1.本年度の活動方針
本研究会の設立趣旨のひとつは「最新の研究内容や方法を、高校・大学教育で使えるように紹介する」ということです。
歴史学研究をはじめ人文学研究の目標のひとつは、「自分の立ち位置の探究(クエスト)」であることは言うまでもありません。歴史学研究でいえば日本史・東洋史・西洋史の違いを問わず、今の日本/今の世界における自らの研究の位置づけを求められています。歴史教育でいえば、文学部学系出身と教育学部系出身の違いを問わず、高校生・大学生の目線にたった「自らの立ち位置の探究(クエスト)」を支える役目が求められています
阪大歴史教育研究会の参加者の多くは、高校・大学の歴史教育の現場に携われている(あるいは将来携われる)方々です。プラトンの対話篇『テアイテトス』で語られるソクラテスの問答法は、「助産師」の例えで知られています。対話相手になっている教師を「助産師」に例え、生徒は「助産師」の助けを得ながら、自らの内面に隠されていた「知識」を探り出すという訳です。歴史教育の現場にたつ私たちは、ソクラテスの対話における「助産師」としての高校生や大学生たちが自らの内面に隠されていた「知識」をクエストする際にそれを支える立場にあることに変わりはありません。
今年度は、①近年の歴史学研究の動向を伝える例会、②高校教員による新たな歴史教育の取り組みを伝える例会)、 ③大阪大、京都教育大、京都橘大学、同志社大学など、大学間の学生交流を念頭に置いた例会の3本柱で活動を進めていこうと、関係する皆さんと話しを進めています。これらの活動を通じて、最新の大学における歴史学研究が日本で歴史教育を受ける人たちにむけて「いかに語られるべきか」に配慮しながら、「助産師」に位置づけられるべき皆さん、つまり「歴史教育における探究(クエスト)をデザインできるみなさん」との交流の場としていければ幸甚の至りです。
2.本年度の活動日程
原則として、3ヶ月に一度、第3土曜日に開催します。
対面とオンライン(ZOOM使用)とを併用するハイブリッドで開催します。
今年度例会の開催予定日(太字は原則開催の日付とは異なるものです。開催予定日に変更が生じた場合には、随時更新します)