中外製薬 奥田修 社長との座談会

~本学OBから在校生に伝えたいこと~

中外製薬株式会社 代表取締役社長 奥田 修 先生(岐阜薬科大学 第35回卒業)の特別講演会が本学で開催されました。この講演会に先立ち、奥田社長と原学長で「本学OBから在校生に伝えたいこと」と題して座談会が実施されました。


参加者:

学長:本日は中外製薬の奥田社長をお迎えしました。この機会に、本学卒業生である奥田社長から本学の在学生に対してメッセージをいただければと思います。

奥田社長:学生なので、まずは薬学の勉強をしっかりとしてほしいです。学生の間に基礎学力を磨くことが一番大切だと思います。また、自分の専門分野を磨くと同時に、それ以外のことにもできるだけ興味を持ってほしいですね。

学長:それ以外のこととは具体的には何でしょうか?

奥田社長:一つの軸としては、日本以外の海外のことですね。アメリカ、中国、ヨーロッパなどで何が起きているのかに興味を持つことが重要です。もう一つは、学問的に専門外の内容についてです。

学長:薬学以外の分野ということですね?

奥田社長:薬学自体が応用的な広い分野のため難しいかもしれませんが、学生時代は薬学に関して集中的に、専門外のことも少し勉強して、会社に入ってからは、専門外の分野への興味をより膨らませていくのが良いと思います。

学長:最近は会社でもいろいろな分野の方がいますね。

奥田社長:薬学以外の方も多いです。一緒に仕事をすると新しいものが生まれていきます。

学長:なるほど。他にも何か伝えたいメッセージはありますか。

奥田社長:先程の話で、外に興味を持つことも大事ですが、自分でしっかり考えること、自分で行動を起こすことが重要です。ときに、流れに流されて思い通りにいかないことあると思いますが、自分の理想を実現するための根幹にあるのは自分で考えることだと思います。

学長:理想を達成するための目標設定などはされていたでしょうか。

奥田社長:私自身は学生時代に実は明確な目標を持っていなかったのですが、高い目標を持ったほうが良いと思います。そうするといろいろなことに興味を持てるようになり、自分の糧になっていくと思います。

学長:奥田社長は、学部生のときに留学されたそうですが、なぜその時期に留学しようと思ったのです?

奥田社長:研究室に配属された後は大学院に行くか就職するか、流れが決まっていそうと感じました。その前に自由にやれることはないかと考えた時に、アメリカについてほとんど知らず、強い興味を持ちました。

学長:帰ってきてからの研究室生活はどうでしたか?

奥田社長:研究室では1年過ごした後、就職しました。いくつかの会社を候補として考えたのですが、国際開発職として働くことができそうな中外製薬を選びました。

学長:仕事はやらされるのではなく、自ら進んで行うことが大切ですね。また、できるだけ仕事を楽しめるように努力することも大切かと思います。

奥田社長:仕事は辛いと思ったらだめですね。楽しいのは自分で仕事を動かしているときです。やらされていると、楽しくないです。自分で考えて行動するのは楽しいですよね。

学長:本日は、学生にとって今後の勉学の励みとなるメッセージをいただきありがとうございました。