Hexarthrius aduncus (ヘクサルトリウス・アドゥンクス)。ヒメフタマタクワガタ、アドゥンクスフタマタクワガタの和名を持つ。
当サイトでは、アドゥンクスフタマタクワガタと表記する。
この種は、以下の二亜種と未記載亜種からなる。
Hexarthrius aduncus aduncus Jordan, 1894
Hexarthrius aduncus igarashiae Fujita, 2010
Hexarthrius aduncus ssp.
以降、それぞれについて略記する。
Hexarthrius aduncus aduncus Jordan, 1894
アドゥンクスフタマタクワガタ アドゥンクス亜種(名義タイプ亜種)。
1894年4月、イングランドのトリング博物館で学芸員を務めていたドイツの昆虫学者ハインリヒ・エルンスト・カール・ヨルダン博士(Dr. Heinrich Ernst Karl Jordan, 1861.12.7-1959.1.12)が Hexarthrius aduncus として記載した。
Novitates Zoologicae, Volume I - No. 2, 1894, "On some new Genera and Species of Coleoptera in the Tring Museum", p. 484, Plate XIII - Figure 1
タイプ標本は英領インド帝国のアッサム地方で採取。
「aduncus」はラテン語の第二変化形容詞で「鉤状の」の意。
2010年、イガラシ亜種の記載により名義タイプ亜種 Hexarthrius aduncus aduncus Jordan, 1894 となった。
バングラデシュ~ミャンマー(メガラヤ山脈~パトカイ山脈)に分布。
Hexarthrius aduncus igarashiae Fujita, 2010
アドゥンクスフタマタクワガタ イガラシ亜種。
2010年、むし社代表・日本鞘翅学会自然保護委員会委員藤田宏(Hiroshi Fujita, 1953- )がアドゥンクス種の亜種として記載した。
タイプ標本はミャンマーで採取。
ミャンマー北東部(ホントワン山脈)に分布。
Hexarthrius aduncus ssp.
アドゥンクスフタマタクワガタ 未記載亜種。
2013年9月、上海師範大学の黄灝(Huáng Hào)と天津新偉祥工業有限公司の陳常卿(Chén Cháng-Chīn)により、その存在が発表された(中国では中国人名のローマ字表記は姓を先とするものと決められている)。
Stag Beetles of China II, 2013
ジャムナ川上流域北方の山地に分布。
全体に均一な赤味がある。
日本では2002年9月13日に植物防疫所が輸入規制無と判定した。日本での生体輸入量等は次の通り。
アドゥンクス亜種:生体輸入量は僅かで、インドのマニプル州インパール地方、ミゾラム州サーチップ県産(2010年10月国内入荷)の赤色個体、ミャンマーのサガイン州産(2014年9月に3♀♀国内入荷)の黒色個体、インドのナガランド州ナガヒル産(2016年9月7日国内入荷)が流通。
イガラシ亜種:生体輸入量は僅かで、ミャンマーのカチン州産の黒色個体が流通。
未記載亜種:生体輸入量は僅かで、インドのアルナーチャル・プラデーシュ州東シアン県産(2013年8月に4♀♀国内入荷)、同州ロウアー・ディバン・バレー県産(2014年9月に1♂1♀国内入荷、2015年夏国内入荷)や中国のチベット自治区米林県産(2015年9月6日国内入荷)の個体が流通。