このページに記載のルールは 2016年に公開した「初版ルール」です。現在は 2020年に改訂された「2020年新版ルール」を公開しています。
このゲームはマストフォロー練習トランプを使った創作トリックテイキングゲームです。2015年のアドベントカレンダー企画 Trick-taking games Advent Calendar 2015にて公募したもので、S. Ando氏の創作物です。
このトリックテイキングゲームは、マストフォロー練習トランプでスートが見えていることを利用し、プレイヤー全員が協力して目的を達成することを目指します。
まず初めに基本ルールの 3~4人用ルールを、次いで特別ルールとなる 2人用および 1人用を順に説明します。2人および1人用はそれぞれ前の説明を踏まえてのルール説明になっているため、読み飛ばさず順にルールをお読みください。
1人用ルールの難易度は、野崎昭弘氏の朝日選書416 トランプ ひとり遊び88選に従うなら「難易度C(難しい。技術を要し、よく考えないとできないか、技術は要らないけれど成功するのが十回に一回かそれ以下)」、石黒友有氏のトランプの一人遊び SOLITAIRE FORTUNE TELLINGに従うなら 1:10くらいを目安としてください。まだプレイ回数の母数が少ないためあくまで目安程度です。あなたのプレイ結果を、ぜひお知らせください!
•プレイ人数: 3〜4人
•カードの強さ: A>K>Q>J>10>9>8>7>6>5>4>3>2
- 3人プレイの場合は2~4の札を除く40枚、4人プレイの場合は52枚すべての札を用意する。
- 札をよくシャッフルして各プレイヤーに13枚ずつ配る。3人プレイの場合は、残った1枚の札を場の中央に表向きに置く。
12回のトリックを行い、ゲーム終了時に以下の条件をすべて満たすとプレイヤー全員の勝利となる。
- 条件1: 各プレイヤーの獲得トリック数が(8,4,0)もしくは(6,4,2,0)の組み合わせとなっている。
- 条件2: 最後に残った各プレイヤーの手持ち札(3人プレイの場合は、さらに、場の中央の表向きの札も)のスートがすべて異なる。
3人プレイの場合は、クラブの5を持っている人が最初のリードとしてクラブの5を出す。場の表向きの札がクラブの5である場合は、代わりにクラブの6を出す。
4人プレイの場合は、クラブの2を持っている人が最初のリードとしてクラブの2を出す。
以下に示すような、通常のトリックテイキングのルールに従ってプレイする。マストフォロー、切り札あり。切り札は常にスペードとする。
- 可能ならば、リードされたスートの札を出す。
- リードされたスートが手札に無ければ、どの札を出しても良い。
- リードされたスートのうち、最も強い札を出したプレイヤーがそのトリックに勝つ。ただし、切り札が出されている場合には、最も強い切り札が勝つ。
- トリックに勝ったプレイヤーが次のリードを行う。
プレイ中は、お互い自分の手札のランクを他プレイヤーに伝えたり、ランクを一意に特定できるようなヒントを与えてはいけない。しかし、ランクが一意に特定されない限りは何を相談しても良い。
後で獲得トリック数が分かるよう、取った札はその都度裏向きにまとめて一つにし、獲得したプレイヤーの前に並べて置くこと。なお、取った札の表面を後で確認することはできない。
12回のトリックを取り合い、手札が1枚ずつ残ったら1ゲーム終了。
以下の条件を達成したら全員の勝利。未達ならば全員の敗北。
- 3人の場合: 獲得トリック数がそれぞれ、[プレイヤー1]=8トリック、[プレイヤー2]=4トリック、[プレイヤー3]=0トリックとなり、かつ、手札に残った札のスートが3人+場の表向きの1枚で全て異なる。
- 4人の場合: 獲得トリック数がそれぞれ、[プレイヤー1]=6トリック、[プレイヤー2]=4トリック、[プレイヤー3]=2トリック、[プレイヤー4]=0トリックとなり、かつ、手札に残った札のスートが4人で全て異なる。
見事ゲームに勝利した場合、手札に残った札のランクに応じて、以下の式で得点を計算することができる。なお、J=11、Q=12、K=13、A=14として計算すること。
(最大トリック数獲得プレイヤーの残り札のランク)-(最小トリック数獲得プレイヤーの残り札のランク)+12
最高得点は24点。最低得点は0点。点数が高いほど、よりハイレベルな勝利となる。
- 52枚すべての札を用意する。
- クラブの2を取り出して、残りの札をシャッフルし山札とする。
- クラブの2を山札の一番上に加え、その山札をディーラーから順に1枚ずつ配る(ディーラーにクラブの2が配られることになる)。各プレイヤーの手札が13枚になったら、残りの札26枚は再び山札にして脇に置いておく。
