令和5年度学位授与式

式辞

式辞全文(PDF

本日、晴れて博士、修士及び学士の学位を授与された皆さん、ご卒業おめでとうございます。ご家族の皆様にも心からお喜び申し上げます。

また、本日は公私とも大変ご多忙にもかかわらず、岐阜市長 柴橋正直様、岐阜市議会議長 石井浩二様、岐阜大学学長 吉田和弘様、同窓会長 杉浦昭子様、後援会長 村山弘様をはじめ、多くのご来賓の皆様方にご臨席を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

まず、本年1月1日に発生した「能登半島地震」により犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方、そのご家族及び関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして、被災地域の一日も早い復旧と復興を心よりお祈り申し上げます。本学の学生のうち約40名は、この地域出身ですが、被害の報告がなかったことに安堵しました。地震発生後直ちに岐阜県薬剤師会などの関係機関と連携し、1月7日には本学の移動薬局車両(モバイルファーマシー)と教員を石川県珠洲市に派遣しました。その後も継続して教員を派遣し、被災地での調剤活動などの医療支援を行ってまいりました。

(参考:モバイルファーマシー派遣に関するお知らせ

岐阜薬科大学は、本年度創立91周年を迎えました。1932年に本学の前身である岐阜薬学専門学校が創立されました。その間1万3千人以上の卒業生は、本学で学んだことを活かし、地域医療の重要な担い手である薬剤師として、また、各種治療薬の創薬研究や臨床開発など医薬品産業の担い手として、あるいは医療行政などにおいて多くの方々が活躍されています。私たちは、この伝統を堅持しつつ、未来に向けて発展していくことが期待されています。

新型コロナウイルス感染症は未だ終息しておりませんが、昨年あたりからウイズコロナの状況になりました。皆さんは大学で過ごした期間の内約3年間は感染拡大予防のために、授業、クラブ活動、友人や先輩との交流において多くの制限を受けてきました。色々と大変であった学生生活を努力と工夫で乗り越えてこられた皆さんと、本日このように晴れて学位授与式をお祝いできることを大変有難く、嬉しく思います。

新型コロナウイルス感染症パンデミックや戦争そして自然災害などの厳しい環境変化の中、医療と医薬品は私たちや私たちの大切な人の命を守ってくれています。皆さんは人類にとって重要な医療そして医薬品に関わり、多くの人々に貢献できる非常に価値のある仕事に就きます。人のためになる、人を幸せにできる仕事に就けることに誇りと自信と勇気を持って、社会に飛び込んで頂きたいと思います。

IT化が進み、知りたい情報はすぐにスマホなどから得られる時代になりました。しかし、情報に惑わされることなく自分なりの志を持ち、その実現のために自分の頭で考えて勉強し、自ら体験して、志を同じくする仲間を集めて、日本のため、さらには世界のために活躍してほしいと思います。自分の夢をもって前に進んでください。やりたいことは、迷わずに挑戦して下さい。挑戦せずに諦めることは楽ですが、一つだけ間違いないことは、勇気をもって一歩踏み出すことが夢を叶えるということです。

(参考:中外製薬 奥田修 社長との座談会 ~本学OBから在校生に伝えたいこと~東工大初の女性学院長 近藤科江先生との座談会 ~やりたいことをがむしゃらに ~

変化の激しい時代だからこそ、変わっていく必要があるものと変わらないで持ち続けていくものがあります。変わってはいけないものは、すべてに感謝する、正直に生きる、世の人のために生きることです。非常に当たり前のことですが、この3つを常に心がけて行動すれば、いつか必ずよい方向に動き出します。辛いときでも、苦しいときでも、感謝、正直、そして人のために行動することを忘れないでください。

最後に、皆さんをこれまで支えてくださったご家族、教職員の方々、先輩、友人、そして岐阜市立の大学として本学を支えて頂いている市民並びに市役所の方々に改めて感謝をしてください。そして、次世代は皆さんが作るのだという夢と希望をもって卒業してください。皆さんがこれから幾多の困難を乗り越えて、よい人間関係を築いて、楽しい、豊かな人生を送られることを祈念して、お祝いの言葉と致します。

本日は、ご卒業おめでとうございます。

令和6年3月16日

            岐阜薬科大学学長  原 英彰