B.全国・地域別の最新(最近)成功事例とモデル
1. 愛知県:商店街空き店舗活用モデル事例集
愛知県が「商店街空き店舗活用モデル事例集」を発行。J-Net21でも紹介。 J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]+2愛知県公式サイト+2
事例集には以下の5商店街が掲載されている:
新大門商店街(名古屋市)
松應寺横丁(岡崎市)
犬山下本町商店街(犬山市)
笠寺観音商店街(名古屋市南区)
蒲郡商店街(蒲郡市) 愛知県公式サイト+1
(各事例のポイント):
新大門では“商いをする人にも、住まう人にも居心地のよいまちづくり”をテーマに再生。 愛知県公式サイト
笠寺観音商店街では「シェアする」という考え方を取り入れ、人と人のつながりを強める。 愛知県公式サイト
蒲郡商店街は歴史・地域の暮らしに寄り添った活性化を図っている。 愛知県公式サイト+1
これは「県レベル」でモデル商店街を調査・共有し、他商店街の参考になるようにしている典型。空き店舗活用の“横展開”を意図した取り組み。
2. SEKAI HOTEL(まちごとホテル):大阪・布施商店街
SEKAI HOTEL Fuseは大阪・布施の商店街を「まちごとホテル」として運営。空き店舗(古家・空き家)をリノベーションして客室に。 SEKAI HOTEL+1
【ホテルの機能を街中に分散】:
フロント:かつて婦人服店だった店舗をそのまま看板を残しつつ受付に。 舞いあがれ 東大阪
朝食:地元喫茶店を利用。 舞いあがれ 東大阪
大浴場:地元の銭湯を活用。 Lumiarch - ルミアーチ | 街のミライを輝かす、地域共創メディア+1
【地域との関係構築】:
SEKAI HOTELは商店街の店舗をパートナーとして捉え、ゲストが地元の店を回遊するように仕掛けがある。 Lumiarch - ルミアーチ | 街のミライを輝かす、地域共創メディア+1
【ブランディング】:
合言葉は「景気よくいこう」。地域の日常を“旅先の日常”として楽しむ体験を提供。 プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES
【成果・評価】:
地域の魅力を再発見し、滞在型観光+商店街回遊を促すモデルとして注目されている。 地方創生メディア Mediall(メディアール)
3. 横浜市の制度/支援体制
横浜市では「商店街空き店舗開業助成事業」があり、市内商店街の空き店舗で開業する人に対して、賃貸契約にかかる費用の一部を補助。 横浜市公式ホームページ
また、商店街空き店舗登録制度があり、商店街団体が空き店舗を市に登録。出店希望者に情報を提供しやすくしている。 横浜市公式ホームページ
空き店舗所有者・仲介業者向けにも商店街と連携して登録を募り、「出店したい人」と「貸したい人」をつなぐ仕組みあり。 横浜市公式ホームページ
さらに、商店街団体が登録した店舗に対して、登録して出店する人が商店会に加入する場合、奨励金(登録商店会への2万円など)が出される制度も。 横浜市公式ホームページ
商店街向けのセミナーも実施中。「空き店舗から始めよう ~地域の居場所づくり~」というテーマで同市が商店街支援。 横浜市公式ホームページ
4.トレンドとして読み取れるポイント(成功事例から見える動き)
これらの具体例を踏まえて、最近のトレンドとして特に注目すべき方向性・学びは以下の通りです。
① “まちごとホテル”型の空き店舗再活用
o 単一店舗ではなく、商店街全体(または複数店舗)をホテル機能として再利用するモデル。SEKAI HOTELは典型。
o 地元の商店や施設(喫茶店、銭湯など)と密接に連携させて、宿泊客に地域を歩いてもらう仕掛け。
o 来訪者が商店街を使うことで、宿泊以外の消費も期待できる(回遊効果)。
② 公的支援と制度設計の強化
o 横浜のように「登録制度+補助金+出店支援相談」を組み合わせ、空き店舗を活用したい人・団体を行政が支援。
o 商店街団体と所有者、出店希望者をマッチングさせる制度が整ってきており、供給と需要をつなぐ仕組みが強化されている。
③ モデル事例の共有による横展開
o 愛知県のように成功事例を「県モデル」としてまとめ、他商店街への波及を狙っている。
o 事例集には、活用までのプロセス(交渉・改修・運営)や関係者の声が掲載されており、実践的な参考になる。
④ 地域ブランディング × まちづくり
o 観光資源としてだけでなく、“居場所”や“日常”としての商店街を再定義。宿泊モデルを通じて地域のアイデンティティを再発見。
o 地元住民とのコミュニケーションを重視。既存の商店主を巻き込んで、空き店舗活用を地域主体で進めている。
⑤ 持続可能性と収益多様化
o 空き店舗を収益源として再活用 → 観光(宿泊) + 商業(地元店舗利用) + コミュニティ(地域交流)。
o 初期コスト(改修費)をリノベーションで抑えつつ、長期的な収益確保を狙う。
5.考えるときのリスク・注意点
空き店舗・空き家所有者との交渉コスト:単に所有者が空き物件を持っているだけでは出店に合意しないケースがある。
改修コスト:古い建物を宿泊施設に改装するにはそれなりの費用がかかる。資金調達が重要。
運営ノウハウ:宿泊業(ホテル運営)には専門性が必要。地元事業者だけでやるにはハードルがある可能性あり。
継続性:宿泊モデルなどは観光客等に依存しがち。定常需要をどうつくるか(地元住民、長期滞在者、回遊客など)を設計する必要がある。
地域理解・協力:商店街の古くからの店舗(高齢の事業者など)を巻き込むには丁寧な関係づくりが必要。
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