ニュージーランド国立工科大学・Ara
【交換留学】
2023年度報告書
2023年2月~2023年12月
石原 伊織(参加時3年生)
人文学部 英語英文科
大学について
<概要>
私はニュージーランド国立工科大学のCanterbury キャンパスに留学しました。町の中心部に位置しているのでお昼を食べに行ったり、授業後にコーヒーを飲みに行くことはもちろんのこと、買い物に行くこともよくありました。
<設備>
英語コースにいた時にはE という3階建ての建物で勉強していました。教室だけではなく各フロアに休憩所のような部屋があり、そこにはくつろげるソファと数台の電子レンジ、給湯器、水道、トースターや飲み物と軽食の自動販売機がありました。昼休みは基本的に生徒で溢れ、様々な言語を耳にしました。
ビジネスコースを取っていたときはXというメインの建物で勉強していました。建物が広いだけあって休憩所の数は少なく、実際私のクラスからは数分歩く必要がありました。またEにあったものとは設備が異なっており、ソファはなくテーブルと数脚の椅子、給湯器、水道、電子レンジ、食洗器でした。ただそれぞれ一つしかないため昼休みは混んでおり待つ必要がありました。
<施設>
その他に利用する施設としては図書館、ジム、Student Supportです。図書館には自習室だけでなく自由に利用できるコンピュータルームもある為、授業課題をする際はよく利用していました。仕切りのある自習部屋も多くある為勉強に集中できる環境が整っています。
ジムは有料で利用できる施設ですが、他のジムに行くより料金も割安で利用している学生が多い印象でした。
Student Supportは主に困りごとや相談のある留学生が利用するサービスになります。私の留学していたときは日本語の話せる方がいらっしゃったので何かトラブルがあった時は相談させていただきました。
Eブロックの休憩所
STUDENT SUPPORTでお世話になったKATIEさん
授業:New Zealand Certificate in English Language
<概要>
NZCEL という語学コースの中で出国前に受けたテストをもとにLevel3 General という授業を取っていました。Generalはコミュニケーションを取ることに注力し、Academicは文法に注力しています。クラスメイトは20名程で、中国、韓国、台湾、ペルー、イランやアラビアと様々な国から来た生徒がいます。様々な文化や宗教の違いはもちろん、母国の紛争が理由で移民としてこちらに来ている生徒がいたので、お互いに思いやりを持って接していました。
<教室>
教室の広さは日本の中学校の1教室より若干小さいくらいです。机一つが大きいので20人生徒が入ると移動が少し大変に感じました。教室内の設備はホワイトボードとペン、辞書、スクリーン、パソコンです。
<時間割>
月曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
火曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
水曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
木曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
金曜日 オフ
土曜日 オフ/日曜日 オフ
週20時間
クラスによっては月~金9:00~13:00のクラスもあります。
クラス最終日のパーティー
語学クラスの教室
<テスト>
Listening, writing, speaking, readingのテストが各3つずつありました。テストの実施日はもともと決まっている上、バラバラの週に実施されるので対策がしやすかったです。
日本の大学のように学期末に複数テストがあるわけではないので、期末に複数テスト分の対策をするというよりは、テストのある週に特定のテスト用の対策を行っていました。
授業:New Zealand Certificate in Business
<概要>
このコースは前述した語学コースとは異なり、日本でいう主専攻科目又は教養科目に分類されるような授業になります。Businessとありますが経済学というわけではなく、企業の一社員として働く上で必要なスキルを身につけることを目的とした授業になります。またこのコースの正式名称(New Zealand Certificate in Business Administration and Technology Level 3)にもあるように、会計、スケジュールといった様々な事柄の管理をパソコンを使って行うことに注力しています。
そしてこのコースは4つのクラスから構成され2つはMicrosoftの運用に関する授業、他の2つはコミュニケーションや企画、手続きなどの業務に関する授業であり、高校生もこのクラスには参加していました。
ビジネスクラスの先生
<教室>
クラスによって教室が変わり、どの教室も共通してパソコンが数多く設置されています。基本的に授業ではパソコンを使いながら学ぶので、必ず一人一台は確保されています。また教室のドアは学生証をかざして開けるようになっています。
<時間割>
月曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
火曜日 オフ
水曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
木曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
金曜日9:00~12:00, 13:00~15:00
土曜日 オフ/日曜日 オフ
週20時間
ビジネスクラスの部屋
<テスト>
テストより課題の提出が全体的に多い印象です。特にMicrosoftに関する授業では、指定されたものを制作して提出日までに提出することにより評価されました。実務的な授業も課題が多くありましたが、やはり実践的な活動を行ったうえでのレポート提出や、実践的な活動を行った際に録画したものの提出など、デスクワークで済む課題ばかりではありませんでした。そのような提出するまでに必要な活動を含めるとテスト数は一クラスにつき最低4つ、多いクラスで30程度でした。
費用について
<概要>
本留学でかかった主な費用は以下になります。
(すべて当時の為替で計算している為、金額が異なる場合があります。)
<生活費>
上記の生活費は平日の昼食費や生活用品の購入費を含んでおり、普段の昼食は食べない日もありましたが基本的にサンドイッチなど軽食を持参し、友人と食べることがほとんどでした。
