US選抜セミナー
2022年度報告書
アリゾナ州立大学(ASU) ※ASUは、Arizona State University の略称
ASU大学の学生は、ASU正規学生と、英語を学ぶ私たちのGL(Global Launch)クラスの留学生で構成されます。
GLクラスは、1クラス15名前後で多国籍クラス。国籍は日本以外に、中東のカタール・クウェート・サウジアラビアやコンゴ、メキシコ、アジア地域からは韓国、中国、台湾、そして日本からの学生でした。
クラスは、事前のオンラインテスト結果により6段階にまずレベル分けがありました。
1)Advanced2、2)Advanced1、3)Intermediate2、4)Intermediate1、5)Basic2、6)Basic1です。
初めは「Basic2」や「Intermediate1」からスタートする学生が多い印象です。授業の成績で70%以上クリアすれば、次の学期で1クラスへ進級できます。
日本の留学生以外は、最終的には上級「Advanced2(ASU正規生資格)」が終了目標。 その修了後にASU正規生として進学、他大学へ入学、自国へ帰国などのそれぞれのキャリア選択していきます。
Global Launch(語学クラス)の授業
授業は平日午前9:40~午後4:15、1日2コマの1時間15分~1時間50分。
授業内容は、リスニング/スピーキング、リーディング/ライティング。修道生にはこれにサービスラーニング(ボランティア活動含む)が追加されます。
2学期目からリーディング/ライティングに代わり、コミュニケーションクラスが開始。問題解決案を考えるグループワーク、ボディランゲージ、ディベートをして、多くの他国籍学生と会話する機会がありました。
Intermidiate2の受講では、主に基礎から応用への内容となります。Reading & Writingは、テキストのストーリーの理解度チェックのため、エッセイの書き方も学びました。
Speaking & Listeningでは、先生から学生に自発的回答や発言を求められることも多かったです。最も大変だったのが、週1回のプレゼンテーション。ここでは、プレゼン資料を完成するまでの計画性と、自分の言葉でストーリーに関する問題やサマライズする力が身につきました。
毎週火曜日はConversation Cafe 、毎週木曜日にはHangout がありました。前者はコミュニケーションの授業の一環で毎週出席。決められたトピックのでグループ内で意見交換しました。後者のHangoutは、無料で昼食が提供される、GL生徒の交流イベントです。出席は自由。Switchやトランプ、UNOなどで遊んだり、一緒に食事したり新しい友達を作ったり、友達と仲を深めたりすることができました。
ハロウィンの日の授業は、クラスみんなで仮装。お相撲さんに仮装した生徒もいて、先生は興味深く仮装の説明をされていました。
ぜひハロウィンの時は仮装して学校に行ってみてください。新しい友人との出会いがあるかもしれません。
ボランティア活動と文化交流
サービスラーニング授業の時間枠内と、週末は ボランティア活動を行いました。初めはアリゾナのボランティア組織の方から活動の詳細を聞き、質疑応答や、意見交換。2セメスターと冬休みを含めた5か月間で、「90時間」以上の活動時間を消化します。
ASUにも「Changemaker」という学生ボランティア組織があり、苗植えや水やりなど農作業の手伝いをしました。このボランティアの後はASUに戻ってくると、ボランティア団体から無料の大きなピザが用意されました。
授業外のボランティアでは、最初は先生の提案ボランティア表から自分で選んで申込みしました。活動が進んでいくうち、自らがボランティアをする立場で、企画考案や活動記事の要約、教会の清掃、申し込み不要なボランティアや、個人で見つけたボランティアにも参加して、活動時間をどんどん増やしました。そして思っていたよりも難なく90時間を達成しました。
人気のボランティア先のひとつに、Japanese Friendship Garden、日本庭園の鷺鳳園(日本の姉妹都市の提携)があります。アメリカの砂漠にいながらにして、伝統的な日本庭園での異文化交流です。園内では、来園者向けに「折り紙」ブースが設置されます。たくさんの子供たちに日本の折り方を英語で教えて一緒に学んで作ったイベントは、貴重な体験となりました。そして日本庭園の鷺鳳園は、現地に住むアジア系の方々にとって、深いつながりがある場所だと知りました。
当初ボランティア活動90時間は長いと思いましたが、ASUの学生や地域の人と交流して活動を続けている間に活動時間が増え、自分の英語力も向上していると感じました。また、「千羽鶴」について興味をもち、話をきいてくれた方がいて、広島の歴史や文化について、もっと説明できるよう知識をつけておけばよかったと思いました。
他にボランティア活動で気が付いたことは、多くのこの活動が、私たちの知らないところで行われていることでした。「Feed My Starving Children」というボランティアでは、貧困で苦しんでいる子供たちに配る食べ物のパッキングをしました。どんなボランティアにも意味があって、その町や人々にとって欠かせない存在で、必要としている人がそこにいるのだと知りました。
