2025年02月20日
ID定例ゼミ
ID定例ゼミ
日時:2025年02月20日(木)11:00-11:40
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:7名
発表者:市村 由起
テーマ:生成AIと教育関連論文の最新のシステマティックレビューからの概観
2024年度最終回もAI関連のテーマを取り上げました。SIGコアメンバーは、JSET全国大会に向け、「AIとID」の研究動向調査と、体験活動の準備を進めているところです。そこで、今回は少し枠を広げて教育一般と著しい変化を遂げる生成系AIとの関連論文のシステマティックレビューを取り上げました。2024年発行の4本を取り上げ統合と考察を共有しました。
最新のレビュー論文を統合すると、まず技術的評価として、AIが生成した文章の検出は依然として困難であり、剽窃の判別も難しいと指摘していました。この背景をふまえて、AIツールの影響を受けにくい評価法の開発や課題設計の再考が求められていました。
生成AIを活用するメリットとしては、授業クイズ作成やシナリオ設計など授業準備への活用、個別化学習や適応的手法、インタラクティブなコンテンツの提供といった利点も挙げられていました。特に、医療などの専門分野のスキル習得や意思決定支援、プログミングの補助において効果が高いとされていました。一方、懸念事項として、倫理的問題やプライバシーリスクの問題に加えて、学生の批判的思考やヒューマンスキルの低下が指摘されていました。
研究面では、学際的なアプローチや異なるGenAIツールの比較研究の必要性が指摘されています。
評価法の開発や課題設計のアプローチの再構築はインストラクショナルデザインに求められている重要かつ、喫緊な課題だと改めて認識しました。
紹介した論文
1 Ogunleye, O., et al. (2024). A systematic review of generative AI for teaching and learning practice. Education Sciences, 14 (6).
2 Yusuf, A., et al. (2024). Generative AI in education and research: A systematic mapping review. Review of Education, IJBERA.
3 Mittal, P., et al. (2024). A comprehensive review on generative AI for education. IEEE Access, 12.
4 Al-Shabandar, R., et al. (2024). A systematic review for the implication of generative AI in higher education. Infocommunications Journal 16 (3).
文責:市村 由起
詳細は勉強会のレジュメをご参照ください。