倍周期分岐からカオスに至る様子をオシロスコープとスピーカーで確認できる電子回路を再現しました。
定常解から周期解への分岐、周期解の倍周期分岐、1つのセンターを持つアトラクターから 2つのセンターを持つアトラクター へ遷移する様子が、1つのボリュームを調整することで実験できます。また、スピーカーを接続すると周期解が音で聞き分けられる(倍周期分岐でオクターブ下がる)のがとても斬新でした。
学生時代に松本隆先生(当時早大)にご連絡したところ、回路と作成手引きをお送りくださいました。その資料を元に研究室公開のデモとして作成したものを、久しぶりに再現しました。
松本先生、資料をお送りいただきどうもありがとうございました。国府先生、松本先生と書籍をご紹介いただきどうもありがとうございました。
学生時代に松本先生から頂いた資料を基に再現 (28年前に作成したボックスが見つからなかったため)
素子の変更 (現在入手可能なものに変更)
Op-amp : LM741CP -> LM741D
Diode : 1S1588 -> 1N4148
回路図面の誤り訂正
いただいた資料では Op-amp の電源が逆みたいでした
ブレッドボードで作成
動作確認ができたら、ユニバーサル基板で作成する予定
電子パーツ : 秋月電子で購入
このページの最後に部品表 (2021-08-18)
オシロスコープ : 100ksps 程度が必要
信号解析ソフト:Scopy (Windows/linux/OSX)
DSO112A (周期解の確認のみ)
LM741 Operational Amplifier モデルの取得と利用 (https://www.ti.com/product/LM741)
Design tools & simulation : SIMULATION MODEL
Download LM741 PSPICE Model
snom211.zip -> unzip LM741.MOD
メニューバーの最後の Spice Directives
ファイルパスの記入
.include /home/$(USER)/Documents/LTspiceXVII/LM741.MOD
or
.include ./LM741.MOD
LM741.MOD を開き、SUBCKT を探す
.SUBCKT LM741/NS 1 2 99 50 28
component -> opamp -> opamp2 : value LM741/NS
Make circuit
ラベル設定 : Vc1, Vc2, IL, Vcc, -Vcc
Run : .tran 0 2M 0 1n (T_max=2ms, dt=1ns)
お盆休みに家にあったブレッドボードで作成しました。
(9V電源のノイズ軽減用?キャパシタ0.022uFを買い忘れたので、つけていません)
PC (Windows10) にADALM2000 を接続
認識するとドライブが表示 (info.html 等へアクセス可能)
Scopy 起動
デバイス M2K を選んで Connect : Connected になるまで少し待つ
左メニューバーで Oscilloscope を選択
CH1 ON
settings : Time base=1ms, Volts/Div=2V
Run (調整)
VR-1 を少しづつ上げながら周期解を探す
VR-2 (半固定)を調整して、できるだけ値を大きくする
VR-3 (半固定)は真ん中くらい?
CH2 ON
settings : Time base=1ms, Volts/Div=1V
右上の歯車マークから General settings : FFT ON, X-Y ON
Run (測定)
VR-1 を少しづつ上げながら、周期解、倍周期分岐、カオス、Double Scroll、オーバーを確認
解の確認 : Python での数値シミュレーション
分岐解析:AUTO
スピーカーの接続
Matsumoto, Chua, Tokumasu (1986) : T. Matsumoto, L. Chua and K. Tokumasu, "Double scroll via a two-transistor circuit," in IEEE Transactions on Circuits and Systems, vol. 33, 828-835 (1986).
Matumoto, Komuro, Kokubu, Tokunaga, "Bifurcations Sights, Sounds, and Mathematics", Springer (1993).
最近では Chua's circuit としても知られているようです。