ニョンペルミュに他言語の固有名詞を取り入れる際は、元の単語をニョンペルミュの音韻に合うように改変する必要があります。このページでは、そのような借用の際の音写規則について解説します。
まずは、元の単語に含まれる子音・母音をニョンペルミュの音素に合わせて置き換えます。例えば「和歌山」には、ニョンペルミュにはない w の音が含まれています。借用の際には w を p に置き換え、PAKAJAMA とします。
置き換え前 → 置き換え後
[ɑ] [æ] [ə] → a
[ɪ] [y] → i
[ɔ] [ʌ] [ɤ] → o
[ɛ] [œ] [ø] → e
[ʊ] [ɯ] → u
[b] [w] → p
[d] → t
[g] [ɣ] [q] [ɢ] → k
[v] [ɸ] [β ] → f
[z] [θ] [ð] [͡ts] → s
[x] [ʁ] → h
[ŋ] [ɴ] → n
[r] [ɾ] [ɹ] [ʀ] → l
[t͡ʃ] [t͡ɕ] [ʈ͡ʂ] → tj
[ʃ] [ʒ] [ɕ] [ʑ] [ʂ] [ʐ] → sj
[ʝ] → j
長母音・長子音は基本的に短母音・短子音に直します。
例:北海道 → HOKA'ITO
ただし、長子音の s、n、l が母音に挟まれている場合、その長子音を前の音節の尾子音と後の音節の頭子音の連続と捉え、そのまま音写する場合があります。
例:関内 → KANNA'I 小林一茶 → KOPAJASI ISSA
尾子音では、[ʃ] [ʒ] [t͡ʃ] などは s に転写される傾向にあります。
例:English → 'INKILIS Deutsch → TO'IS
他言語の単語は、ニョンペルミュの音節構造規則に合わないことがあります。そのような時には、適宜母音や子音を挿入して音節構造を変更します。ニョンペルミュの音節構造規則を知っておくと、どのような時に音節構造の変更が必要か理解しやすいでしょう。
子音をC、母音をVとすると、音節構造はCVCである
一つの音節の中で複数の子音が連続することはできない
一つの音節の中で複数の母音が連続することはできない
頭子音は必ず現れなければならない
尾子音は -s、-n、-l、または尾子音なしのいずれかである
元の単語の音節がこの規則に反している場合、以下のように母音・子音を挿入します。
一つの音節中で複数の子音が連続する場合は、その子音どうしの間または直後に i を挿入する
例:Svenska → SIFENSIKA
尾子音が -s、-n、-l 以外の子音である場合には、直後に i を付加する
例:Mozart → MOSALTI
一つの音節中で複数の母音が連続する場合は、その母音どうしの間に ' を挿入する
例:Suomi → SU'OMI
頭子音がない音節には、頭子音として ' を付加する
例:America → 'AMELIKA