準備
使用カード:1組 52枚
カードの強さ:
K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5
※ Aおよび 2~4は獲得トリック数の宣言に使用し、このとき Aは「1」としてあつかいます
ここでは、まず3人で遊ぶ場合について説明します。最後に 4人または 5人で遊ぶ場合の補足を説明します。
全員で目標の達成を目指します。各々がプレイ前に宣言した「勝つマーク」と、その「回数」を、決まったルールに従って全員が達成したときに、全員が勝利します。
Aと 2~4を取り出し、マークごとにならべます。
適当な方法で親を決めます。親は、残ったカードをよくシャッフルして左隣から時計回りに 1枚ずつ配りきります。
配られたカードが各々の手札です。カードは誰にも見せず、もちろん、どんなカードがあるのか他の人に話してはいけません。
ゲームは 2つのラウンドからできています。前半は「獲得トリック数の宣言」ラウンド、後半はその宣言を証明する「トリック」ラウンドです。
各自、手札をよく確認します。手札のカードはひとり12枚ずつです。後半のトリックラウンドで、これらを1枚ずつ出して勝負を繰り返します。つまり、12回の勝負をおこないます。12回勝負で、自分がそのうち何回勝つかを考えます。何回勝つかをあらわすのが全員の前にならんでいるカードです。これから手順をふんで、全員で、とったカードの数字(英字)合計が12になるように考えながら、自分が何回勝つかを宣言していきます。
宣言は、親から順番に時計回りに最大 3周おこなわれ、各自が順番に宣言します。つまり、宣言のチャンスは最大で 3回しかありません。自分の番では次の 2つのうちいずれか一方を必ずおこないます。
(a)テーブルに並べたカードをとる
(b)パスする
詳しく説明します。
(a)テーブルに並べたカードをとる
自分がどのマークのリード(あとの「トリックラウンド」で説明します)の時に何回勝つかを予想し、そのマークの、その回数を指す数字のカードをとります。すでに他の人が取っているカードを横どりすることはできません。取ったカードは、そのマークと数字(英字)が見えるよう自分の前に並べておきます。
2週目以降、同じマークのカードをとるときは、すでにとっているカードの数字(英字)より大きな数字のカードしかとることができません。同じマークのカードは、新しく取ったカードを上にして重ねます。獲得トリック数としては、この、上に重ねたカードのみを使います(つまり同じマークのカードで、その数字を合計するわけではありません)。
もちろん、Aから順にとる必要はありません。最初の1枚として、例えば 3や4を選んでもかまいません。
また、前回パスをしてもいる人もカードをとることができます。
カードをとったら、次の人の番になります。
上の例では、親が「クラブのマークでリードされたときに 1回(A)勝つ」という宣言です。取ったカードは手札にいれず、自分の前に並べます。クラブの Aは、もう他の人はとれません。
(b)パスする
カードを取る(獲得トリック数の宣言をする)代わりに、パスをすることもできます。
パスをするときは、カードを取らず「パス」と声に出して宣言します。パスをしたら、次の人の番です。
上の例では、親の次の人がパスを宣言したところです。この人は 1度パスをしましたが、次の機会があればもちろんカードをとることもできます(またパスをすることもできます)。
「獲得トリック数の宣言」ラウンドでの制限
順次宣言としてカードを取っていきますが、次のルールがあります。ルールを破ったとき、すぐさま全員が負けになります。
3周を終えるまでに、全員の宣言合計が12になっていなかった
3周する前に、全員の宣言合計が12を超えた(13以上になった)
3人連続でパスした
どのカードをとっても合計が13以上になるカードしか残らなかった
3周するまでに無事合計12になるようカードを取ることができたら、「獲得トリック数の宣言」ラウンドは終了し、次の「トリック」ラウンドになります。
例として、うまく宣言できたばあいをみてみましょう。下の例では、 3周目に入り、親がパスをしたところです。この周回でカード合計が 12にならなければ即座に負けとなる状況です。この時点で親が A+Aで「2」回、次の人が Aで「1」回、最後の人が 2+2で「4」回勝つと宣言した状態からです。まず、この状態で、全員の宣言合計が「7」回でした。
ここで、親の次の人がダイヤの 4のカードをとって、すでにとっていたダイヤの Aの上に重ねます。これで全員の宣言合計が「10」になりました。この時点では、まだ「2」足りません。
その次の人はスペードの2の上に、スペードの 4を重ねて、これで全員の宣言数合計が「12」になりました。これで「獲得トリック数の宣言」ラウンドは無事終了です。今度はこの宣言どおりに勝負を繰り返すトリックラウンドです。
「獲得トリック数の宣言」ラウンドで、宣言数合計が 12になったらトリックラウンドが始まります。
ラウンドの最初は「親」の手番から始めます。親は手札から好きなカードを 1枚、表にして出します。この最初に 1枚出すことを「リード」と呼びます。