【ディール時の注意】
手札の表面を見る前に、お互いの手札のスートを裏から見て、もし全てのスートについて両者の枚数が完全に一致した場合は配り直しすること。また、第2ラウンドの最初で同様な状態を確認した場合も、配った26枚の札を戻して配り直すこと(第1ラウンドで使用済みの札は混ぜない)。
2回のラウンドを通してゲームが行われる。第1ラウンド、第2ラウンドそれぞれ12回ずつトリックを行い、以下の条件を満たすと全員の勝利となる。
- 条件1: 各プレイヤーの獲得トリック数がそれぞれのラウンドで(8, 4)または(4, 8)の組み合わせとなっている。その際、第1ラウンドで8トリック取った方は第2ラウンドで4トリック取り、第1ラウンドで4トリック取った方は第2ラウンドで8トリック取るようにすること。
- 条件2: 両方のラウンドで最後に残った手持ち札(第1ラウンドで2枚、第2ラウンドで2枚の合計4枚)のスートがすべて異なる。その際、ハートとダイヤは必ず同じラウンドで残るようにし、スペードとクラブは必ず同じラウンドで残るようにすること。
- ディーラーは最初のリードとしてクラブの2を出す。
- 基本ルールと同じ要領で12回のトリックを取り合い、手札が1枚ずつ残ったら第1ラウンド終了。切り札がスペードであることに注意。
- 手札に残った札は場に表向きに出しておき、次のラウンドの準備として山札26枚をディーラーから順に1枚ずつ各プレイヤーに均等に配り切る。
- 第2ラウンドの最初のリードは、第1ラウンドの最後のトリックに勝った方が行う。
- 第1ラウンドと同様に12回のトリックを取り合い、手札が1枚ずつ残ったら第2ラウンド終了。これで1ゲーム終了となる。
編注:第2ラウンドのプレイ時に、プレイ済みの第1ラウンドのカードを確認してはいけません
「ゲームの目的」で示した通り。
以下の式で得点を計算することができる。なお、J=11、Q=12、K=13、A=14として計算すること。
(第2ラウンドで8トリック獲得したプレイヤーの残り札のランク)-(第2ラウンドで4トリック獲得したプレイヤーの残り札のランク)+12
2人用特別ルールと同じ。ただし、プレイヤーをディーラーとし、ダミーハンドをノンディーラーとする。
ダミーハンドと、2回のラウンドを通してゲームが行われる。第1ラウンド、第2ラウンドそれぞれ12回ずつトリックを行い、以下の条件を満たすとプレイヤーの勝利となる。
- 条件1: プレイヤーとダミーハンドの獲得トリック数がそれぞれのラウンドで(8, 4)または(4, 8)の組み合わせとなっている。その際、第1ラウンドで8トリック取った方は第2ラウンドで4トリック取り、第1ラウンドで4トリック取った方は第2ラウンドで8トリック取るようにすること。
- 条件2: 両方のラウンドで最後に残った手持ち札(第1ラウンドで2枚、第2ラウンドで2枚の合計4枚)のスートがすべて異なる。その際、ハートとダイヤは必ず同じラウンドで残るようにし、スペードとクラブは必ず同じラウンドで残るようにすること。
- 第1ラウンドの最初に、ダミーハンドの手札を場に裏向きに並べる。そして、その中から各スートの札を1枚ずつ選択して表向ける(これらがダミーハンドのオープン情報になる)。なお、手札にスートが4種類無いこともあるが、その場合は表向きの札が3枚以下になる。
- プレイヤーは最初のリードとしてクラブの 2を出す。
- 次に、ダミーハンドの手札から、マストフォローを遵守しつつ任意の札を選択して場に出す。その際、表向きの札、裏向きの札どちらも選択可能であり、裏向きの札の場合は表向けて出すこと。切り札がスペードであることに注意。
- トリックに勝った方が次のリードを行う。
- あとは、2人用特別ルールと同様に12回のトリックを取り合い、手札が1枚ずつ残ったら第1ラウンド終了。
- 手札に残った札は場に表向きに出しておき、次のラウンドの準備として、山札26枚をディーラーから順にプレイヤーとダミーハンドに均等に配り切る。
- 第1ラウンドと同様、第2ラウンドの最初にも、ダミーハンドの手札を場に裏向きに並べ、その中から各スートの札を1枚ずつ選択して表向ける。
- 第2ラウンドの最初のリードは、第1ラウンドの最後のトリックに勝った方が行う。
- 第1ラウンドと同様に12回のトリックを取り合い、手札が1枚ずつ残ったら第2ラウンド終了。これで1ゲーム終了となる。
編注:第2ラウンドのプレイ時に、プレイ済みの第1ラウンドのカードを確認してはいけません
「ゲームの目的」で示した通り。
2人用特別ルールと同じ。
以上