B1 情報入手支援
B1-1
デジタル教科書やiPadの機能を活用した教科学習
部・学年
高等部普通科1年
障がい種
視覚障がい(弱視)
指導場面
教科学習(保健)
活動内容
UDブラウザを使用したノートテイク、及びGoogle formを活用した課題等への取組
使用機器類等
iPad、アプリ「「UDブラウザ」、Google form
具体的な活用の様子
教科学習の際には、拡大教科書を利用して学習している。テスト勉強やまとめの確認問題等に取り組む場面では、拡大教科書を複数冊用意して進める必要がある。
「UDブラウザ」Appを使用してページの検索をしたり、メモしておきたい事項をアプリ内に残したりすることで、iPadで教科書と筆記用具を兼ねた使用を目指した。
Google クラスルームを使用して学習しているため、Google form形式で課題や小テストなどを提示して蓄積している。
iPad上で教科書と課題を見比べながら取り組めるように、2画面を同時に表示できるスプリットビューを使用する。
取り組みの成果
拡大教科書を使用している生徒が、iPadの「UDブラウザ」Appを使用することで、自身の見え方に応じた文字サイズで教科書を閲覧できるようになった。
iPadが教科書と筆記用具の役割を担うことで、拡大教科書から情報を得るよりも早く検索できたり、メモしたいことをキーボードで入力することで見直しやすいノートテイクができたりした。
スプリットビューは、他の教科でも応用ができ、iPadでの調べ学習やまとめ学習の場面で効率的に作業が進められるようになった。
スプリットビューなどの便利な機能を使用することで自身の学習に役立つことを実感し、iPadの機能について設定変更等について積極的に試す姿が見られた。
実際の写真
B1-2
YouTubeを使った音楽活動支援
部・学年
中学部2年
障害がい
自閉スペクトラム症
指導場面
個別学習、休み時間
活動内容
YouTubeでドラム演奏の映像を見ながら演奏する
使用機器類等
iPad、アプリ「YouTube」
具体的な活用の様子
学校にドラムがあり、本人が「ドラムをたたいてみたい」と話をする様子があった。活動の中に取り入れたかったが、ドラムの演奏経験のある職員がおらず教えることができないときに、iPadのアプリ「YouTube」を見ながら演奏することを自分から職員に提案した。
個別学習や休み時間にiPadを貸し出し、YouTubeを使って本人が聞きたい曲を流したり、ドラムの演奏動画を参考にしたりしながら実際にドラムをたたいて練習をする。iPadの操作は本人が行い、活動時間の終わりにはiPadを職員に渡す。
取り組みの成果
YouTubeの中から好きな曲を選択し、実際の演奏動画を見ながら同じように練習する様子が見られた。楽譜よりも映像の方が分かりやすく、難しい箇所に戻ったり、再生の速度を調整したりしながら練習することができたので、上達も早いように見えた。活動を続ける中で、いくつかの種類の曲にも自分からチャレンジする様子もあり、興味が広がっていた。家庭でもドラムを演奏したいという気持ちが出てきており、余暇活動として位置づいてきている。
ドラムを演奏した後に、自分から職員に対して「先生はドラム演奏できる?」「ピアノ弾いてよ」などと話しかける姿が増えた。また、今まで関係の薄かった他部の職員にも日常生活の中で自分から関わろうとする様子も多くあり、YouTubeからのドラム演奏をきっかけに、コミュニケーションの広がりも見られた。
実際の写真
B1-3
日記アプリを使った文章作成
部・学年
中学部1年
障害がい
知的障がい 自閉スペクトラム症
指導場面
個別学習
活動内容
iPadアプリ「えにっき」を使ってニュースの感想を書く
使用機器類等
iPad、アプリ「えにっき」、「Power Point」、「写真」
具体的な活用の様子
読み書きが苦手で、仮名を振った教科書であれば音読ができるが、本人も「文字を見ると疲れる」と言う。
場に応じた人との関わり方や言葉遣いについて学習中である。
個別学習の時間に教師と一緒にアプリ「Power Point」を使ってニューススライドを読み、分かったことや思ったことを文章で入力した。入力はアプリ「えにっき」を使用し、本人が一番入力しやすい仮名入力で行った。
文章を入力した後は、誤字がないかの確認を教師と一緒に行い、最後はアプリ「えにっき」内の読み上げ機能を使って、文章表現を確認した。
取り組みの成果
学校で知ったニュースをテレビで見かけた際に家族に話すなど、時事ニュースに関心を持つようになった。
ニューススライドを見て得た情報に関わる感想等のコメントを自分で考え、タブレットに入力することに慣れた。仮名入力が定着し、入力にかかる時間も短くなった。
自分ひとりでできるICTスキル(アプリの起動と切り替え、スクリーンショットの撮影、スクリーンショットのトリミングと保存、日記アプリへの写真の取り込みと文章入力、文章を読み上げ機能で再生)が身についた。
実際の写真