手札から1枚出すと、その人の手番は終了です。つづいてその左隣の人の手番になります。このようにリードした人から順に時計回り(左隣の人へ順番が移る)にひとり 1枚ずつ手札を出していきます。
上の例では、親が最初のリードでスペードの Kを出しました。(3人で遊んでいるので)Kは一番強いカードです。親は獲得トリック数の宣言として、スペードのリードで 1回(A)勝つ、と宣言しています。このため、他の人もそのような会話をせずとも、親が最初のこのトリックを勝つつもりだと分かります。
自分の番にできること
自分の手番が来たら、手札の中からカードを 1枚選んで出します。リードされたカードと同じマークのカードが手札にあれば、必ず同じマークのカードを出します。
同じマークが無かったら
リードされたものと同じマークのカードがなければ、その場合にかぎって、他のマークのカードを出します。リードとちがうマークのカードだった場合、たとえ強いカードを出しても勝つことはできません。
全員が 1枚ずつカードを出したら(これを「1トリック」とよびます)、リードされたカードのマークと同じカードのうち、一番強いカードを出した人が、そのトリックに勝ちます。トリックに勝った人は、使ったカードをトリックごとの束にして取っていきます。そして、リードに使ったカードが何のマークであったかわかるよう、宣言したカードの前に伏せて並べていきます。
では、例を追ってみていきましょう。
親が「スペードの K」でリードしたあと、次の番の人は、手札にスペードがあったため、その中から「スペードの Q」を出しました。Qは強いカードですが、獲得トリック数の宣言でスペードは取らないと宣言(スペードのマークのカードを獲得トリック数の宣言としてとっていない)しているため、このタイミングで出しました。次の人の番となります。
3番目の人の手番です。3番目の人も手札にスペードがあったため、その中から「スペードの 7」を出しました。3番目の人は「スペードでリードされたトリックで 4回勝つ」と宣言しているため、手札の中にまだスペードのカードが(そしておそらく強いカードが) 4枚以上あるのでしょう。
最初のトリックはとてもうまくできました。トリックに勝った人は、使ったカードを 1つの束としてまとめて、リードカードがスペードだったので、スペードの宣言カードの前に伏せて置きます。
2トリック目からは、直前のトリックで勝った人からリードします。
次のいずれかの条件を満たしたとき、ゲームが終了します。
(a)全員の手札が無くなったとき(12トリック終えたとき)
(b)誰かひとりでも、獲得トリック数の宣言と異なるマークのトリックをとったとき
(c)誰かひとりでも、獲得トリック数の宣言以上のトリックをとったとき
終了条件(a)でゲームを終了したとき、全員が「獲得トリック数の宣言」で宣言した条件を満たしていれば、全員の勝利です。その他は全員の敗北です。
3人が時計回りに、順番に親をおこない。3回戦おこないます。勝敗の結果、次の称号を得ます。
3勝0敗: Excellent この3人は素晴らしい仲間たち(Comrade)です
2勝1敗: Good 実に惜しい。あと一歩です
1勝2敗: Bad 敗北の理由を考え、上を目指しましょう
0勝3敗: Low 努力と研究が必要
ゲーム中の相談は禁止です。もちろん、ゲームのプレイに関わらない雑談などは問題ありません。
例:「その場札は取らないでほしい」 とか「ハートをリードすれば私がトリックを獲れるよ」 などの相談はできません。
トランプを2組使うことで、4人で遊ぶこともできます。4人で遊ぶときは、3人ルールから、以下を変更します。
トランプ2組を使用します。1組のうち Aと2~6の合計24枚を「獲得トリック数の宣言」用に使用し(除いたカードは使わないので箱に閉まっておきましょう)、もう1組の 52枚はトリックラウンド用に使います
カードの強さは (強) A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 (弱)
手札は13枚(配り切り)です
獲得トリック数の宣言は 12では無く、合計13とします
トリックラウンドでは全13トリックをおこないます
3人ルール同様、もちろん途中で敗北終了するときがあります
獲得トリック数の宣言どおりに13トリックを終了することができれば全員の勝利です
称号は4回戦おこなった結果に対して得ます。次のとおりです。
4勝0敗 Excellent この4人は素晴らしい仲間たち(Comrade)です。
3勝1敗 Good 実に惜しい。あと一歩です。
2勝2敗 Average 敗北の理由を考え、上を目指しましょう。
1勝3敗 Bad たまたま運が悪かったのかも。
0勝4敗 Low 努力と研究が必要。
トランプを2組使うことで、5人で遊ぶこともできます。5人で遊ぶときは、3人ルールから、以下を変更します。
トランプ2組を使用します。1組のうち Aと2~4の合計16枚とジョーカー2枚を「獲得トリック数の宣言」用に使用し(除いたカードは使わないので箱に閉まっておきましょう)、もう1組の 52枚はトリックラウンド用に使います
カードの強さは (強) A > K > Q > J > 10 > 9 > 8 > 7 > 6 > 5 > 4 > 3 > 2 (弱)