ホームステイとハウスメイトとの出会い
~2人の体験談~
ホームステイでは、アリゾナ・フェニックス空港でホストファミリーとは初めて対面します。ここでホストファミリーと写真を撮り、自分の荷物とともに、各自ステイ先の家へと向かいます。
平日は学校の授業、修道生には週末のボランティア活動もあるため、最初の週末が唯一ホストファミリーとゆっくりと話ができる時間です。ホストファミリーの生活習慣や環境など、留学中の生活体験は個々で異なります。一緒に暮らすハウスメイトは、GLクラスの他国の学生や、ASU正規生もいます。ここでは今回留学仲間の二人の初めてのステイ体験を記載します。
一人目のステイ先は、学校から乗継ぎで1時間かかるスコッツデール。治安が良く住みやすい町でした。ホストファザーはとても忙しい人でしたが、陽気で映画好き。フットボール観戦や、ハロウィンにはイルミネーション、バーなどに連れて行ってもらう機会も多くありました。Thanksgiving にはディナーショー、クリスマスにはジョージの家の親戚の集まり、後半にはグランドキャニオンにも連れて行ってくれるなどアメリカの文化に触れる機会を多く与えてくれました。
ハウスメイトはコンゴ出身の車が好きな留学生。優しく面白く学生でしたが数週間で移動。短期間でしたが、このハウスメイトからの影響は刺激になりました。ホームステイでは、休む時以外は英語を使うため、英語力がつくのはもちろんのこと、アメリカだけでなく、ハウスメイトの出身の国の文化についても触れることができました。ただ生活で驚いたことを上げるとすれば、バスルームのシャワーの蛇口が外れたり、シンクから水があふれかえってきたりということがありました。
二人目は、最初のホストファミリーとは、残念ながら理解し合えないことが発生したケースがありました。ホストファミリーと生活習慣について話し、意思の疎通や、自分の語学力に悩みながらも、現地のホームステイ会社にも伝えて相談しました。アドバイス受けながら解決方法を試みましたが、最終的には受入れ先の変更を希望し、やむなくステイ先変更となりました。新しいホストファミリーは、優しく、ホームステイをする上でのストレスはなくなりました。
自分としては留学の期間が、ハロウィン、Thanksgivingやクリスマスなど季節のイベントが多い時期だったので、そのようなイベントをホストファミリーと一緒に過ごすこともホームステイの楽しみでした。
どれをとっても日本にいるとありえないこと、経験できないことでした。積極的に自分の感じたことや、思うことを伝え説明して、問題に取り組んだことで自己成長を感じています。
自由な時間を過ごしたアメリカ
ASU学内はとても広く、放課後はキャンパス内のジムに通ったり、大学近くで学生に人気のMill Avenueで友人と過ごしました。ASU大学からは、高層ビルや山のないテンピの町を一望できる「Aマウンテン」に時々登って美しい夕日を眺めるという過ごし方もしました。
週末はボランティア活動で多忙でしたが、それでも私達は様々な場所に出かけました。ホストファミリーや現地の友人の協力で車で2時間ほどの「セドナ」にドライブ。パワースポットやハイキングスポットとして有名な場所です。他にも、週末を利用してラスベガスやサンディエゴ、ニューヨークに旅行する人もいました。
冬休みの約1か月の間は、ロサンゼルスへ行きました。フェニックスからロサンゼルス国際空港までは1時間ほどのフライトです。自分たちで旅行計画を立て、ホテルや航空券を予約。計画性や情報収集能力を鍛えることができたのではないかと感じています。私達はそれぞれディズニーランドやユニバーサルハリウッドを満喫しました。サンタモニカのビーチで夕日を眺めたことは一生忘れることのない、かけがえのない思い出です。
5か月間の留学はあっという間でした。課題に追われたり、ボランティア活動で忙しい毎日でしたが、それでも皆それぞれのやり方でこの5か月間を楽しみ切りました。どうすれば楽しむことができるのか、何をすれば毎日を充実させることができるのかを考えながら生活したことで、積極性を身につけ価値観を広げることができたと思います。
後輩へのメッセージ
自分軸を強く、夢を持ってください。アリゾナで出会う人は映画監督になりたい人や、社長になりたい人、圧倒されるようないろいろな夢を持った人がいます。
留学前に「これを実現するために留学に行くんだ!」という強い意志を持って臨んで欲しいです。自らアクションを起こして何でも挑戦し、毎日何かしらの新しい知識や経験を得る事を意識して過ごしてみてください。留学は英語力を伸ばすだけではなく、新しい趣味や目標を見つけたり、生きる上で大切な力を養うことができると思います。
今まで育ってきた環境と違う場所に身を置くことは、恐れや不安があるかもしれませんが、失敗することは当たり前なので、自分からトライし続けることが何より大切です。たくさんの”新しいことを経験する”ことで自分を成長させてくれます。触れたことのない新しい文化やもの、人と関わることが楽しく刺激になり、前とはちょっと違った自分になっていることに気づきます。
私は帰国日にはもうやり残したことはない、と思うことができました。留学は皆さんにとってかけがえのない思い出、そして人生で貴重な経験になると信じます。