05.05/17:鷲見徹也:都会のサウンドスケープ

投稿日: 2012/04/26 8:18:35

いわゆるサウンドスケープ・デザインの事例紹介までの話があり、それ以降、「公共空間における音の環境」の問題を巡る話でした。

公共空間における音の環境には、(1)BGM (2)文化「騒音」 (3)屋外防災行政無線 があり、鷲見先生の考察によれば、「日本人の音の感性がなくなったから文化騒音が登場した」あるいは「日本人の音の感性は寛容だから文化騒音が登場した」のだ、という話でした。また、こういった「大企業がおせっかいなこと言う文化」を「パターナリズム」と呼んでいました。

辞書的な意味ではパターナリズムとは「家父長制」という意味ですが、電車のホームや信号機など社会の様々な場所に様々な「おせっかいな」案内音声があることを形容する言葉として使われていました。

ポイントは、そうですね、1)サウンドスケープデザインにはどのようなものがあるか と 2)「公共空間における音の環境」の事例にはどのようなものがあるか にしておきましょう。具体的事例をあげて説明できるようにしてください。

1)については、横浜ベイシェラトン・ホテルの音のオブジェの事例瀧廉太郎記念館や1996年に行われた環境庁の事業である「残したい日本の音風景100選」が紹介されていました。意図的にデザインされたサウンドスケープですね。

2)については、1.BGM 2.文化「騒音」 3.屋外防災行政無線 が取り上げられ、とくに2.文化「騒音」ー駅構内や電車内のアナウンス(「お降りになる時お忘れ物のないように」など)、あるいはデパートにおけるアナウンスなどーについて語られていました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今回の授業の前半部分の話題は中川の専門領域に近いのですが、横浜は、けっこうたくさんのサウンドスケープ・デザインの事例があります。

授業中に触れられていたのは、横浜ベイシェラトン・ホテルの音のオブジェの事例でしたが、横浜は早くから「音環境配慮指針」(1994年)なるものを制定しており、ここ以外にもいくつかサウンドスケープデザインの事例があります。

横浜駅西口近くの西鶴屋橋にもあるのですが、これはさり気なさ過ぎてまず気づかないかもしれませんね。

参考:日本サウンドスケープ協会