B3 時間支援
B3-1
スケジュールアプリを用いた活動支援
部・学年
小学部5年
障がい種
知的障がい ダウン症
指導場面
日常生活の指導
活動内容
iPadアプリ「DropTap」のスケジュール機能を使って身支度を行う
使用機器類等
iPad、アプリ「DropTap」
具体的な活用の様子
朝の準備をする際に、水筒や給食セット、連絡帳などを所定の場所に自分で持っていき、フックにかけたりかごの中に置いたりする。着替えは、教師が声をかけると裏返った服を直したり、畳んだりしている。教師の介入をできる限り少なくし、より自立度を高めるために、紙ベースの手順表を用意した。紙の手順表を確認しながら、着替えの入ったかごを用意して着替えに取り掛かれるようになってきたが、準備の途中で他のことが気になる時がある。その場合には、教師が声をかけると再び着替えに取り掛かる。
教師の声がけに代わる音声ガイダンスのあるDropTapを活用した。
DropTapのスケジュール機能を使い、自分でタップすると次にやることの音声が流れたり、終わったことをタップして確認ができたりするようにした。朝と帰りの準備のスケジュールの最後には本児が好きな活動を入れた。
取り組みの成果
DropTapを活用することで、視覚と聴覚の両方で一つずつ手順を確認することができることや最後のお楽しみの活動を入れたことで、他のことに気が逸れずに準備をする姿が増えた。また、取り組み始めてから一カ月が経過する頃には教師の声がけが二回から三回までの回数で、準備から着替えまでを行うことができる日が増えてきた。二カ月目には、週五日間の中で三日は教師の声がけなしで準備から着替えまでを一人で行う姿が見られるようになった。
DropTapを活用する以前は、タオルと水筒をランドセルに入れ忘れてしまうことが頻繁にあったが、現在はスケジュールの手順通りに準備を行っているため入れ忘れがなくなった。また、入れた荷物とイラストを確認してからスケジュール表をタップし、次の荷物を取りに行くようになった。
実際の写真
B3-2
スライドアプリを用いた活動支援
部・学年
小学部1年
障がい種
自閉スペクトラム症
指導場面
給食後の歯みがき
活動内容
自分だけで歯みがきする
使用機器類等
iPad、アプリ「PowerPoint」「ショートカット」
具体的な活用の様子
対象児童は、着替えや歯みがきを自分でする力を持っているが、見守りや声かけがないと次の動作に移ることが難しい。
児童はiPad自体に興味関心があり、iPadを使うのを楽しみにしている様子であった。学校でのiPad使用についてどう導入していくのがよいか担任等と検討し、歯みがきの支援で使用してみることにした。
PCでスライドを作成。「特別支援教育のためのプレゼン教材サイト」の「棒タイマー」というパーツを利用した。アプリ「ショートカット」を使い、ホーム画面にショートカットを作成し、1タップでスライドが再生するようにした。
取り組みの成果
まず「教師が操作するのを一緒に見る」ことから始め、慣れてきたところで「教師がタップして」進める、次は「教師と一緒にタップ」し、教師が見守る前で自分でタップし、最後は「自分だけでタップ」するようになった。
取り組み前は、声掛けがないとなかなか歯みがきが進まず、タイムタイマーで時間設定をすると、間に合わなかった場合には不安定になることがあった。タブレット導入後は、1週間で「自分だけでタップ」の段階になった。
歯みがきをスムーズに行えるようになったことで、昼休みの活動の時間が増え、プレイルームで友達と一緒に遊んだり、好きな本を読んだりして安定して過ごせるようになった。
実際の写真
B3-3
タスクアプリを使った活動支援
部・学年
小学部1年
障がい種
自閉スペクトラム症
指導場面
朝と帰りの着替え
活動内容
登校後と下校前に自分から着替えに取り組む
使用機器類等
iPad、アプリ「やることカード」
具体的な活用の様子
着替えや歯みがきを自分でする力を持っているが、声掛けをしないと次の行動に進んでいかない。
A生の着替えの様子(順番、時間等)を観察し、担任等と支援内容について検討した。アプリ「やることカード」で、本人の着替えの様子に合わせてカードを作成した。
この取り組みの前に、給食後の歯みがきでアプリ(パワーポイント)を使用していたので、iPadの扱いは慣れていた。
めくると恐竜が出てくるアナログの手順表を使用していたので、1つできたらタップして次の行動へ移るという流れをすぐに理解した。
取り組みの成果
取り組み前は、声掛けがないと着替えに15分以上、長い時は20分もかかっていたが、iPadのアプリを使用すると、声掛けをしなくても10分ほどで着替えることができるようになった。
導入当初、アプリ操作や画面に興味を持ち、楽しんで取り組んでいたが、だんだんと飽きてきたようで、1つの行動から次に移る時間が少しかかるようになってきた。
タイマーを使い「時間内に着替えをしてシールが貼れたら、好きな本が読める」という流れにし、アプリ内の手順を追加修正したところ、終わりの活動までほぼ自力でするようになった。
実際の写真