また上記に含んでいない金額として娯楽費や交際費があります。友人と遊びに行った時の出費で月によりますが平均して1か月に大体5000円から10000円ほどでした。
また友人との外出はスケジュールがあまり合わなかったので少なかったですが、一人でもよく買い物に行く人や日本人との行動が多い人は出費が多くなると思います。
<通信費>
現地でのキャリア回線の契約を行いました。
私の場合は2degreeという会社で一か月NZ$19、またはNZ$10のプランを月に応じて変えながら契約していました。
もちろんWiFiは家でも大学でも使えるので必須ではないですし、実際に出国前にもキャリア回線の契約をしなくても大丈夫という説明をきいていました。
ただ現地で友人と遊びに行くと外での回線だけでなく、電話をするのに番号が必要になったりしたので私は必要を感じ契約しました。
支払いについて
<概要>
ニュージーランドでの支払い方法や銀行口座について紹介します。
支払方法の主な例は現金、クレジットカード、EFTPOSです。
<現金>
私の場合は15万円分ほど羽田空港でNZドルに替えて、どうしても現金での支払いが必要になった時のために予備として持っていきました。ただリスクがあるのであまりお勧めはできません。両替場所は大学にもあったのですが多額の両替はできそうになかったため、羽田、成田、現地の空港又は最寄りの両替所で事前に両替を済ませておくことをお勧めします。
<クレジットカード>
日本のクレジットカードを二枚持参しました。ただ私は留学中、カードの1枚が不正利用され使えなくなったトラブルがあったので、カードでの支払いをメインにするのであれば3枚持っていくことをお勧めします。
<EFTPOS>
銀行口座に結び付いたキャッシュカードのようなカードでニュージーランドでの主な支払方法の一つです。カードを使用するたびに、使用金額が口座残高から引かれるというシステムになっています。ただ現地での銀行口座を持つことが条件となるので使用するハードルは比較的高いと思います。
<銀行口座>
長期留学する場合は口座を作ることをお勧めしますし、作ることになると思います。
実際に私もクリニックに行ったり、VISAの更新で作ることになりました。
私はKIWI Bankで口座を作りましたが、色々な銀行があるので手数料や維持費のことも考え比較しながら自身に合う銀行で口座を作るとよいと思います。
口座開設において必要書類もあるので各会社のホームページに書いてあることを正しく理解して申し込み、問題なければ1週間ほどで開設できます。時間のかかる人は3か月かかる人もいるので、トラブルがあればStudent Support やホストファミリーに助けを求めるとよいと思います。
ホストファミリーについて
<概要>
私は最初に契約したホストファミリーの家で留学期間中のほとんどを過ごしました。
ホストファミリーの家族構成は60代の父、母、20代の娘さんでした。
また中国人のルームメイトが私の1週間前から滞在し、私が出国するまで滞在していました。
<個人部屋>
私の部屋にはダブルベッド、テーブルライト、学習ができるテーブルとイス、クローゼット、収納家具やヒーターがあり勉強をするにも一人でゆっくりするにも十分の設備がそろっていました。
<食事>
朝は基本的にシリアルを食べ、冬はホットオーツを食べることもありました。
休日のお昼ご飯は日本食を売っている店で巻きずしを買ってもらうことが多かったです。夜ご飯は日によってタコスやフィッシュアンドチップス、バーベキューを食べることが多かったです。
<家族>
本当によくして頂きました。ホストマザーは時間が合えば学校へ送迎してくれたり、ホストファーザーとはよくスポーツ観戦をしたり映画を見ました。娘さんとは年が近かったので音楽の話や公開された映画の話をすることが多かったです。
また私のホストファミリーはよく外出する機会を作ってくださり、ラグビー観戦や外食、ドライブに行ったり小旅行にも連れて行ってくださいました。
外食のハムステーキ
ホストファーザーの交響楽団
出国時のホストファミリー
交通網について
<概要>
Christchurchでの主な交通手段はMetroと呼ばれるバスです。
<利用の仕方>
日本でのバス乗車及び降車とは方法が違います。
まずバス停にバスが近づいたら手を挙げてバスを止めます。その後は前方のドアから乗車し、先に料金をMetroカードまたは現金で支払います。その後は、目的地のバス停に近づいたらボタンを押してバスを止めてもらい降車します。
注意しないといけないのが日本のバスとは異なり、次のバス停名がアナウンスされたり表示されないため、慣れない間はマップを確認しつつタイミングをみてボタンを押す必要があります。
<料金>
現金とMetroカードでの支払い方法により料金が異なります。
私はAraで学割のきくMetroカードを購入したため、1回につきNZ$1で利用していました。
料金システムが日本のバスと異なり、距離にかかわらず一律で、乗車時の料金を払って2時間以内は有効なため、他のバスに乗ってもそのまま乗ることが出来ました。
<運行範囲>
Christchurch周辺はほとんどの範囲で運行されていました。
ホームステイ先によってはAraまで通学するのに乗り換えが必要な場合もあるので時間に余裕をもって移動するとよいと思います。
https://www.metroinfo.co.nz/assets/Uploads/8796_METRO_Network-map_AUG23_DIGITAL.pdf
https://www.metroinfo.co.nz/timetables/
これから留学する方へのアドバイス
英語については、正解であろうと意識しすぎないようにしてほしいです。
留学すると英語を学ぶというより話すことに焦点を置くことになると思いますが、正しい英語を話さないといけないという意識が強くありすぎるとなかなか人と話せなくなってしまいます。実際にふさぎ込んだ性格になってしまったり同じ国の友達とばかりいて英語をあまり使えなかったという人を多く見てきました。
日本の義務教育で英語を学んだり、大学入試や資格取得、専攻を理由に英語の正解を意識しながら学んできた日本人は正しいかどうかを意識してしまうのだと思うのですが、もっと大事なことは沢山あり、正解にこだわりすぎるとせっかく学べるものも逃してしまうと思いました。
留学において英語の学習はゴールではなくて他のことを学ぶ上で通過する要素であると思っているからこそ、どんなに喋れなくても理解できてなくても、とにかく学びになりそうなことや興味のあることをどんどんやってほしいなと思います。