ここではレヴァ語の文法を解説しています。このページの内容は2026年10月25日時点のものであり、今後予告なく変更される場合があります。
レヴァ語は5つの単母音・8つの二重母音・18の子音、合計で31の音素を持ちます。表記には基本的にラテンアルファベットを使用し、1文字に対し1つの音素が対応します。
a /a/ i /i/ o /o/ e /e/ u /u/
ai /ai/ oi /oi/ ei /ei/ ui /ui/
ia /ia/ io /io/ ie /ie/ iu /iu/
p /p/ b /b/
t /t/ d /d/
k /k/ g /g/
f /f/ v /v/
s /s/ z /z/
c /ʃ/ j /ʒ/
h /h/
m /m/ n /n/
r /r/ l /l/
q /w~j/
q は、直後の母音が非円唇母音(a, i, e)である場合は [w]、円唇母音(o, u)である場合は [j] として読まれます。[w] と [j] は相補分布の関係にあるため、同一の音素と見なされます。
レヴァ語の内容語には名詞・動詞・形容詞・副詞といった形態的な品詞の区別がなく、全て「内容詞」という単一の品詞に包括されます。
内容詞は語幹と語尾から成ります。例えば fuma「猫」の語幹は fum- であり、語尾は -a です。
語幹:必ず子音で終わる。子音のみの語幹もある。「猫」「食べる」「大きい」など、語彙的な意味を表す。
語尾:必ず母音で始まる。-a が基本形であり、辞書の見出し語になる。法や格など、文法的な意味を表す。
全ての内容詞は、名詞的な意味を持ちます。例えば gara「食べる」は、正確には「食べる者・食べる人・捕食者」という意味です。hela「白い」も同様に、正確には「白いもの」という意味になります。このようにレヴァ語では、動作は「~するもの・~する人」、状態は「~であるもの・~である人」を表す名詞のように扱います。ただし、文法説明の際には簡潔性を優先し、gara の意味を単に「食べる」、hela の意味を単に「白い」として説明することがあります。
レヴァ語の内容詞は名詞的な意味を持つと説明しました。よって、レヴァ語の全ての文は「X は Y である」というコピュラ文になります。X (主題) にあたる内容詞の語尾には何も付けず、Y (述語) にあたる内容詞の語尾には -z を付加します。
da fumaz.「私は猫だ」
fuma fizaz.「猫は眠るものだ (=猫は眠る)」
fiza fumaz.「眠るものは猫だ」
pusa maicaz. 「魚はかわいいものだ (=魚はかわいい)」
主題と述語の語順は、入れ替えても構いません。
fumaz da.「猫だ、私は」
述語の語尾は法を表し、「法語尾」と呼ばれます。法語尾を変えることで、疑問文や命令文を作ることができます。全部で4種類あります。
① -z:叙述法「~だ・である」
平叙文を表す。疑問詞疑問文でも述語はこの形になる。
例:va fumaz.「あなたは猫だ」
② -v:疑問法「~か」
諾否疑問文を表す。疑問詞疑問文では使用しない。
例:va fumav?「あなたは猫か?」
③ -d:確認法「~ですよね」
相手に同意を求める。
例:va fumad?「あなたは猫ですよね?」
④ -g:命令法「~しろ・であれ」
命令文を表す。
例:va fumag!「あなたは猫であれ!」
語尾が同じ内容詞を並べて置くと、「〇〇かつ□□なもの」という意味になります。例えば、fiza「眠るもの」と fuma「猫」を並べると「眠るもの、かつ猫であるもの」という意味になり、すなわち「眠る猫」を表せます。同様に pusa「魚」と maica「かわいいもの」も、並べると「魚、かつかわいいもの」という意味になり、すなわち「かわいい魚」を表せます。
fiza fuma maicaz.「眠る猫はかわいい」
ga pusaz maicaz.「これはかわいい魚だ」
内容詞はいくつ並べてもよく、並べる順番も自由です。
fuma fiza hola maicaz.「眠る白い猫はかわいい」
代内容詞は、他言語における代名詞に相当し、指示対象の人称や数を表します。代内容詞の語幹は原則として子音のみです。例えば da「私」は d- が語幹であり、-a が語尾です。
ma:無数「0、何も~ない」
ba:不定単数「何か、ある~」
pra:不定複数「何か、いくつか」
la:全数「全て」
da:一人称単数「私、僕、俺」
tra:一人称複数「私たち、僕たち、俺たち」
va:二人称単数「あなた、君、お前」
fra:二人称複数「あなたたち、きみたち、お前たち」
ga:三人称単数直接指示「これ、それ、あれ」
kra:三人称複数直接指示「これら、それら、あれら」
za:三人称単数間接指示「これ、それ、あれ」
sra:三人称複数間接指示「これら、それら、あれら」
na:疑問「何、どれ」
内容詞は語尾を付加されることで格変化し、他の内容詞の直接目的語や、動作の起こる場所・時間などを表します。この語尾は「格語尾」と呼ばれ、全部で10種類が存在します。内容詞に格語尾を付加する際は、語尾の母音 -a を -i に交替させます。
① -s:主格「~が」
動作主を表す。通常は出現しない。詳細は「態」の項目を参照。
