令和5年度入学式 式辞

新入生の皆さん、大学院並びに大学への入学、誠におめでとうございます。ここ3年ほど続いているコロナ禍で色々な制約がある中、皆さんは幾多の苦労を重ねて、勉学に励まれ、その成果が現れ本学に入学されました。心よりお祝いを申し上げます。ご家族の皆様にも心からお慶びを申し上げます。

又、本日は公私とも大変ご多忙にも拘わらず岐阜市長 柴橋正直様、岐阜市議会副議長 石川宗一郎様、岐阜大学学長 吉田和弘様、同窓会長 杉浦昭子様、後援会長 村山弘様 はじめ多くのご来賓の皆様方にご臨席を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

本学は6年制課程の大学であり、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース」の2つのコースを有しております。「医療薬学コース」においては、「安全で確実な薬物療法を提供できる薬剤師」及び「地域や社会のニーズに向き合い、健康で質の高い社会を築くことに貢献できる薬剤師」の育成を目指しています。また、「創薬育薬コース」においては、薬剤師の資格を持って「医薬品の研究、開発の中核となる研究者や技術者」の育成を目指しています。そのために3回生後期からそれぞれのコースの研究室に配属し、早期から教育・研究を行っております。すなわち、本学では、臨床に従事しながら研究ができる薬剤師、あるいは臨床の経験を生かして製薬企業などで研究者として活躍する薬剤師研究者など、応用力のある人材の養成を目標としています。従いまして、皆さんは薬剤師国家試験に合格して薬剤師免許を取得することは当然であり、その上で在学中にしっかりと研究力を身に付けて頂くことを期待しています。

大学院においては、専門薬剤師や創薬や生命科学研究のエキスパートの育成を行っています。大学院を卒業することによって、薬学博士号を取得することになります。博士号を取得することは、その後の薬剤師、研究者や公務員などの人生において、非常に有益であり、かつ活躍の場も広がります。昨年度は、15名に博士号を授与しています(令和4年度学位授与式 )。博士課程への進学を推進するために、本学では色々な金銭的なサポート体制などを構築しています。学部入学生の皆さん、薬剤師研究者として更なる磨きをかけるためにも、大学院進学も視野に入れて学生生活を送って頂きたいと思います。

(参考:キャリアガイダンス@岐薬

朝日新聞出版『大学ランキング2023年版』の論文引用度指数ランキングで、全国国公立私立大学約800校中本学が東京工業大学の次の2位にランキングされました。これは教員の生産性を示すもので、教員一人当たりの年間の主著論文、いわゆる論文の最初に名前が出る方(論文作成に主に携わった方)の論文数が本学は全国で2位ということです。過去4年間でも1位か2位を維持しています。さらに、有名医薬品企業への実就職率は、全国で1位です。このように、本学の研究力・就職力はトップクラスであります。

(参考:数字が示す岐阜薬科大学の研究力・実践力

本学本部キャンパスが位置する黒野エリアは、岐阜大学の「医学」、「獣医学」、「工学」、「農学」、岐阜薬科大学の「薬学」がいわゆるワンキャンパスに集う全国屈指の学術研究拠点になります。その実現に向け、2023年には、名古屋大学、岐阜大学の東海国立大学機構と本学は、「One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター」を設立しました。2024年には本学の北側の新たな玄関口となる東海環状自動車道(仮称)岐阜インターチェンジが開通予定です。さらに2028年には、本学の新キャンパスも整備・完成する予定です。今後、本学と岐阜大学の周辺を含む岐阜市黒野エリアでは、関連する研究機関や企業の研究施設等の誘致を進めていきたいと考えており、国内でも屈指の産官学が連携した学術研究拠点が形成することで、岐阜市が目指す「健幸学術都市」として地域の発展に大きく貢献できるものと期待しています。さらに、本学は名古屋大学を主幹校とする東海地区の20大学が参加するTongaliプラットフォームにも参画し、起業家マインドを育てるアントレプレナーシップ教育の推進を行うと共に、スタートアップの支援、ベンチャー企業との連携にもさらに力を入れていきます。

(参考:アントレプレナーシップ教育

皆さんがこれから学ぶ薬学は、新型コロナウイルス感染症、アルツハイマー病やガンなどまだ十分な治療薬がない病気の機序を解明することによって、それぞれの治療薬を開発することが出来、人類の生活や生命に大きく貢献できる学問分野です。皆さんは、今からこのような人類にとって大切な学問を学んでいくのだという「気概と期待」とそして「」を持って、これから本学で薬学を学ぶために学生生活を送って頂きたいと思います。

大学は、皆さんの人生にとって非常に大切な時期です。そこで得る知識や経験は、将来の人生に大きく影響するため、積極的に学びに取り組むことが必要です。しかし、単に学問の知識を付ければよいのではなく、自分で考え、自分で考えたことを行動に移すことによって、より深い理解や実践力を身に付けることが大切です。学内のクラブへの入部や様々な大学内外のイベントや活動に積極的に参加して、新しい友達や仲間と出会うことによって、自分を成長させることができます。新しいことに挑戦して、自分の才能を見出し、自分を理解し、そして自分を高めていくことが大切です。

最後に、時間は瞬く間に過ぎ去ります。大学生活を楽しみつつ、自分自身を磨くことができる大学生活を過ごしてください。学びや出会い、経験をたくさん積んで、卒業後も自分自身が成長し続けられるよう頑張ってください。今後の皆さんの学生生活が楽しく、充実したものになるよう祈念して、入学式の式辞と致します。

令和5年4月8日

岐阜薬科大学

学長 原 英彰