C1 教科学習支援
C1-1
アプリを使ったひらがな学習支援
部・学年
小学部5年
障がい種
知的障がい ダウン症
指導場面
個別学習
活動内容
ひらがなの学習
使用機器類等
iPad、アプリ「ひらがなめっちゃわかるもん」
具体的な活用の様子
発語に不明瞭さがあり聞き取りにくいため、相手に伝わらないことがある。
文字と音が一致していない。
平仮名を書く場面では、自信がなく教師に一文字ずつ確認しながら進めている。
個別学習の時間にアプリを使って、文字の形と音を一致させる学習を行った。
「ひらがなめちゃわかるもん」のアプリ内でデッキ編成を行い、一音一語の事物名称語から学習を始め、身近なクラスメイトや担任の名前の学習を行った。
取り組みの成果
iPadを活用するまでは、担任が聞き取りにくい場合に聞き返したり、曖昧な返答をしたりしていた。個別学習で「ひらがなめちゃわかるもん」を活用した学習を進めていくと、ひらがなの音と形が一致するようになった。
絵を見て自分でその絵の名称を発音するようになった。発音した文字を一字ずつ探したり、プリント学習ではクラスメイトの名前や担任の名前の文字を想起して書いたりした。
iPadでの学習は、短時間でも毎日行うことができ、自分でiPadを用意して一人で取り組めるスキルが身についた。
実際の写真
C1-2
アプリを使った振り返りシート作成
部・学年
高等部1年
障がい種
知的障がい
指導場面
作業学習
活動内容
iPadアプリ「Keynote」を使って、学習の振り返りを行う
使用機器類等
iPad、アプリ「Keynote」
具体的な活用の様子
作業学習振り返りファイルに、今日行った学習を紙に鉛筆で記入していた。記入時間の5分間で、毎回同じような内容、「がんばりました」を記入していた。そこで、iPadの「keynote」で振り返りシートを用意し、「keynote」で振り返りができるようにした。
振り返りの時間の前に今日の作業学習でどの工程を頑張ったのか教師が尋ね、口頭で答える時間を設けた。
「keynote」の基本的な操作(写真を撮る、文字を入力する、図形を動かす)を教師と一緒に確認して入力を行った。作業の様子は写真、または動画で記録を残せるように「keynote」に写真・動画の欄を作り、そこに入れるようにした。
取り組みの成果
振り返り用紙を紙で記入していたときは「底板をがんばりました。」と10文字程度の記入だった文字数が40文字程度記入できるようになった。
振り返りシートに写真を入れる為に、制作している製品の写真を自分で撮れるようになった。
写真や動画を振り返りシートに入れることで、製品がどのような工程で制作されたのか過程が見てわかるようになった。
どのように作業学習を行っているのかこれまで学級担任が知らなかったのが、動画や写真を通してわかるようになった。
実際の写真
C1-3
プレゼンテーションアプリを使った発表
部・学年
中学部全学年
障がい種
聴覚障がい
指導場面
音楽
活動内容
好きな曲の歌詞についてプレゼンテーションを作成して発表する
使用機器類等
iPad、アプリ「Keynote」、電子黒板
具体的な活用の様子
生徒の様子は、①聞こえにくさがある ②人前で発表することに苦手意識がある ③自分の思いを言葉で表現する学習を日々行っている。
各自のiPadで、紹介したい曲や画像を検索した。
その曲の歌詞の中から気に入っているところを選び、アプリ「Keynote」でスライド3~5枚ほどにまとめた。
個々に作成したプレゼンテーションを電子黒板にミラーリング提示しながら発表した。
取り組みの成果
生徒の様子①②の側面に対して
iPadで作った作品を電子黒板にミラーリングして発表した。文字と画像により、発表者は伝えやすく、発表を聞いている生徒も理解しやすかった。人前で発表することに苦手意識がありそれまでは聞くばかりであった生徒が、今回の題材や発表方法により他の生徒の前で発表をすることができた。
生徒の様子③の側面に対して
生徒自身が「どんな言葉にすると伝わるかな」「この言葉は目立つように斜めに入れてみよう」などと言葉を選んだり表現の工夫をしたりすることができた。
制作に意欲が持ちにくい生徒が、画像の取り込みが簡単にできることや文字を何度も修正できることなどから、活動への抵抗が少なく積極的に取り組めた。
職員は、選んだ歌詞を大事に思う生徒の気持ちを聞き、表現に困っているときには気持ちに合いそうな言葉をいくつか提示してぴったりするものを一緒に考えた。『音楽の授業で』『ICT機器を使用した』場合であっても、言語指導ができることや生徒理解の機会となりうることがわかった。
実際の写真
C1-4
Google Classroomを用いた教科学習
部・学年
高等部2年
障がい種
肢体不自由
指導場面
教科学習(国語、社会)
活動内容
Google Classroomを使って協働学習を進める
使用機器類等
iPad、surface、アプリ「Google Classroom」「Googleドキュメント」等
具体的な活用の様子
高等部2年には、高等部学習指導要領に準じた教育課程で学んでいる生徒が4人いる。その中で、センターから通学する生徒が2名(センター生)、自宅から通学している生徒が2名(通学生)いる。現在、新型コロナウイルス感染症のため、通学区分によって教室を分けなければならない。また、通学生は保護者の都合により登校できないことがある。そこで、遠隔でもスムーズな授業を行うため、ZOOMを使い、授業を配信、板書やプリントはGoogle Classroomを使って共有、共同作業でファイルを作っていく方法を模索する必要が生じた。
取り組みの成果
元々iPadを活用していた生徒はiPadにワイヤレスのキーボードとマウスを接続したことで、入力にかかる時間が短くなった。
モニターに教師の画面を映し出し、教師も同じファイルを同時に編集することで板書とした。教師が共同編集することで、板書と同じ物が生徒の手元の端末で見ることができるので、視線の移動に困難を抱える生徒は視線の移動が少なくなり「見やすくなった」という感想があがった。
国語の授業ではドキュメントを中心に利用した。共有方法などを授業で使っていたことでドキュメントだけでなく、スライドやジャムボード等Google Classroomを中心に利用の幅が広がった。また、教科グループだけでなく、下学年のグループでもジャムボードでのブレインストーミングやスプレッドシートを使った販売活動の集約等利用が広がった。
実際の写真