2024年11月28日
ID定例ゼミ
ID定例ゼミ
日時:2024年11月28日(木)10:00-10:40
会場:オンライン(Zoom)
参加者数:8名
発表者:市川 尚
テーマ:IDにおける生成AIの活用
紹介した論文:Choi, G.W., Kim, S.H., Lee, D. et al. (2024) Utilizing Generative AI for Instructional Design: Exploring Strengths, Weaknesses, Opportunities, and Threats. TechTrends, 68, 832–844. https://doi.org/10.1007/s11528-024-00967-w
第25回のテーマは、紹介した論文のタイトルの日本語訳をほぼそのまま用いた「IDにおける生成AIの活用」です。2024年7月の定例ゼミ(杉浦先生)の内容に近いテーマとなりますが、IDと生成AIについて,もう少し深めてみようと考えました。
本論文では、生成AIの一つであるChatGPT(3.5)に焦点を当て、IDの自動化ツールとしての生成AIに着目し、その有用性とインストラクショナルデザイン(ID)における可能性を検討しています。具体的には、4名の研究者がプロンプトを用いて、メイカースペースをテーマとしたオンラインコースのコースマップを生成し、さらに生成AIをIDに活用する際の強み、弱み、機会、脅威を特定するためにSWOT分析を実施しています。
結果の詳細は資料を参照いただきたいですが、IDとして興味深いのは、明確な学習目標が生成され、生成した課題や活動,ルーブリックとの整合性がとれていた点です。著者らは、課題はあるとしながらも、ChatGPTがコースマップの作成において効率的かつ効果的なツールとなる可能性が示唆されたと結論づけています。
生成された結果を精査するIDの素養は利用者に求められますが、生成AIの性能がさらに上がっている現状では、その活用にさらに期待がもてるとも考えられます。参加者とのディスカッションでは、実際にChatGPT-4oで本論文のプロンプト(日本語訳)を入れた事例を眺めながら、IDと生成AIに関する研究の方向性や活用ガイドの作成、FDへの活用可能性などについて意見が交わされました。
文責:市川 尚
詳細は勉強会のレジュメをご参照ください。