A2 遠隔コミュニケーション支援
A2-1
遠隔操作ロボットを使ったコミュニケーション
部・学年
小学部5年
障がい種
自閉スペクトラム症 ADHD 適応障がい
指導場面
原籍校で保健室からの授業参加及び授業後の級友との交流
活動内容
保健室から分身ロボットOriHimeとiPadを使って、授業に参加する
使用機器類等
OriHime、iPad(OriHime用、遠隔操作用)
具体的な活用の様子
教室での学習に抵抗感が強いため、分身ロボットOriHimeを使って授業に参加することとした。本人は保健室から授業に参加した。
授業中では、OriHimeを通して声を出すことにも抵抗感があったため、ジェスチャーでのコミュニケーションとなった。授業後の休み時間には教室の級友とOriHimeを通してジェスチャーでのコミュニケーションをとった。
級友がOriHimeの操作に興味をもったため、3人の級友が本生のいる保健室に行き、一緒にOriHimeを操作して遊ぶ様子も見られた。
取り組みの成果
OriHimeを使った授業参加を2回行った。そのことがきっかけで、定期的に休み時間に、級友と一緒に過ごす姿が見られた。その際にはOriHimeなどのICT機器がなくても級友と対面で関わる姿が見られ、学校職員の付き添いのもと、休み時間に9回登校することができた。
実際の写真
A2-2
遠隔操作ロボットを使った交流学習
部・学年
高等部1〜3年
障がい種
知的障がい 等
指導場面
交流学習
活動内容
近隣高等学校とのOriHimeを使った文化祭リモート交流
使用機器等
iPad、OriHime、アプリ「ZOOM」「OriHimeBizコントローラー」
具体的な活用の様子
最初は教室内でOriHimeを体験した。2手に分かれて、話したりリアクションしたりした。コントローラーアプリの操作が簡単だったので、接続してあれば大きなタイムラグなく返事をしたりリアクションしたりできた。集音マイクも小さいながらも周りの複数の友だちの声を聞くことができ、生徒たちも、「ざわざわ感あるね〜」 などと、人々の中にいる様子が音を通して伝わってくることを口々に話していた。
実際の交流と同じ時刻、同じ場所でのリハーサルを2回の計画で行う。
1回目;本校生徒会長が自宅からOriHimeを操作する。また、担任が自宅からZOOMの接続を試みる、という内容。
2回目;OriHimeからの見え方に配慮した文化祭の見学計画をたてる。文化祭では、ZOOMとOriHimeで交流。すれ違う高校生から声をかけられたり、賑わっている様子や高校ならではの催し物、展示を見たりして、どんどん質問や会話が生まれ、盛り上がった。保護者からも好評であった。
取り組みの成果
様々な学級でOriHimeを体験してもらった。操作に慣れることはもちろんだが、生徒の様子や発言から、OriHimeがいることでどのような効果があるのかを見ることができた。
リモートや遠隔操作のリハーサルの重要さを改めて感じた。またオンラインでの交流にかかわって複数の手段を予備的に用意しておくこと、経験しておくことも必要であると思った。今回も、同じ県立学校であるのでclassroomへの変更でもよかったのだが、一般的にはZOOMやTeamsが使われていることを考えると、classroom以外の経験を卒業前にする必要があると思った。
コロナ禍で「工夫すればまた違った活動ができる」「コロナ禍だからこそ、普段では考えもつかないことができる」ということを職員生徒ともに経験できた。更に、高校生にとって、特別支援学校の生徒がロボットを自宅から1人で操作している姿や交わした会話を見たことによって、障がい理解、他者理解の一つの機会となった。
実際の写真