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千字万感

次世代を切り拓く強い大学に向けて

中部経済連合会 機関紙「中経連」2022年9・10月号より)

本学は岐阜市において、昭和7年(1932年)に岐阜薬学専門学校として創立され、その後、昭和24年(1949年)の学制改革を踏まえ岐阜薬科大学として新たに発足し、全国唯一の薬学系公立単科大学として日本の創薬科学研究並びに医療の発展に多大な貢献を果たしてきました 。開校以来90年に及ぶ歴史の中で、建学の精神である「強く、正しく、明朗に」をモットーに高邁な人格形成と、「グリーンファーマシー」(ヒトと環境にやさしい薬学、安全・安心を提供できる薬学)を基本理念とした薬学教育を通じ、ヒトの健康と福祉に貢献できる人材の育成に努め、1万3千人以上の卒業生を輩出してきました。また、研究においても「伝統の中からこそ真の改革的教育・研究が生まれる」との信念のもと、情熱的で優れた教員により自由闊達な研究と、育薬と創薬に特化した研究を進め、世界的に高い評価を得ております。

社会並びに大学を取り巻く環境は激変しております。具体的には、社会的な変化として、超少子高齢化社会及びSociety5.0の社会の到来、SDGsの推進、ダイバーシティの尊重等があり、最近では新型コロナウイルスのまん延、ロシアによるウクライナ侵攻、急激な円安、物価高騰等があります。このような状況下、薬剤師に求められる役割も変わってきました。例えば、在宅医療も含めた最適な薬物療法の提供に加え、セルフメディケーションの推進、地域包括ケアの推進等が求められるようになってきました。

日本には約3万8千社(2022年3月時点、出典:朝日新聞デジタル)の創業以来100年以上継続している企業があり、その企業には共通している特徴があると言われています。

  1. 常識に捉われない革新的なことをしている

  2. 社員を大切にしている

  3. 業界内だけではなく地域へも貢献している

の3つです。これは社員を学生に変えれば、そのまま大学にも当てはめることが出来ます。本学は10年後に設立100年目を迎えます。そのためにも今後とも現状に甘んじることなく常に変化を恐れず改革に取り組み、社会に貢献できる学生を輩出し、さらに産学官連携強化による地域貢献ができる大学を目指したいと思います。

中経連の皆様方には、これからも何かとお世話になることが多いと思います。引き続き、ご支援、ご指導を賜りますよう心からお願い申し上げます。