【2022版】原稿_6.pdf

本学の現状と目指す方向

岐阜薬科大学同窓会

東京東北支部会誌

鳳仙ジャーナル(2022年7月)より

岐阜薬科大学同窓会東京東北支部の会員の皆様方には益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。また、岩崎稔支部長のもと、同窓会活動を活発に進めていただいておりますことに対し心より敬意を表しますとともに、日頃から本学発展のために多大なご支援・ご指導を頂いておりますことに対しまして有難く厚く御礼申し上げます。

1)本学が育てたい人材

本学は6年制課程の大学であり、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース」の 2 つのコー スを有しております。「医療薬学コース」においては、「安全で確実な薬物療法を提供できる薬剤師」及び「地域や社会のニーズに向き合い、健康で質の高い社会を築くことに貢献できる薬剤師」の育成を目指しています。また、「創薬育薬コース」においては、薬剤師の資格を持って「医薬品の研究、開発の中核となる研究者や技術者」の育成を目指しています。そのために 3 回生後期からそれぞれのコースの研究室に配属し、早期から教育・研究を行っております。すなわち、本学では 、臨床に従事しながら研究ができる薬剤師、あるいは臨床の経験を生かして製薬企業などで研究者として活躍する薬剤師研究者など、応用力のある人材の養成を目標としています。

大学院においては、「いかに患者さん個々人の治療の向上に役立つ薬へと改良していくか、また、正しく薬を使うかを研究する“育薬”」と、「難病治療などに向け、世界に発信できる新薬を研究する“創薬”」という観点から、教育を進めております。いわゆる、専門薬剤師や創薬や生命科学研究のエキスパートの育成です。大学院を卒業することによって、薬学博士号を取得することになります。博士号を取得することは、その後の薬剤師、研究者や公務員などの人生において、非常に有益であり、かつ活躍の場も広がります。大学院への進学を推進するために、同窓会から大学院進学者に対して支給型資金として「成長支援助成金(一律 20 万円)」を、さらに今年度から年額36 万円(月額 3 万円)を支給することになりました。ただし、日本学術振興会特別研究員などに採択されていない学生対象になります。詳細は、本学の同窓会ホームページをご覧ください。

2) 他大学や企業との連携

本学は、「疾患の早期発見や安全で有効な個別化治療」 へと移行しつつある医療の社会的ニーズに応えるため、本部キャンパスに隣接している岐阜大学の医学部、応用生物科学部獣医学部及び工学部の教育・研究機関と連携して、「岐阜大学大学院連合創薬医療情報研究科」を開設し、高度な専門性と先見性、柔軟な発想を有する最先端な領域で活躍できる人材の育成にも努めております。また、名古屋大学医学部医学研究科、創薬科学研究科や名古屋市立大学、さらには中国浙江大学、フロリダ大学など多くの海外の大学とも学術協定を締結し、最先端の研究に取り組んでおります。しかし、ここ2年間はコロナ禍の影響でこれら海外の大学との交流は途絶えております。コロナが落ち着いてきたら、再開したいと熱望しています。それ以外にも、現在、民間企業出資による寄附講座及び創薬ベンチャーとの共同研究講座、併せて8講座を開設し、教育・研究を進めていま教育・研究を進めています。

3) 本学の研究力・教育力

本学は、朝日新聞出版『大学ランキング2022年版』の論文引用度指数ランキングで、全国国公立私立大学791校中本学が1位にランキングされました(参考)。これは教員の生産性を示すもので、教員一人当たりの年間の主著論文、いわゆる論文の最初に名前が出る方(論文作成に主に携わった方)の論文数が本学は全国でトップということです。また文部科学省が交付する科学研究費助成金(科研費)という国からの競争的研究費の新規採択率が国公立私立大学791校中で6位、科研費や外部資金の受け入れ金額も全国でそれぞれ22位及び27位でした。さらに令和3年度の薬剤師国家試験の本学新卒者の合格率は、96.1%であり全国国公私立公84校中で第4位の成績でした(参考)。このように、本学の研究力及び教育力トップクラスであります。この研究力及び教育力を維持できるようにしたいと思います。

4) さいごに

本学は、教育・研究・社会活動の充実・強化を図るという大学の社会的使命を積極的に果たすことが期待されている一方、キャンパス整備・統合、法人化、産学官連携の強化・ライフサイエンス拠点の整備等多くの課題が山積しております。今後とも、こうした社会環境の動きを的確に捉え、課題解決に向けた様々な取組をするとともに、高度な研究に裏付けられて教育のできる大学として、また伝統的に培われた育薬・創薬に関する教育・研究の成果を世界に発信できる大学として、教職員一丸となって取り組んでまいります。東京東北支部の皆様方には引き続き、本学発展のため、一層のご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げまして、挨拶とさせて頂きます。