コロナ禍における本学の現状と大学院社会人入学の勧め

岐阜県薬剤師会Twitter)会誌「薬友ぎふ」(2021年10月号、No. 602)より

楽市楽座(薬学教員のコーナー)No. 4として

岐阜県薬剤師会の会員の皆様方には日頃から本学学生の実務実習等を通じ、本学の教育・研究の推進に当たり多大なるご支援・ご協力を賜り有難く厚く御礼申し上げます。

本年4月に岐阜薬科大学学長を拝命しました原英彰です。私は本学出身(第31回卒)で18年前に民間企業から本学に赴任してきました(詳細は本学ホームページをご参照下さい)。今後とも本学発展のために、皆様方の多大なるご支援・ご指導を頂きますよう、何卒宜しくお願い致します

本学は、長い歴史と伝統を有する創薬等に携わる研究者の育成を堅持したうえで、6年制薬学部を基本に新しい薬学教育・研究体制を構築するため、全国19の薬学系の国公立大学に先駆け、2017年度入学生から4年制薬科学科を廃止し、すべて新6年制薬学部薬学科(定員120名)に移行しました。この新6年制薬学部薬学科においては、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース]の2つのコースを設け、「研究ができる薬剤師」、「薬剤師の資格を有した研究者」、いわゆる薬剤師研究者(Pharmacist-Scientist)を育成しております。本学では、すべての学生に薬剤師としての職能教育を行い、資格の取得をサポートするだけでなく、高度な専門知識を兼ね備え、薬学研究を推進できる人材の育成のための、質の高い、充実した基礎から臨床までの教育体制を誇っています。なお、2017度に入学した学生が、今年から実務実習で皆様方の薬局、病院で指導を受けておりますので、ご指導の程、宜しくお願い致します。これにより薬学科の定員は、一学年80名から120名に増加しましたので、皆様方にはこれまで以上にご負担等をお掛けするかと思いますが、何卒宜しくお願い致します。

コロナ禍における本学の現状

昨年度から続いている新型コロナウイルス感染拡大の影響は、社会経済だけでなく、本学の教育・研究の現場に大きな影響を及ぼしております。昨年の前期授業においてはオンラインを用いた遠隔授業による教育を中心に行い、後期授業ではオンラインと対面のハイブリッド授業を行うことで大きな問題もなく進めて参りました。今年度については、一学年を二つの教室に分け、片方の教室の学生には対面授業を、もう一方の教室の学生にはリアルタイムでの配信授業を行い、これを交互に入れ替えることにより教育・研究の質を損なうことなく対応しております。クラブ活動、各種対外行事等は、新型コロナウイルス感染拡大を危惧して現在禁止または中止しております。学生のためにも早く再開できることを願っているところであります。しかしながら、最近では強い感染力を持つ変異株が拡大しており、予断を許さない状況です。今後、教育現場におけるコミュニケーション方法や授業形式がウィズコロナの後、ポストコロナ時代でどのように変化するかを見極めつつ、新しい時代へ教育研究体制を適応させていくことが必要になってきます。

大学院社会人入学の勧め

本学は大学院博士課程及び博士前期・後期課程に進学する学生の支援体制を充実させています。現在、大学院博士課程(4年間)及び博士後期課程(3年間)の定員は、それぞれ1学年で各5名(計10名/年)です。ここ5年間で52名の学生が博士号を取得している中、その内約3割の17名は社会人大学院生です。毎年社会人4~5名の方が本学の大学院に入学して博士号を取得しておられます。その内訳は、薬剤師を業務としている方、製薬企業や行政機関で働いている方等です。ドライ研究と言われるメタアナリシス等の文献調査、アンケート調査、カルテ調査等のデータ収集・分析の研究を行って博士号を取得されています。一方、合成化学実験、動物実験、細胞実験、製剤・物性・物理学的実験等のウェット研究を行う方もおられます。薬剤師として日々働いておられる方で、本学大学院薬学研究科に社会人入学して博士(薬学)号を取得したいという希望をお持ちの方は、一度本学(事務局教務厚生課)に相談して下さい。お待ちしております。

岐阜県薬剤師会の会員の皆様方には、本学発展のため、また薬業界の発展のため、一層のご指導・ご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。