B1-1
デジタル教科書やiPadの機能を活用した教科学習
部・学年
高等部普通科1年
障がい種
視覚障がい(弱視)
指導場面
教科学習(保健)
活動内容
UDブラウザを使用したノートテイク、及びGoogle formを活用した課題等への取組
使用機器類等
iPad、アプリ「「UDブラウザ」、Google form
具体的な活用の様子
教科学習の際には、拡大教科書を利用して学習している。テスト勉強やまとめの確認問題等に取り組む場面では、拡大教科書を複数冊用意して進める必要がある。
「UDブラウザ」Appを使用してページの検索をしたり、メモしておきたい事項をアプリ内に残したりすることで、iPadで教科書と筆記用具を兼ねた使用を目指した。
Google クラスルームを使用して学習しているため、Google form形式で課題や小テストなどを提示して蓄積している。
iPad上で教科書と課題を見比べながら取り組めるように、2画面を同時に表示できるスプリットビューを使用する。
取り組みの成果
拡大教科書を使用している生徒が、iPadの「UDブラウザ」Appを使用することで、自身の見え方に応じた文字サイズで教科書を閲覧できるようになった。
iPadが教科書と筆記用具の役割を担うことで、拡大教科書から情報を得るよりも早く検索できたり、メモしたいことをキーボードで入力することで見直しやすいノートテイクができたりした。
スプリットビューは、他の教科でも応用ができ、iPadでの調べ学習やまとめ学習の場面で効率的に作業が進められるようになった。
スプリットビューなどの便利な機能を使用することで自身の学習に役立つことを実感し、iPadの機能について設定変更等について積極的に試す姿が見られた。
実際の写真
B1-2
【NEW!】VRゴーグルを使ったリフト乗りの疑似体験
部・学年
中学部2年
障がい種
知的障がい ダウン症候群
指導場面
宿泊行事の事前学習
活動内容
宿泊学習の選択活動の一つとして計画されている「リフト乗り」について、リフト搭乗経験がなく活動へのイメージをもちづらい生徒に、360°動画の視聴を通して情報提供を行うため、VRゴーグルを使用する。
VRゴーグルを使って「リフト乗り」の疑似体験をすることを通し、宿泊行事における活動の選択を行う。
使用機器類等
VRゴーグル iPad(ミラーリング用) プロジェクター
具体的な活用の様子
一人一人が順番にVRゴーグルを付け、リフト搭乗時の360°動画を視聴した。対象生は、初めての体験ということもあってか、映像に対して何か反応をする姿は見られなかった。
その後、リフト乗りに関するより詳細な情報を伝えるため、教師がVRゴーグルを付け、ゴーグル内の映像をミラーリングでスクリーンに映し、教師が見ている映像を対象生たちに見せた。
教師が上下左右の視界の様子を意図的に見せたり、対象生たちが見たいと伝えてきた箇所に視線を向けたりすることで、リフト搭乗時の様子を詳しく伝えることができた。対象生は「わ~」と言って驚きの表情や笑顔を見せたりする姿があった。
授業の最後には自分から「リフト乗り」の活動を選択した。
取り組みの成果
宿泊行事当日、あらためて活動の選択について確認すると、再度「リフト乗り」を選択した。
実際にリフトに乗った場面では、教師と周囲の景色について会話をしながら落ち着いて搭乗することができ、降りる時はバンザイのポーズをする姿も見られた。
宿泊学習後の振り返りの場面でも、写真や動画を見ながら「乗れたよ」と笑顔で友だちの前で発表する姿が見られた。
実際の写真
B1-3
【NEW!】点字墨字変換システムの活用
※墨字とは、視覚障がいのある児童生徒が学ぶ通常の視覚的な文字(漢字やひらがなアルファベットなど)を指します
部・学年
小学部4年
障がい種
視覚障がい(弱視)
指導場面
国語の授業
活動内容
点字の文章をwebアプリ「Cesarine」を用いて墨字に変換して文章を読む
使用機器類等
iPad、webアプリ「Cesarine(セザリーヌ)」
具体的な活用の様子
これまで、点字を利用する児童が書いた文章は、書いた本人が読み上げるか、教師が読み上げていた。そこで、普段は点字を利用していない弱視の児童でも、点字で書かれた友だちの文章を読めるように、『友達が書いた文章を読んでみよう』という国語の単元の時間に、webアプリ「Cesarine」を使って点字を墨字に変換して読む活動を行った。
iPadで点字を撮影し、webアプリ「Cesarine」で墨字に変換した。その後、画面を拡大すると、墨字を読むことができた。児童からは「すごい!」という感嘆の声が上がった。変換された文章を読みながら、「“う”は点字では“ー”で書くんだね。」など、点字に対する関心が高まる様子が見られた。
取り組みの成果
同じ盲学校で学んでいるにもかかわらず、使用する文字の違いが障壁となり、点字を利用する児童と、墨字を利用する児童との間で、文章を読み合うということが困難であった。webアプリ「Cesarine」を活用することで、普段点字を利用していない児童も、点字で書かれた文章へアクセスすることが可能になった。
実際の写真
B1-4
【NEW!】レジスターアプリを使った販売活動
部・学年
高等部1年
障がい種
知的障がい
指導場面
文化祭での販売活動
活動内容
活動内容 販売活動で、レジスターアプリを活用して一人で販売する
使用機器類等
使用機器類等 iPad、アプリ「レジスター」
具体的な活用の様子
アプリ「レジスター」を使う以前は、お客さんがいる前でお金の計算することが難しく、教師に何度も確認する姿が見られた。
計算をすることに意識が集中してしまい、お釣りを渡すことや接客が十分に行えない姿も見られた。
取り組みの成果
レジスターアプリを使うと、タップするだけで計算することができ、お釣りも硬貨のイラストで表示されるため、教師に確認する姿もがなくなり、一人で販売活動を行う姿につながった。
計算の負担が減ったことで、接客を丁寧にする姿が見られた。お客さんの顔を見て、商品を渡したり、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などの声をかけたりすることができた。
また、自信をもって取り組む姿が増え、「袋を広げていようか?」「並べる商品を増やすそうか?」など周りの状況を確認して友達にかかわる姿が増えた。
後日商品を買ってくれた教師に感想を聞く姿が見られた。販売活動で余裕が生まれたことで、誰に何を売ったのか覚えており、新しいかかわりにつながったと考えられる。販売活動で得た自信を日常生活へどのように般化することができるか、今後よくみていきたい。
実際の写真
B1
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