誘導によってケラチン18遺伝子の転写調節領域におけるクロマチン構造が開いた状態になり、ケラチン 18の発現が上昇すると考えられる。

これまでに示したように、サザン・プロット解析では、ケラチン18遺伝子全体でヌクレオソームの位置が決まっているかどうかを大まかに決定することができる。しかしながら転写にとって本質的なエンハンサー、プロモーターのどの塩基配列上にヒストン・オクタマーが位置しているかを正確に決定するためにはサザン・ブロット解析では不十分なため、ligation-medaited PCR (LMPCR)法を用いて解析を行った。筆者は最も古典的な方法を用いて行ったが、転写調節領域における明確な見解を得ることはできなかった。

考察

近年、クロマチン構造を構成する蛋白質が数多く同定され、初期発生・細胞分化過程におけるクロマチン構造の制御が注目されている。これまでに、in vitro における転写調節因子ETSの認識配列への結合とヌクレオソームの関係が明らかにされ、転写調節領域におけるクロマチン構造の重要性が示されている(図 8)。このようなことから、筆者は初期ならびに後期発生の分化マーカーであるヒト・ケラチン18遺伝子の転写調節領域をモデルとして、in vivo におけるクロマチン構造の特徴と転写状態の機能的連関を発生過程で解析することを目的として研究を行った。

ヒト成人組織ではケラチン18遺伝子の転写調節領域上においてヌクレオソームの位置が正確に決定(phasing)されていた(図10-A)。ヒトケラチン18遺伝子の高い発現が認められる胃癌組織でも同様の結果であった。

しかしながら、ケラチン18遺伝子の転写に最も重要な領域についてはクロマチン構造を決定することはできていない。これまでにケラチン18遺伝子を導入したトランスジェニック・マウスの組織のクロマチン構造の報告がされている。ETS, AP-1認識配列を含むエンハンサー領域、プロモーター領域といった転写調節領域において、クロマチン構造とケラチン18の転写状態に相関が認められ、ケラチン18の発現していない脾臓においてはETS, AP-1認識配列上にヌクレオソームがのっており、ETS, AP-1が結合できないために転写が抑制され、ケラチン18の発現している肝臓、胃癌においてはETS, AP-1認識配列を含むエンハンサー領域はopenな(ヌクレオソームがない)状態になっており、ETS, AP-1が結合し転写が行われるというものである(図9)。このことを考えあわせると、ケラチン18遺伝子上で、脾臓ではETS, AP-1認識配列上にヌクレオソームがのった状態にヌクレオソームの位置が決まっており、肝臓、胃癌においてはETS, AP-1認識配列を含むエンハンサー領域はopenな(ヌクレオソームがない)状態で、他の領域でのヌクレオソームの位置が決まっていると考えられる。

一方、初期胚のモデルとなるEC細胞では分化前後でも、ヌクレオソームの位置は決定されていなかった。 DNase?を用いた実験の結果を考えあわせると、ケラチン18が発現しているNCR-G3細胞においては、転写調節領域でクロマチンはヌクレオソームを欠いた開いた構造を採っており、その他の領域ではヌクレオソームはあるがその位置は正確には決定されていないといえる。ヌクレオソームの位置が正確には決定されていない、phaseしていないというというのには、二つのモデルが考えられる。第一は、ある一つのDNAでみた場合にはヌクレオソームの位置は固定されているが、その位置はDNAごとに異なる(図10-B)。第二はDNA上でヌクレオソームの位置は決まっておらず揺らいでいる、ある範囲内で移動している(図10-C)、というものである。 NCR-G3細胞におけるHMBA, レチノイン酸による分化は、全ての細胞でケラチン18遺伝子を発現する方向で完全に分化している。つまり、ケラチン18遺伝子についてみる限りではどの細胞も均一であり、このことから少なくともケラチン18遺伝子上では、ヌクレオソームは固定されておらず揺らいでいる、という後者のクロマチン構造を採っていると考えられる。

本研究では、ヒトの発生、分化の初期と後期、特に組織とではクロマチン構造に違いがあることが明らかとなった。初期および後期発生の分化マーカーであるケラチン18遺伝子上で、肝臓、脾臓、胃癌といった成人組織では、ヌクレオソームの位置が決まっており(図10-A)、分化誘導前後どちらにおいてもEC 細胞では、ヌクレオソームの位置が決定されていない(図10-B,C)。つまり分化した組織ではphaseしており、未分化なEC細胞ではphaseしていない。HMBA、レチノイン酸といった分化誘導剤による分化は、ヌクレオソームの位置が決定されるほどの分化ではなく、初期胚から組織に至るまでの分化過程のうちの極々初期の分化であるといえる。

これらのことからケラチン18遺伝子の転写調節には、転写因子の存在に加えて発生過程でクロマチン構造が順次決定されていく過程が重要であると考えられる。また、初期胚のもつ多分化能には、多種の遺伝子の発現が必要であるが、このことと、クロマチン構造の柔軟性(ヌクレオソームの位置の揺らぎ)とには関係があると推測される。

今回実験を行う中で、トランスジェニック・マウスを用いた同様の実験から得られる結果からは予想できない曖昧さ、不明確さのようなものを多々感じた。このような曖昧さ、不明確さは、実はヒトだからこそなのではないかと考えている。 参考文献 1. Neznanov,N.S. and Oshima,R.G. (1993) Mol. Cell. Biol. 13,1815-1823 2. Wu,C. (1989) Methods in Enzymology 170,281-287 3. Wolffe,A.P. (1994) TIBS 19,240-244 4. Thorey,I.S.,Cecena,G.,Reynolds,W. and Oshima,R.G. (1992) Mol. Cell. Biol. 13,6742- 6751 5. Beneza,R.,Cantor,C.R. and Axel,R. (1986) Cell 44, 697-704