手札は親から配り始め、配りきりです。都合、親とその左隣の人が 11枚ずつ、その他の人は10枚ずつです
獲得トリック数の宣言は 12では無く、合計10とします
獲得トリック数の宣言において、ジョーカーは任意の宣言カードに対し +1の扱いです。
既に獲得しているカードがあればそれに重ねて +1の宣言として扱います(例:「スペードの 3」のカードに重ねて +1で「スペードの 4」の宣言とする)
まだ宣言されていないマークに対してジョーカーを適用する場合、宣言数「1」として扱います。あわせて、この時に宣言するマークを決定しなければなりません
複数人が同じマークで同じ宣言数になる場合がありますがルール上は問題ありません
通常の宣言カード同様、ジョーカーの上に宣言カードあるいはジョーカーを重ねることもできます
ジョーカーを利用することで「5」以上の宣言が可能です
トリックラウンドでは全10トリックをおこないます。親とその左隣の人は手札が 1枚ずつ残ります
3人ルール同様、もちろん途中で敗北終了するときがあります
獲得トリック数の宣言どおりに10トリックを終了することができれば全員の勝利です
称号は 5回戦おこなった結果に対して得ます。次のとおりです。
5勝0敗 Excellent この5人は素晴らしい仲間たち(Comrade)です。
4勝1敗 Great 実に惜しい。あと一歩です。
3勝2敗 Good なかなかの好成績です。
2勝3敗 Average 敗北の理由を考え、上を目指しましょう。
1勝4敗 Bad たまたま運が悪かったのかも。
0勝5敗 Low 努力と研究が必要。
トランプ愛好家のドミッチさんが創作したゲームで、初出は 2015年12月の、作者Webログです(2023年8月20日現在、作者 Webログは移行しており、https://ameblo.jp/donsant0099/ となっています)
全員で協力して目的の達成を目指す「協力ゲーム」です。だいたい同じような力量のプレイヤー同士で遊ぶのがよいでしょう
ルールの制限に記載のとおり、カード内容や展開に関わる会話ができないため、緊張感漂うゲーム進行になります
獲得トリック数の宣言で使用するカードと、トリックラウンドで使用するカードは、例えば大きさやデザインが異なるなど区別がつくものにしておいた方が無難です
協力トリックテイキングゲームとしては、他にもマストフォロー練習トランプを使用するザ・トリテというゲームもあります
近年「パンデミック」など、プレイヤーが協力して1つの目的を達成する、いわゆる「協力型ボードゲーム」が流行しています。
トランプのトリックテイキングで「協力型」ゲームが出来ないものだろうか?と思いついたのがこのゲームの創作のキッカケでした。
基本はマストフォローのノートランプ。
全員が宣言通りのトリックを取れば全員勝ち。
この基本スタンスを前提に考えました。
(イメージはデビット・パーラット氏の傑作「99」です。)
どのスートを何トリックとるか、それを勝手に宣言するのでは自由度が高すぎるので、却って面白くありません。
そこでビッドをするためのトランプをもう1組用意するという発想を思いつきました。
カードを選ぶ事でビットに制限を付け、悩ましい状況を創り出す。
その悩むところに楽しみが生まれる、という狙いです。
実はソロプレイでテストしたところでは、このゲームが面白いのかどうかサッパリ判りませんでした。(笑)
友人の前で恐る恐る初披露した際に、「これは面白い!」と高い評価をしてくれたのが今でも忘れられません。
創作ゲームの醍醐味はこの瞬間にある、と言えましょう。
この感触が忘れられないから、性懲りもなく駄作を創り続けるのです。
タイトルの「カムレッド」は「仲間」という意味ですが、フレンドやパートナーとは違って、「共通の目的を持った仲間」という意味だそうです。
正にこのゲームにピッタリの命名だったと自画自賛しています。
ルールの転載・配布なども自由に行って構いませんので、少しでも多くの皆さんに楽しんでいただければ幸いです。
ルールを紹介するにあたり、以下の文献・コンテンツを参照しました。
<3人用>協力型トリックテイキングゲーム「カムレッド」Comrade Ver.2 ( ゲーム ) - ドミッチの創作ゲーム http://blogs.yahoo.co.jp/domingo0130/19910888.html
協力型トリックテイキングゲーム「カムレッド」のルール ver.4 ( ゲーム ) - ドミッチの創作ゲーム http://blogs.yahoo.co.jp/domingo0130/19777855.html
<3人用>カムレッド プレイレポート - ドミッチの創作ゲーム http://blogs.yahoo.co.jp/domingo0130/19914715.html
「カムレッド」ルールの追補 - ドミッチの創作ゲーム http://blogs.yahoo.co.jp/domingo0130/20075207.html
【5人用】協力型トリックテイキングゲーム「カムレッド」のルール - ドミッチの創作ゲーム https://blogs.yahoo.co.jp/domingo0130/21359463.html