令和6年度入学式 式辞

新入生の皆さん、大学院並びに大学への入学、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。ご家族の皆様にも心からお慶びを申し上げます。

又、本日は公私とも大変ご多忙にも拘わらず岐阜市長 柴橋正直様、岐阜市議会議長 石井浩二様、岐阜大学学長 吉田和弘様、同窓会長 杉浦昭子様、後援会長 村山弘様 はじめ多くのご来賓の皆様方にご臨席を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

岐阜薬科大学は岐阜市において1932年(昭和7年)に岐阜薬学専門学校として創立されて以来、今年度で92周年を迎えます。

(参考:本学の沿革

本学は6年制課程の大学であり、「医療薬学コース」と「創薬育薬コース」の2つのコースを有しております。「医療薬学コース」においては、「安全で確実な薬物療法を提供できる薬剤師」及び「地域や社会のニーズに向き合い、健康で質の高い社会を築くことに貢献できる薬剤師」の育成を目指しています。また、「創薬育薬コース」は、薬剤師の資格を持って「医薬品の研究、開発の中核となる研究者や技術者」の育成を目指しています。すなわち、本学では、臨床に従事しながら研究ができる薬剤師、あるいは臨床の経験を生かして製薬企業などで研究者として活躍する薬剤師研究者など、応用力のある人材の養成を目標としています。従いまして、皆さんは薬剤師国家試験に合格して薬剤師免許を取得することは当然であり、その上で在学中にしっかりと研究力を身に付けて頂くことを期待しています。

昨今の異常気象により、国内では毎年のように水害や土砂災害が発生しております。また、本年1月1日には能登半島地震がおこり、甚大な被害が発生しました。犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方、そのご家族及び関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。新入生の皆さんの中にも、大変な思いをされた方もおられるかと思います。人間が生きていく中でライフラインや食料は欠かすことのできないものですが、薬も非常に重要なものです。本学は地震発生後、直ちに移動薬局車両モバイルファーマシーを珠洲市に派遣し、その後も継続して本学の実務経験のある教員を派遣しました。このように、本学は災害医療や僻地医療にも力をいれております。

(参考:モバイルファーマシー派遣のお知らせ

本学本部キャンパスが位置する黒野エリアは、吉田学長率いる岐阜大学の「医学」、「獣医学」、「工学」、「農学」、と本学の「薬学」がいわゆるワンキャンパスに集う全国屈指の学術研究拠点の形成が期待される地域です。その期待に応えるべく創薬研究の推進に向け、2023年1月に、岐阜大学・名古屋大学の東海国立大学機構と本学は、「One Medicineトランスレーショナルリサーチセンター」を設立しました。こうした中、本年度には本学の北側東海環状自動車道(仮称)岐阜インターチェンジが開通予定です。さらに2028年度末には、本学の新キャンパスも整備・完成する予定であり、今後、本学と岐阜大学の周辺を含む岐阜市黒野エリアは、関連する研究機関や企業の研究施設等の誘致み、国内でも屈指の産官学が連携したライフサイエンス拠点が形成されることで、「健幸学術都市ぎふ」として地域の魅力が全国に発信され、岐阜市全体の発展に大きく貢献できるものと考えています。さらに、本学は起業家マインドを育てるアントレプレナーシップ教育の推進を行うと共に、スタートアップの支援、ベンチャー企業との連携やベンチャーの立ち上げに力を入れていきます。

(参考:アントレプレナーシップ教育

皆さんがこれから学ぶ薬学は、新型コロナウイルス感染症などの感染症、アルツハイマー病の治療薬やがんに対する治療薬などまだ治療薬がない病気の機序を解明することによって、新たな治療薬を開発することが出来、人類の生活や生命に大きく貢献できる学問分野です。皆さんは、今からこのような人類にとって大切な学問を学んでいくのだという「気概と期待」とそして「」を持って、これから本学で薬学を学ぶために学生生活を送って頂きたいと思います。

大学時代は、皆さんの人生にとって非常に大切な時期です。そこで得る知識や経験は、将来の人生に大きく影響するため、積極的に学びに取り組むことが必要です。しかし、単に学問の知識を付ければよいのではなく、自分で考え、自分で考えたことを行動に移すことによって、より深い理解や実践力を身に付けることが重要となります。学内のクラブへの入部や様々な大学内外のイベントや活動に積極的に参加して、新しい友達や仲間と出会うことによって、自分を成長させることができます。新しいことに挑戦して、自分の才能を見出し、自分を理解し、そして自分を高めていくことが大切です。

 最後に、時間は瞬く間に過ぎ去ります。大学での生活を楽しみつつ、自分自身を磨くことができる貴重な時間を大切に過ごしてください。学びや出会い、経験をたくさん積んで、卒業後も自分自身が成長し続けられるよう頑張ってください。今後の皆さんの学生生活が楽しく、充実したものになるよう祈念して、入学式の式辞と致します。

令和6年4月8日

岐阜薬科大学

学長 原 英彰