新入生の皆さん、この度は岐阜薬科大学ならびに大学院へのご入学、誠におめでとうございます。また、ご家族の皆様におかれましても、これまでのご支援と努力が実を結んだこの喜びの日に、心からお祝いを申し上げます。
本日ご臨席いただきました岐阜市長 柴橋正直様、岐阜市議会議長 黒田育宏様、岐阜大学学長 吉田和弘様、同窓会長 杉浦昭子様、後援会長 片桐重幸様をはじめとする多くのご来賓の皆様に、心より感謝申し上げます。
本学は1932年、昭和7年に岐阜市長 松尾国松様の「製薬業界発祥の地であるここ岐阜から、世界で活躍できる薬学人材を育成したい」との強い志のもと創立されました。その志に賛同し、薬学専門学校の建設費を寄付くださった渡辺甚吉様をはじめ、多くの方々の尽力により、岐阜市立岐阜薬学専門学校として設立されました。以来、本学は1万3千人を超える卒業生を送り出し、病院や薬局、製薬会社、行政機関、大学・研究機関など多様な分野で活躍する人材を輩出してきました。(参考:本学の沿革)
さらに、本学は国公立大学として初めて6年制課程を導入し、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース」の2つの専門分野を提供しています。「医療薬学コース」では、薬物療法の専門家として地域医療に貢献する薬剤師を、「創薬育薬コース」では、革新的な治療法を提供する研究者・技術者を養成しています。(参考:本学における薬学部薬学科教育 )
本学の本部キャンパスが所在する黒野エリアにはご臨席の吉田学長率いる岐阜大学の「医学」「獣医学」「工学」「農学」と本学の「薬学」が集い、全国屈指の学術研究拠点を形成しています。この連携により岐阜大学・名古屋大学との共同設立された「OneMedicineトランスレーショナルリサーチセンター」が創薬研究の中核拠点として機能しています。また、明日4月6日の東海環状自動車道岐阜インターチェンジの開通や、2028年に予定されているここ三田洞キャンパスから黒野キャンパスへの移転など、本学の環境整備も着実に進んでいます。
今年4月1日、本学は岐阜市公立大学法人岐阜薬科大学として新たな一歩を踏み出しました。公立大学法人としての柔軟な運営体制のもと、地域社会のニーズに応じた教育・研究を深化させ、地域発展への貢献をさらに強化してまいります。このような取り組みにより、黒野エリアは国内有数のライフサイエンス拠点として成長を遂げるでしょう。
皆さんがこれから学ぶ薬学は、人類の健康と福祉を支える重要な学問です。新型コロナウイルス感染症に象徴される感染症対策や、アルツハイマー病、がんなど未解明の疾患への治療薬の開発は、薬学の力なくして成し得ません。この使命を胸に熱意をもって学びに励んでいただきたいと願っております。
大学生活は、学問を追求するだけでなく、多様な活動や挑戦を通じて自己成長を図る貴重な時間です。積極的に新しいことに挑戦し、仲間との交流を深めながら自身の可能性を広げてください。未来への一歩を踏み出すための、充実した大学生活を送られることを心より願っております。
新しい日々の始まりに際して、皆さんの挑戦と成長を大いに期待し、その成功を祈念して、式辞といたします。
令和7年4月5日
岐阜薬科大学学長 原 英彰