② -n:対格「~を」
動作の対象を表す。
例:fuma garaz pusin.「猫が魚を食べる」
③ -t:与格「~に・~まで」
受容者や着点を表す。
例:da sala sangit. 「私は公園に行く」
④ -p:奪格「~から・~より」
間接目的語や起点を表す。
⑤ -r:経格「~を通って」
経由地や途中経過を表す。
⑥ -f:属格「~の」
所有などの関係性を表す。
⑦ -c:処格「~で・~において」
事象の起こる場所を表す。
例:fuma fizaz mabic.「猫が家で眠る。」
⑧ -m:時格「(時間)に」
事象の起こる時間を表す。
⑨ -l:様格「~な状態で・~として」
事象の起こる様子を表す。
⑩ -k:具格「~で・~によって」
道具や手段を表す。
レヴァ語の内容詞は、語幹と語尾の間に「焦点接辞」を付加することで意味を変化させることができます。焦点接辞は10種類存在し、それぞれ格接辞の意味に対応しています。
無標の内容詞は、主格に対応する「主格焦点接辞」が省略された形として解釈されます。主格以外に対応する焦点接辞が付加され、意味が変わることを「焦点化」と言います。焦点化された内容詞は、通常は出現しない主格を項として取るようになります。
① -am-:主格焦点接辞「~する者・~である者」
動作主を表す。他言語における能動態に相当。
通常、この接辞は省略される。無標の内容詞は、主格焦点接辞が省略された形である。
この形の内容詞は、主格を項に取らない。
② -im-:対格焦点接辞「~される者」
動作の対象を表す。他言語における受動態に相当。
対格を項に取る内容詞に付加できる。
この形の内容詞は対格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
例:gara「食べる者」→ garima「食べられる者」
fuma garaz pusin.「猫が魚を食べる」→ pusa garimaz fumis.「魚が猫に食べられる」
③ -om-:与格焦点接辞「~される者・受け取る者」
受容者や着点を表す。他言語における与格受動態に相当。
与格を項に取る内容詞に付加できる。
この形の内容詞は与格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
例:sala「行く者」→ saloma「行く場所・行き先」
da sala sangit.「私は公園に行く」→ sanga saloma dis.「公園は私が行く場所だ・公園は私の行き先だ」
mada「与える者」→ madoma「(何かを) 与えられる者・もらう者」
da mada dictin zit.「私は彼に本をあげる」→ za madoma dis dictin.「彼は私に本をもらう」
④ -em-:奪格焦点接辞「」
間接目的語や起点を表す。
奪格を項に取る内容詞に付加できる。
この形の内容詞は奪格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
⑤ -um-:経格焦点接辞「」
経由地や途中経過を表す。
経格を項に取る内容詞に付加できる。
この形の内容詞は経格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
⑥ -al-:事象焦点接辞「~すること・~であること」
属格に対応する焦点接辞は存在せず、代わりにこの焦点接辞が存在する。
動作や状態など、事象そのものを表す内容詞に変える。
この形の内容詞は元々取っていた項に加え、主格 (動作主) を取るようになる。
例:gara「食べる者」→ garala「食べること・食事」
fuma garaz pusin.「猫が魚を食べる」→ vitima dis garalaz fumis pusin.「私が知っているのは猫が魚を食べることだ」
⑦ -il-:処格焦点接辞「~する場所」
事象の起こる場所を表す。
この形の内容詞は処格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
例:fiza「眠る」→ fizila「眠る場所」
fuma fizaz mabic.「猫が家で眠る」→ maba fizilaz fumis.「家は猫が眠る場所だ」
⑧ -ol-:時格焦点接辞「~する時間」
事象の起こる時間を表す。
この形の内容詞は時格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
⑨ -el-:様格焦点接辞「~する様子」
事象の起こる様子を表す。
この形の内容詞は様格を取らず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
⑩ -ul-:具格焦点接辞「~するための道具・手段」
道具や手段を表す。
この形の内容詞は具格をとらず、代わりに主格 (動作主) を取るようになる。
焦点化された内容詞を他の内容詞と並列することで、他言語における分詞や関係詞に相当する表現が可能です。
pusa garima fumis holaz.「猫に食べられる魚は白い」
da cefaz dictin madimin zis.「私は彼がくれた本を読む」